「いくヨ」
 「はぁ? 勝つ気?」
 「……違ウ」
 「なら?」
 「死ぬ気」
 「え?」


 御雷の動きがぴたりと止まる。
 デルタはその隙を突くと、全力で地面を蹴って飛び出した。そして、あっという間に距離を詰めると残った右腕をグイッと伸ばして御雷の喉元を掴んだ。もちろん、電流のバリアーもあるがそれは無理矢理突き抜けた。
 柔らかい感触と、電気が流れる衝撃が同時に伝わってくる。
 しかし、今度はひるまない。
 全力を発揮すると、腕をゆっくりと上げて御雷の体を宙に浮かす。
 御雷は悔しそうに顔を歪ませるも、すぐに腕を上げると自分を掴んでいるデルタの腕を両の掌で包み込んだ。
 するとそこからもすごい勢いで電流が走る。


 「―――ッ!!」
 「クソッ!! 離せ!!」


 御雷は暴れ、何とかデルタから逃れようとする。充電した電気も全て吐き出すつもりで、デルタに流し込み続ける。この調子ではここまで来るのに溜めた電気を使い切ってしまうが、気にしてはいけない。何が起きるのか分からないのだ。このまま殺されるよりははるかにそっちの方がましだった。
 デルタは全身がボロボロになっていくのを感じながら、自身のコアに魔力を集中させる。それと同時に、胸の中心部分にある黒く、薄く透けている装甲がバシュッという軽い音をたてて開いた。するとその内部から紫色の眩い光が放たれる。
 御雷はそれを見ても、何が起きるか分からない。
 でも
 よくないことが起こっていることだけは分かる。
 今すぐにでもデルタを弾き飛ばさなくては
 そう思った瞬間
 デルタの小さなつぶやきが聞こえてくる。


 「さよなラ」
 「な――ッ!?」

 次の瞬間
 デルタのコアが暴走すると――

 ドゴンッという大爆発音が響く。
 デルタの体が内側からの衝撃に負けて吹き飛び、体のパーツが弾ける。それに御雷も巻き込まれると、全身がズタズタに引き裂かれただの肉片と肉塊と化す。そしてそれらは全て爆風に乗るとトンネル中にまき散らされた。
 一瞬の間に二人は絶命した。
 だが、それだけではない。
 爆発の勢いはそのままドンドン広がり、大爆発となるとトンネルを内部から破壊していった。