すると、やはり小岩井研究所の一室を思い浮かばせる部屋が露わになる。達也の言う通り、沢山の機器が並んでいるが、そのほとんどが画面を持つもので、常に何かを映し出していた。ずっと電源が点いていたのだろうかと少し疑問が浮かぶ
 朱鷺は部屋の隅にあった椅子にどっかりと座ると小さくため息を吐く。
 マリアはとりあえずどうすればいいのか分からず、ボーッとしていたがそれを見たユウキに話しかけられる。


 「マリア、一ついいか?」
 「何?」
 「そこにある丸い機械を起動させてくれ」
 「これ?」
 「違う、そっち」
 「あ、これね」
 「そう、そこのボタンを押せばいい」
 「分かった」


 ユウキの言う通りにハキハキと動く
 朱鷺は座った姿勢のまま、持ってきたコアを整理している。研究所にいることは、まだ力仕事が多くあったがここではそうはいかない。何となく手持無沙汰だった。一方でユウキとマリアの二人は一通りの仕事を終えていた。
 最後にユウキは投影機を起動させた。


 「うし、アリスの現在地を出せるようになったぜ」
 「本当か?」
 「あ、マジっす」
 「よし、ならさっそく頼む」
 「……何もしてなかったくせに」
 「何か言ったか」
 「別にー」


 ムッとした顔で文句を言う朱鷺
 マリアはサッと顔を逸らすと知らんぷりをする。
 そんな二人のやり取りと無視してユウキは手早く操作すると映像を投影する。

 すると、見慣れた町の様子が映し出される。
 その中心に赤いマーキングがつけられている。
 朱鷺はそれを見て、ゆっくりと口を開くと呟いた。


 「……柳葉町、だな」
 「そうみたいですね……」
 「でも、なんでこんな場所に」


 口々にそう言いあう
 朱鷺はうすぼんやりとだが、映っている地域に見覚えがあった。少し考えると、すぐに答えが出た、一年ほど前、アリヤと初めて戦った場所がこの近くにあったはず。もっと正確に言うと彼女が住んでいたアパートの端が映っている。
 どうしてそんな場所にいるのだろうか。
 今現在、そこにいるということは研究所自爆の後であまり時間を空けることなく移動したということである。自分たちのことは配下の魔法少女に任せて
 原初の魔法少女自身が追って行く方が確実だというのに
 なぜ?
 疑問は尽きなかった。