兵士はヘルメットについている無線を起動すると、後ろの方にいる上官に連絡を取る。


 『なんだ、何か見つけたか?』
 「はい、敵を一人見つけたのですが………」
 『他の奴らも気が付いているのか?』


 そう尋ねられて初めて兵士は首を回すと周囲にいる仲間の様子を見る。
 すると数人が彼女のことを指さしている様子が見えた。


 「ほかのも気づいている様子です」
 『よし、なら射殺しろ、許可を出す』
 「分かりました!!」


 その後で上官は無線を前線にいる兵士たちに一斉に通信すると、射撃命令を下す。
 すると数十人いる兵士が一斉に彼女に向けてレーザー銃を構えた。その場にいる一番偉い男が、サッと手を上げると射撃命令を下す。
 その瞬間に引き金を引く。
 ヒュッという音がして、高熱の弾丸が宙を切る。
 何十本ものレーザーが全て彼女に命中する。腐っても兵隊なのか、見事なまでの照準だった。

 トスットスッという軽い音が何度もして、彼女の体が貫かれていく。体にいくつも穴が開き、翻弄される。ドンドン体がのけぞっていくがどれだけ攻撃を受けても倒れ込もうとしなかった。
 必死で堪えている。
 もしくはダメージを与えることができていないのか


 兵士たちの顔がどんどん曇っていく、何度も何度も引き金を引いてレーザーを放っていくが、それだけ攻撃が命中しても彼女は倒れようとしない。それだけではない、攻撃を食らえば喰らうほどそれに慣れていくのか普通に歩き始める。のけぞることもない、全く持って意に介してないようだった。
 兵士たちは焦り始める。
 こんな敵に、今まであったことが無かったからだ。


 「上官!! 敵が死にません!!」
 『なんだと!! 攻撃が当たっているのか?』
 「当たってます!!」
 『誰だ……ヘルメットのカメラで映像を撮ってこちらに送ってくれ』
 「分かりました!!」