「喰らえ!!」


 歯を食いしばり、痛みをこらえながら目の前で組んでいた腕をサッと振るう。すると両腕の炎が噴き出し、地面の雑草に燃え移ると自分と朱鷺の間に炎の壁を生み出した。そこから放たれる強烈な熱気に、朱鷺は少し怯んでしまう。
 それが分かっていか否か
 炎の壁を突き抜けて、燈子の投げナイフが二本、朱鷺の腹部を狙って飛んでくる。


 「なっ!!」


 この至近距離では回避も受け止めることもできない。
 それでも体は危機を回避しようと動く。間に合わないと分かっていても

 ザクザクという音がして、ナイフが突き刺さる。一瞬遅れて、朱鷺の両手はそのナイフの柄を握りこみ、それ以上傷が深くならないようにする。


 「くそがッ!!」


 そう叫んでから、朱鷺はナイフを投げ捨てる。
 そしてその場から右に飛ぶと、炎の壁を避けてその裏に回ろうとする。
 ところが、そこに燈子の姿はなかった。


 「クッ!! 逃げられたか!?」


 どこに行ったのか
 朱鷺は真っ先に視線を巡らすと、後ろにいる魔法少女達に向かって行く燈子の後ろ姿が見えた。


 「逃がすかっ!!」


 朱鷺も地面を蹴るとその背中を追って行った。