朱鷺 その②



 追手の魔法少女たちはそれが何を意味するのか分からず、それぞれ困惑を隠せずにいた。
 そんな彼女たちをよそに、朱鷺は両手の七節棍を地面に突き刺して腕組みすると言い放った。


 「この線を越えて、私に背中を見せてみろ。その瞬間がお前たちの最後だ」
 「なっ!!」
 「ふざけて!!」
 「――ッ!!」


 それぞれが違った反応を見せる
 最後に朱鷺はこう言い放った。


 「覚悟しろ」


 静かな一言
 だが、敵を抑圧するには十分する力を持っていた。
 魔法少女たちは完全に気圧されていた。
 だが、一人だけ無謀な少女がいた。


 「フンッ!! そんなコケ脅し……」
 「有馬!! 勝手に動かないの!!」
 「うるさい!! 舐められてたまるか!!」


 改造したセーラー服のような麗装を身にまとったその少女は、手斧そっくりの武装を手にして燈子を差し置いて前に出る。彼女は連れてきた少女たちの中では一番血気盛んで、好戦的だった。
 燈子は彼女の動きを止めようとするも、遅かった。
 有馬は地面を蹴って宙を舞い、生い茂る葉の中に飛び込み、姿を隠しながら前に進む。そして、わざわざ朱鷺の真後ろに降り立った。
 どうせ口だけだと舐めているからこそできる所業だ。
 有馬は武器を構え、振り向いて、朱鷺の背中に攻撃を仕掛けようとする。
 だが遅かった。