もう一度レーザーを放とうかと思うが、さっきのように軌道をずらされてはどうしようもない。デルタは敵の能力の正体を探るため、接近戦を挑むことにする。両腕の装甲を展開してエネルギーの刀を前腕部から偃月状に形成した。
 二人の間の距離は、もう五十mもない。
 御雷は急いで突き刺していた槍を手に取ると、その切っ先をデルタの顔面に向けた。


 「おうおうおう!! そうこなくっちゃ」
 「死ネ!!」


 デルタは腕を振るうと御雷を切り裂こうとする。
 だが、御雷の方が一歩早かった。正確に首を狙って振るわれる右腕を見切ると、地面を蹴って後ろに飛ぶ。デルタは予想通りのその動きを見て、追い詰めるように一歩前に出ると今度は左の刀で切り裂こうとする。
 それを受けて御雷は素早く動き、今度は空いた方の手をサッと前に出すとデルタの手首の辺りをサッと掴む。
 それだけならよかった。
 それだけならよかったのだが

 御雷が掴んだ瞬間に
 デルタの全身に電流が走った。


 「――――ッ!!!」
 「フンッ!! これでも喰らいな!!」


 電流とは比喩ではない。
 文字通り電気がデルタの体を流れたのだ。魔力のバリアーを突き抜けて、全身が焼き付くような強烈な電流が流れる。全身のコードや機器がそれに堪え切れず、オーバーヒートする。そのせいか、ポンッという軽い爆発音がすると、デルタの左目が吹き飛んだ。
 デルタは痛みに負け、逃げることにすると、思いっきり腕を振るって無理矢理御雷の腕を弾き飛ばし、そのままフラフラと後ろに倒れ込む。
 そして、後ろに数歩下がった御雷との距離が数m開く。
 さっきのダメージが癒えないデルタは顔の左半分を腕で押さえてうずくまっている。彼女は普通の魔法少女と違い、自己修復能力を持たない代わりに外からの攻撃に対する防御力では魔法少女を超える。
 しかし、内部からの攻撃には非常に弱い。
 おまけに電流など、最大の弱点といっても過言ではなかった。


 「―――ッ!!! アアアアアッ!!!!!」


 思考回路まで焼き付いているような気がする。
 デルタは久しぶりの致命傷に簡単に立ち直ることができなかった。
 御雷は余裕の笑みでこう言った。


 「ねぇ、この槍の名前、教えてあげようか」
 「アグゥゥゥ……!!」
 「避雷針っていうの」
 「――ッ!!」