朱鷺 その①


 数分後
 三人は研究所外の森の中で佇んでいた。
 ユウキは持ってきたタブレットで自分たちの位置とアリスの位置を確かめて、どちらの方向に行けばいいのか探っている。その間手持無沙汰なのか、朱鷺はしきりに首を回して周囲を探っている。
 マリアはボーッとほんの少しだけ見える空を見ている。
 たまに、鳥が飛んでいるのが目に飛び込んでくる。
 自由でいいな
 そんなバカみたいな考えが共に空の果てへ飛んで行く。

 何か気を紛らわさなければ
 また絶望の淵に叩き落されることとなる。
 嫌だけど朱鷺にでも話しかけようか、そう思い、彼女の方を見る。

 すると、朱鷺がある一点を凝視していることに気が付いた。
 眉をひそめて、険しい顔で
 マリアはそれを不思議に思い、話しかけた。


 「朱鷺さん、どうしたんですか?」
 「…………ユウキ、マリア」
 「なんです?」
 「どうしました?」


 朱鷺は麗装を身にまとい、その両手に七節棍を握りこむ。さらに袖から大量の式神を発生させると、自分の周囲で渦巻かせる。臨戦態勢に入っている。そして朱鷺は視線の方向へ七節棍をサッと向けた。
 ユウキは急いでそちらを見る。
 だが、パッと見では特に異変は無い。
 それでも朱鷺がこうしたということは何かしらがあるはずだ。
 そう判断したユウキは透視能力を発動して、何が隠れているのか確かめてみた。
 すると

 数人の魔法少女の姿が確認できた。


 「な――ッ!!」
 「ユウキ、どうしたの?」
 「クソッ!! 朱鷺さん!!」
 「あぁ、分かっている」


 そう言って
 朱鷺は一歩前に進み、背中で語り掛ける。