二人の活躍もあって、十分もすると殆どの翼の少女を殺すことに成功した。
 結局、最後まで小隊は撤退することなく後ろで援護を続けていた。はっきり言って役に立っていたとは言えないが、最後まで残っていた気概だけは評価できた。決して良いこととは言えないが
 デルタはフレイヤの隣に来ると、いつも通り話しかける。


 「ごめんなさイ。遅くなっタ」
 「いいわよ別に」
 「次は何をすればいイ?」
 「そうね、彼らの撤退の援護をお願い」
 「エ?」
 「私にはまだ、仕事がある」


 フレイヤはそう言いながら、顔を後ろに向ける。
 すると一人の魔法少女が向かって来ているのが見えた。彼女は先ほどまでの翼の少女たちを操っていた司令官だった、もう手駒がなくなってしまったのでしょうがなしに自分が出てきたのだ。
 彼女はまるで海のような深い色をした麗装を身にまとい、巨大な銛を手にして道を進んでいた。その目はまるで死んだ魚の目ようで、ゾンビのようにフラフラと前に進む。時々、崩れたアスファルトに引っかかって転びそうにもなっていた。
 フレイヤは両手にサブマシンガンを顕現し、それを握って向かいあうように進んでいく。


 「あなたは、他の敵に警戒しなさい」
 「分かりましタ」
 「彼女達には、私一人で十分」
 「……達?」


 ほかにも敵がいるのだろうか
 そう思って目を凝らしてみる。すると、もう一人、近くのビルに魔法少女がいるのが見えた。どんな姿をしているのかはっきりと見て取れなかったが、魔法少女であることに違いはなさそうだった。
 少し心配になったデルタはフレイヤの背中に話しかけようとする。
 だが、自信満々のその姿を見て何も言えなくなる。


 「……任せまス」
 「じゃ、行ってくるね」


 そう言い残して、フレイヤは地面を蹴って飛び出す。
 まるでスーパーマンのように、両手をまっすぐ伸ばし、二丁のサブマシンガンの銃口を少女に向ける。それを受けて、少女も顔をパッと上げると、両手に持っていた銛をグルグルと回転させる。
 フレイヤは引き金を引くと、一気に銃弾を放つ。
 だが、その全ては銛に弾かれてしまう。


 「あらあら、なら、これはどう?」


 そう言ってサブマシンガンを投げ捨てると今度はグレネードランチャーを構える。足をしっかりと地につけて、寸分違わず狙いをつける。
 これなら銛越しにでもダメージを与えられる。
 フレイヤは引き金を引こうとする。
 だが、その前に敵の少女が動いた。


 「海の女をなめないでー」
 「何?」


 その少女は足を思いっきり天にあげた。
 フレイヤは何かされるかも、と思い攻撃を少し躊躇してしまう。
 その隙に、少女は足を思いっきり振り下ろした。