「殲滅ダー!!」


 デルタはそう叫ぶとアリーナの出入り口に向かって行く。
 そこまで距離は約三〇〇mあるが、その道中にも大量の翼の少女がひしめいている。その全てを叩きのめすつもりでいた。ビークルはここから数百m離れたところに置いて来た。代わりと言っては何だが、右腕に武装が追加されていた。


 口径50cmのレーザー砲
 遠距離殲滅用の武装。
 デルタは一旦足を止めると、右腕の砲口を翼の少女の集団に向ける。首元からコードが伸びていて、それがレーザー砲に接続されている。それで直接手を触れることなく、武装んぽ操作が可能なのだ。
 翼の少女は、攻撃される前に攻撃を仕掛けることにしたらしい。
 刀を構え、光弾を顕現するとまっすぐデルタに向かって突っ込んでくる。
 だがすでに手遅れだ。
 仮に彼女が生身の人間で、表情を出すことができていたら、勝利の笑みを浮かべているところだろう。しかし残念なことに彼女は普通の人間ではない、顔に見えるのはそこに投影されているただの映像なのだ。
 砲口の奥から鮮やかな光が放たれる。
 大量の魔力がそこに集中し、レーザーへと変換されていく。


 「喰らいナ」


 その声と共に引き金が引かれ、太いレーザーがまっすぐ放たれる。
 それはアスファルトで覆った地面を抉りながら、突き進んでいくと翼の少女を焼き殺していく。光に飲み込まれ、消えていく。塵一つ、翼の一枚、粒子の一つも残さない。完全なる消去だった。
 レーザーはそのままアリーナの外壁に命中、轟音と共に大爆発を起こす。
 一方でレーザー砲はバシュッという音をたてると、装甲の一部が展開し白い煙を吐き出す。排熱だ。
 それが終わるまでは約五分ほどかかる。
 しかし、それを待っている余裕はない。顔を上げてみるとマリア達がアリーナに攻撃を仕掛けている姿が見えた。


 「思ったより時間かかったナ」


 しょうがないので腕のレーザー砲は捨てていくことにした。
 その命令を送ると、また装甲が外れる音がしてレーザー砲が重力に引かれ、ゴトリという音をたてる。それと同時にレーザー砲の下に隠れていた腕が露わになる。
 それを顔の横まで持って来て、二度三度閉じたり開いたりする。問題なく無事に動いた。


 「さてト、デルタ、いっきまース!!」


 そう言って全力で走り出す。
 とりあえずアリーナまでの障害は消えてなくなったので、遠慮なく道を進むことができる。その間に、戦闘準備を整えておくことにする。
 前腕部の装甲を展開すると、腕の側面から三日月のような形をしたエネルギー刀が顕現する。それは魔力の粒をまき散らし、美しく輝いていた。


 「輝彩滑刀の流法ってネ」


 デルタはそのまま突っ込んでいくと、全力で地面を蹴って飛び上がる。火を噴いて宙を舞い、壁を乗り越える。
 そして、宙を舞う翼の少女や絶望少女を切り伏せたり、腰からのレーザーで撃ち抜いていく。