デルタ その②



 「あれ?」


 困った顔をして首を傾げる。
 デルタは一瞬の隙を突いて宙に舞って、御雷の姿をこっそりと見下していた。
 これではすぐにばれる。
 だが、一瞬の隙を突くことぐらいはできる。
 デルタはトンネルの天井の地面を蹴ると、勢いをつけて御雷へ向かって行く。その途中、デルタは右手のひらの装甲を展開し、エネルギー砲を起動する。だが、そこからエネルギー弾を放つわけではない。
 代わりと言ってなんだが、エネルギーを集中させて、直接それで殴ることにした。


 だがうまくいかなかった。
 デルタの伸ばした腕が御雷に命中するかと思われた瞬間に、強力な電流が腕越しに伝わって全身を苛んでいく。それで気が付いた。彼女は常に身の回りに電流を走らせシールドを張っているのだ。
 ポンッという軽い音がして腕のエネルギーが霧散した。
 それだけではない
 集中的に電流を浴びたせいで、左腕に搭載している兵装全てが破壊されてしまった。それだけではない、強烈な電流が腕を貫き、コードを伝い、破壊しながら自分の体にせりあがってくる。
 デルタは腰のブースターを起動し、後ろに飛びつつ、左腕を切り外した。
 外れた腕は火花をまき散らしながら、重力に引かれていき、そのままゴロリと地面に転がる。
 御雷は自分の目の前に降り立ったデルタの姿を見るとこう言った。


 「残念だなぁ、お前」
 「ナ……ナ、何ガ……」
 「私とお前の相性は、俗にいう最悪ってやつだ」
 「…………」


 デルタははっきりと理解した。
 勝てない
 この調子では

 デルタはいい加減覚悟を決めることにした。
 奥の手だ。