朱鷺はそんな中、腕を振るい噴き出す血液を全身で浴びながら叫んだ。

 「我が一生に、一片の悔いなし!!!」
 「――ッ!!」
 「ならばこの命、華と散らして見せようかぁ!!!」


 ここが探し求めた死に場所か
 魔法少女になって以来、ずっと探し求めてきたものが、自分の手の届く場所にある。
 ふと、優希の最後の言葉が脳裏をよぎる。

 あなたは私の分も生きて、この世界の行く末を見守って

 すまないが、その約束は果たせそうにない。

 無言のまま、あの世にいる優希に詫びる


 もう何も感じない。
 数多の死を乗り越えた彼女にとって、自分の死であっても特別なものではない。


 声が途切れた瞬間
 朱鷺はまだ動く右腕と共に、赤い七節棍を全力で突き出すと、一番近くにまで来た魔法少女の顔面を狙う。その動きは見事なもので、毒に犯されているなど微塵も感じさせないものだった。
 いきなりの攻撃を、魔法少女は躱せなかった。

 ガッ、と鈍い音が響く。
 頭蓋骨を完全に砕き、眼球や脳みそが潰れるグチャリという感触が伝わってくる。その魔法少女は一瞬で絶命すると、そのまま棍の中心辺りで体の滑りが止まる。中々無様な姿だったが、それを笑うものなどどこにもいない。
 朱鷺はその死体を投げ捨てると、充血し、真っ赤になった眼で後ろの方でコソコソしている宮崎のことを睨み付ける。


 「殺す!!」
 「…………」


 無言のまま怯える宮崎
 燈子は目の前にいる怪物に目を向けると、顔を歪ませる。
 面倒だ。