「デルタ、お前は右を頼む、俺は左の奴を殺す」
 「分かっタ」


 二人はまっすぐ魔法少女に向かって突っ込んでいく。
 敵はそれぞれの得物を手にしたまま、ニヤニヤとした嫌な笑みを浮かべながら話を始める。


 「薔薇さんさん、朱鷺さんさんですよ」
 「そうなのです。三年ぶりなのですよ、絶望少女戦以来なのですよ」


 刀を持ち彼岸花のように真っ赤な髪をした少女と、同じく真っ赤な瞳をした少女。刀を持った方が彼岸で、ボウガンのような武器を持っている方が薔薇だった。二人とも原初の魔法少女側についたベテランだった。
 過去は朱鷺と組んで由良という魔法少女の手足として働いていた時期もあった。
 しかし、史上最悪の絶望少女戦を境に解散してバラバラになった。
 彼女たちは、戦闘態勢をとる。刀を構え、ボウガンに矢を生み出し、射撃準備を整える。
 朱鷺はそれを見て、フッと苦笑を浮かべると話しかける。


 「久しぶりだな」
 「そうなのです」
 「朱鷺さんさん、容赦しませんからね」
 「構わん!! デルタは薔薇を頼む!! 私は彼岸をやる」
 「了解!! 行きまス!!」


 その声と共に掌を向けると、そこからエネルギー弾を放射する。
 薔薇はボウガンの先をそちらに向けると引き金を引き、矢を放つ。高速で放たれたそれは二人のちょうど中間の位置でぶつかり合い、爆発を起こす。デルタはそれだけではなく、両腕からレーザーを放つと追い打ちをかける。
 しかし、薔薇はそれをサッとかわす。そのまま後ろに飛んで行くと、デルタから距離を取る。
 朱鷺はその煙を死角にしてあっという間に彼岸に近づいた。


 「覚悟!!」
 「朱鷺さんさん、私の強さ忘れたのです?」
 「覚えている!! 斬撃伝播、あの能力は強力さ」
 「なら、油断してはいけませんせん」


 そういうと、彼岸は刀を振るう。
 朱鷺はそれを七節棍で受けることなく、急停止してかわすと右手を前に出し、式神を大量に放つ。目隠しのつもりだったのだが、彼岸は刀を何度も振るうとそれですべての式神を切り裂き視界を開く。
 一瞬だった。
 しかし朱鷺はその隙に後ろに回り込むと、七節棍を突き出す。


 「うーん。能力ばれてるとやりづらいね」
 「お互い様だろ?」


 彼岸は刀を構えたままその場で高速回転すると、ヘリコプターの羽根のように回転させ、朱鷺を振り払う。
 刀で切り裂かれるとやばいので、速度を一気に上げると弾丸のように後ろに飛ぶ。
 彼岸の能力、斬撃伝播は切り裂いた物質に斬撃を伝わせることができる。つまり切られた場合、全身を斬撃が駆け巡ることとなる。強力な能力だが、切られなければたいしたことはない。
 ある意味では対処のしようがいくらでもある能力だ。
 おまけに、今は薔薇と連携を取ることができない状態なのでその力も半減している。
 だが強い。