一分も経たないうちに柳葉町は悲鳴と死体があふれる凄惨なことになっていった。さっきまで周囲を満たしていた排気ガスのにおいや、汗のにおいは鉄のにおいでかき消されていく。
 死体がごろごろと転がり地面を埋め尽くしていく。パニックに陥った人々が歩道から車道に飛び出したせいで事故が起こる、飛び出した人を回避しようとして車がハンドルをきると隣の車線の車に激突する。
 あっという間に大惨事へと発展する。
 平和な町が阿鼻叫喚の地獄絵図へと変貌する。

 実は、ここにいる人たちは知らないことだが、この現象は世界中で起こっていた。アメリカ、ロシア、中国、世界各国の主要都市で天使のような姿をした少女たちが降り立つと大虐殺を始めたのだ。
 それこそ手当たり次第に無差別殺人だった。
 すぐに警察も出動したが、どういう訳かこの天使のような少女たちは不思議な力を持っており、警察では手も足も出なかった。


 後にこの事件は世界同時大虐殺と呼ばれる伝説となり、魔法少女大戦の始まりとなった。
 そしてこれが原初の魔法少女復讐の始まりだった。


 戦いが始まって数か月
 人類にはなす術がなかった。
 陶器の仮面を被った量産型魔法少女に加えて、仮面を被らず独自の能力を持ち、それぞれ違う不思議な服を身にまとった悪魔のような魔法少女達。さらに、それだけではなく影のようなどす黒い体を持つ絶望少女という怪物
 彼女たちが一斉に人類に牙を剥いたのだ。


 既存の武器が殆ど通用しない彼女たちに各国の精鋭の軍隊も歯が立たなかったのだ。
 降伏し支配下に入ると表明した国もあったが、原初の魔法少女率いる魔法少女軍はそれらを一切聞き入れることなく侵攻を続けた。慈悲などどこにもなかった、人間は片っ端から殺されていった。
 世界中が危機感を抱いていた。
 だが、どうすることもできなかった。


 核を撃つと宣言した国家もあった。
 そこまで追い詰められていたのだ。





 ところが、その状況を一人の科学者と彼のもたらした情報と技術が一転させた