「惨めね」
 「……はぁ……畜生……」
 「悪いけど、こうでもしないと勝てる見込みがないのよ」


 それはそうだ。
 キャリアでは自分の方が上でも、才能の、力の差がありすぎる。
 最初から、こうでもしないと勝てないと分かっていた。
 せめて
 苦しまずに殺してあげよう。
 そう思った燈子は歩を進めながら手にしている投げナイフに着火する。ただでさえ不気味なシルエットのそれが、より一層おぞましい姿になる。これで心臓を貫いて、一撃で終わらせる。
 後ろの魔法少女達もそれぞれの武器を手にする。


 それを見て
 朱鷺を怒りに満ちた表情を浮かべる。

 これ以上
 虚仮にされてたまるか


 「フンッ!!」


 気合一閃
 朱鷺は腕を振るい、手にしていた七節棍の切っ先を左腕にブスリと突き刺す。その一撃は血管を突き抜け、骨を砕き、激痛を朱鷺の体にもたらす。それでも彼女は、声一つ上げず、それを堪えきった。
 すると、まるで霧が晴れるように頭の中がすーっと晴れ渡っていく。
 唇を切るので足りないのなら、それ以上の痛みを好みに叩きこむのみ
 一瞬だが
 覚醒した。

 燈子たちはそれを見て、呆気にとられる。
 が、すぐに朱鷺の思惑に気が付くと焦り顔を浮かべる。


 「やばい!」
 「今すぐ殺さなきゃ!!」


 魔法少女たちの声が響き、襲い掛かる。