マリアは能力を使い、翼の少女の魔力を吸収しようとする。
 しかし、浅かった。左腕から伸びた不可視の腕は少女の魔力を半分ほど奪い取ったところで逃げられる。体の半分が粒子化しつつも、マリアから距離を取る。それを追いかけようと思うがその前に攻撃をしかけられる。
 光弾が生成されると、マリアに向かって真っ直ぐ放たれる。
 咄嗟に右腕の剣を掲げてそれを受ける。
 その瞬間に爆発を起こし、マリアを巻き込んで爆煙が広がる。その上勢いに押されて尻もちをついてしまう。


 「いたっ!!」


 隙が生まれた。
 別の翼の少女はそれを見逃さず、一気に近づくと刀でマリアを切り裂こうとする。
 目の端でそれを見たものの、間に合わない。


 「ヒィッ!!」


 ひきつった声を上げてしまう。
 翼の少女の白い顔が目の前にまで来た時
 いきなりベキンッという鈍い音がして翼の少女の首が折れる。


 「え?」
 「マリア!! 油断するなよ!!」
 「ユウキッ!!」
 「おら!! 右側にさっきのいるぞ!!」
 「――ッ!!」


 マリアは急いで態勢を立て直しそちらを向くと、剣を突き出す。
 すると半身を失った少女の平らな胸に剣がブスリと突き刺さった。そしてそのまま傷から真っ赤な血液を流しながらゆっくりと崩れ落ちていく。結局、彼女は地面に倒れ込む前に完全に消えてしまった。
 ユウキはマリアと背を合わせるように立つと話しながら敵を倒していく。


 「結構数減ったぞ!!」
 「本当!?」
 「あぁ、あと百体いるかいないかだ」
 「すごい……早い」
 「フレイヤさんのおかげだな」
 「確かにそうね」


 そう呟いて、空中でガトリングガンを乱射するフレイヤの姿を見る。
 飛び交う銃弾や銃火器が日光を反射して美しい輝きを見せる。荒々しい戦い方の割には、見事なまでに美しく。気をしっかりと保たないとそのまま見惚れてしまい、敵にやられてしまうかもしれない。
 話には聞いていた
 百花繚乱・一騎当千の二つ名があると
 なるほど
 納得だった。