初戦 その④



 腕から大量の力が放たれ、それが翼の少女を飲み込む。すると一秒もかからずにその少女の体が崩れて消えていった。残った粒子が風にまかれて、消えていく。少女の姿は跡形も無くなった。
 いきなり起きたその現象に、マリアは目を丸くしている。
 うまいこと理解できなかったが、自分の何かがそれを引き起こしたことだけは分かっていた。代わりと言っては何だが、先ほどとは対照的に腕から暖かい力が逆流しマリアの体にたまっていくのに気が付いた。
 それも含めて、意味が分からない。
 しかし、客観的に見ていたデルタはマリアの能力に気が付いた。
 無表情のまま、少し怯えたような声を出すと、その答えを呟く。



 「……翼の少女の魔力を……吸収して……絶命させタ……?」




 抗うことのできない死
 それがマリアの能力だった。
 そして、そのことにマリアが気が付くまで大した時間はかからなかった。なぜならクライシスが突然現れると、それを教えたからだった。


 「やぁ、元気かい?」
 「あんたは……クライシス」
 「その通りさ」
 「今までどこにいたの!?」
 「微調整を繰り返していたんだが君の能力が発動をしたことに気が付いてね、急いでここまで来たんだ」
 「そうなの?」
 「そんな事より、能力をうまく顕現できたみたいだね」
 「え、さっきのが…………私の能力?」
 「その通り。魔力吸収。原初の魔法少女でさえ殺すことのできる史上最強の能力さ」
 「殺した…………」
 「その通り、君は今、敵を殺したんだ」
 「…………」


 殺した
 殺した?