三人が決して和やかとは言えない会話を続けている間に、残った二人も降りてくる。


 「フレイヤさん、何やら楽しそうじゃん」
 「なんだ、このこてこてした女は」
 「詩音、朱鷺、私たち舐められているわよ」
 「へー、いい度胸じゃん」
 「命知らず」


 不敵にそう言い放つ二人
 詩音は不思議なデザインをした近未来の戦闘服のような麗装を身にまとっていた。朱鷺は七節棍を手にしており、いつも通り和服のような麗装を纏っていたが、一つだけ一年前と違う点があった。

 左目だ。

 しっかりと閉じられた瞼の上に、一本の古傷の痕があった。
 失明しているのだ。魔法少女の能力を利用すればすぐにでも修復できるのだが、あえてこのまま残してある。
 三人は余裕の態度で敵を見下している。
 サンはもう限界だった。


 「うそうそうそ………詩音に朱鷺まで…………もう終わりよ……」
 「うん? お、よく見るとサンじゃねぇか。ルナは元気か?」
 『元気だぜ』
 「ふむ……相変わらずか」


 さも当たり前のようにどこからともなく聞こえてくる会話する二人
 椎名はこの三人が誰だかわからず困惑している、このままでは話にならないのでサンに尋ねようとする。だが半分気を失っているのに気が付く。これでは聞くことができないので、肩を揺らすと何とか目覚めさせようとする。
 それは見事成功し、サンは正気を取り戻す。
 彼女はハッとした顔をするものの、再びフレイヤの顔を見て意識が飛びかける。


 「木偶の棒!! 彼女たちは誰!?」
 「……あ、ああ……あの三人は……高名な魔法少女よ……右から冷血の詩音、先ほど紹介したフレイヤに……一寸木朱鷺まで……」
 「何それ、聞いたことないんだけど」
 「あなたは……知らなくて普通………でも、私は彼女たちの強さを知っている」
 「え?」
 「三年前…………共闘したことがあるんだけど……その時…………彼女たちはすさまじかったの……」
 「へー、ま、関係ないけどね」
 そう言ってダガーのような形状をした武器を顕現するとそれを構える。だが、三人ともにやにやといやらしい笑みを浮かべたまま、ピクリとも動こうとしない。サンはこの場から逃げ出したい気分でいっぱいだった。
 椎名は負ける気がしなかった。