デルタ その①


 「見つけタ!!」


 デルタはこちらに向かって飛んでくる魔法少女の姿をその目に捕らえた。
 直後、戦闘準備を整える。魔力量が極端に少ない今、長時間の戦闘は行えない。なるべく短期決戦で決着をつけたい。そこでデルタは先制攻撃を仕掛け、その隙に一気に殲滅する戦法ととることにした。
 これなら奥の手を使わずに済むかもしれない。
 幸い、まだ暗がりの中なので敵はこちらの姿を捉えていないよう。ならばこの隙にデルタは両腕の装甲を展開すると、そこからロックした敵に向けて幾筋ものレーザーを照射する。
 そこで敵は初めてデルタの存在に気が付いた。


 「レーザーか……」


 高速で向かって来るそれらを見て、小さな声でそう呟く。
 こんな限定された場所ではそれを躱すことは容易ではない。
 二人ともそれを理解しているが、どういう訳か敵――御雷――は余裕綽々だった。


 「これでも喰らいな」


 そう言って動きを止めると、槍を線路に突き刺す。次に、自由になった両手をサッと前に向けると能力を発動する。それと同時に、まばゆい光が御雷の掌から発せられ、真っ暗だったトンネル内を照らしていく。
 デルタはそれが何か分からず訝しげな顔をする。
 だが、レーザーはそんなこと関係なく襲い掛かる。


 今にもそれらが命中するかと思われた瞬間。
 レーザーはまず、掌から放たれる光に包まれる。
 と同時に、起動が不自然に変わるとそのままグニャリと曲がり、トンネルの左右の壁へと突っ込んでいく。直後、ドンドンという爆発音が響き、アスファルトの破片などが吹き飛んで、御雷の体に降りかかる。
 だが、その破片たちもすべて周囲に光る光に弾かれて、御雷の体には当たらない。
 御雷はニッと笑い、挑発する。


 「ハッ!! その程度かよ」
 「そんなわけなイ!!」