決着 その②


 ドサリと膝から崩れ落ちる。
 体が限界を迎えていた。
 彼女は気づいていなかったが、その肉体は変調をきたしていた。魔力の過剰摂取だ。顔の半分に黒色の筋がまるで血管のように張り巡らされ、黒目が赤に、白目が紫色に輝いていた。麗装に隠れていてわからないが、左半身は既に真っ黒に塗りつぶされていた。手にしていた剣と、神の先が粒子と化し、フワフワと舞って消えてていく。
 半身原初の魔法少女と名会っていたが、そんなことはマリアに関係なかった。
 彼女は膝立ちになったまま、空を見上げる。
 雲行きが怪しかった。今すぐに雨が降り出してもおかしくないような灰色の雲が視界の全てを覆いつくしている。マリアはそれを初めて感謝した。なぜなら、太陽が出ていたらまともに空を見ることなんてできないだろうから。
 何も映していない目から、とめどなく血の涙を流しながらマリアは小さく呟いた。
 「本当に……これで終わったの?」

 何と表現すればいいのだろうか
 この気持ちを
 この困惑を
 この絶望を
 この悲しみを
 この怒りを
 この悪意を

 意外と答えはあっさりと出た。
 マリアは本当に、聞こえるか聞こえないか、どちらともつかない声で答えを紡ぎだした。


 「つまらない」


 そう
 つまらない

 何が、とはあえて口にしないが、何もかもがつまらない。というかそもそも自分がどうしてこんな場所にいるのか、どうしてこんなことをしているのかさえ分からない。一体自分は何を苦しんでいるのか。
 フレイヤや詩音、デルタに朱鷺、最後にユウキの死を受け入れて、乗り越えてこそいないが受け入れて。それで得た物がこの勝利

 そんなわけがない。
 そんなわけであってほしくない。