それに気が付いたのか、詩音はマリアの横に立ち背中をバンバンと叩きながらこう言った。


 「こいつの言うことは気にするな、ちょっと気難しいんだ」
 「……悪かったな」
 「私じゃなくてこいつに謝れよ」
 「…………」
 「ほらな、気難しいだろ」
 「あ、はい……」


 確かにそのようだった。
 少し苦笑しながら、マリアは二人の方を見ている。
 達也は話に割って入るように、渋い声で言った。


 「あともう一人いるんだが、彼女は今デルタと一緒に救援に向かっている。自己紹介はまた今度だ、いいな」
 「それはいいけど………どうした彼女たちを」
 「あぁ、今日も仕事だ」
 「え……」


 嫌そうな顔をしてあからさまに顔をしかめる。それを見て、朱鷺は不服そうな顔をする、彼女はマリアのことが気に食わないらしい。それがマリアに居心地の悪さを感じさせていた。
 モジモジと体を動かして早く話が終わらないかな、と思う。


 「いいか、君たちにはこれから護衛任務に就いてもらう」
 「護衛……?」
 「ああ、国連軍が使っているレーザー銃の新型をここに運び込むんだが、近くの敵が集結している場所があるのさ。もしかすると、敵が感づいて襲って来るかもしれない。つまりは念のためだな」
 「……それだけ?」
 「それだけだ。しかも今国連軍がその近く交戦中でな、そっちの方に戦力が行くからこちら側には何もないかもしれない」
 「…………」


 じゃあ別にいいじゃん、と言いたかったが我慢する。
 もし下手なことを言うと殴られるかもしれなかったからだ。もちろん朱鷺に
 それを見て達也は文句がないと判断したのか、「詳しい地図は朱鷺が預かっている、俺は寝る」と言って所長室から出ていった。反論する暇などなかった。マリアは何となく不平不満を持て余してしまった。
 ユウキは悪い奴でないと言っていたが、やはり納得がいかない。どう考えても人の話をまともに聞かないクソ野郎だった。


 ため息を禁じ得ないマリアだった。
 詩音はその姿を見てこういった。


 「あいつはそういう奴なんだ。許してやれ」
 「……知っているけど……なんか、イラつく」
 「ハハハハハ、率直だな。そういうの嫌いじゃないぞ」


 どうやらお気に召したらしい。
 詩音とは仲良くやれそうな気がした。