意を決してマリアが話を続けようとしたとき
 ユウキが手を上げるとマリアの話を遮ると、緊張した声でこう言った。


 「いたぞ」
 「え?」


 そう言って指を伸ばす。
 その先を見ると
 確かに原初の魔法少女の姿があった。
 何となく
 タイミングを逃してしまった。
 ユウキはマリアに顔を向けるとこういった。


 「で、なんか言ったか?」
 「ううん、何でもないの」
 「…………」


 実は
 ユウキはテレパシーでマリアの考えていることは全て把握していた。
 そのため、彼女が何を言おうとしていたか知っていた。
 知っていたが
 あえて何も言わないことにした。


 「マリア、厳しいこと言うぞ」
 「……何?」
 「俺たちは結局、アリスを殺すために生み出された兵器だ」
 「…………」
 「でもそれは俺たちだけじゃない。敵の魔法少女も、国連軍も、俺たちを操っていた達也も同じことだ。みんな、勘所のない道具のように扱われて、それぞれの事情をその旨の奥に抱いたまま死んでいったんだ」
 「…………」
 「だから、せめてアリスを殺すまでの間は俺たちも兵器でいよう」
 「………………分かった」


 遠回りの否定
 マリアにはそう聞こえた。

 「行こうぜ、マリア」
 「……うん、ユウキ、行こう。最終決戦だ」


 マリアは全身から大量の魔力を吹き出すと、それを織りなし麗装を生み出す。
 手にすっかり愛用となった剣を握り、左腕から強力な魔力を発生させる。
 ユウキもユウキで集中力を高めると、いつでも超能力を発生させられるように準備を整える。


 「行くぜ!!」
 「うん!! 行こう!!」


 そう言いあって
 二人は飛び出した。