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ミシュガルド合同調査報告所3
甲皇国「巡視隊」について

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丙家の兵士達はミシュガルド内で外国人に対し平気で強盗や強姦行為を働き、また、他国との合同調査の場でも、横暴な振る舞いや差別的な言動を繰り返して、外国人、特に亜人の強い反感を買っていた。
甲国本国では、こうした丙家配下の兵士によるミシュガルド内での外国人への乱暴な振る舞いが、必要以上に外交関係を悪化させているとして、問題として度々取り上げられていた。
しかしこの問題に対し、現在ミシュガルド調査隊を率いているホロヴィズ将軍はまともに取り合わないばかりかむしろ煽る様な態度をとっており、だが、だからと言ってミシュガルドで多くの功績を上げているホロヴィズ将軍を、この問題だけで罰し、ミシュガルド調査隊から外す事は後々の丙家からの対応等も考えると、帝国にとって大きな損失に繋がりかね無い為とる事は出来なかった。

そこで、乙家及びその関係者から亜人に対して特別な敵愾心を抱いていない、差別意識の薄い人間を選抜し、亜人や外国人と関わる場で活躍する外交の為の部隊を新たに派遣する事が提案された。
隊員が乙家とその関係者に限られているのは亜人と交流する場で適切な対応をする能力を持った人材が豊富であるからという事は勿論だが、ミシュガルド内にて不穏な動きを見せつつある丙家に対しての乙家からの牽制という意味もあった。
これに対して丙家からは当然反対の声が上がったが、外交問題を放置していた事から丙家は強く反対できず、新たな部隊が乙家によって編成され、ミシュガルドへと送られる事となった。
それが、「巡視隊」である。
名前は秩序保安警察結成前、地方都市等において領内の治安を守っていた役職「巡視兵」から来ている。

巡視隊の主な任務は、既存のダンジョン、危険地帯、街道等のパトロールと、他国との合同調査への参加、各国共同で使用する施設、外国人来訪者等の警護等であり、パトロールや調査、危険生物の討伐等攻めの仕事を請け負うを行う第一巡視隊と、要人警護や重要物警備等守りの仕事を請け負う第二巡視隊に部隊は分けられている。
また、巡視隊員には外国人に対して非道に振る舞う甲皇国のイメージを払拭する事も目標として掲げられており、可能な限り外国人に対し紳士的、友好的に振る舞う事が義務付けられていて、隊員は普段のパトロール任務や警備任務の際も積極的に冒険者や外国人の手助けを行い、また、様々な問題の解決に取り組んでいる。

だがその様に亜人に対して友好的に振る舞う彼等の振る舞いは、甲皇国内はもちろん、アルフヘイムやSHWからも「露骨な人気取り」「かえって怪しい」「腹黒い連中」と嫌悪の目を向けられており、逆にそうした振る舞いが一部のエルカイダ構成員の怒りにふれ、攻撃を受ける事も少なくなかった。
隊員は甲皇国側にいれば裏切り者、非国民と揶揄され、外国人からは怪しまれてと心休まる場が無く、更に任務も危険な物が多い為、耐えられず辞めていく者も少なくない。
しかしそれらの苦難を乗り越えて残った隊員達は皆精鋭であり、今日も彼らは様々な場所で国際平和の為に活動を続けているのだ。

なお、巡視隊結成の際、シャルフリヒター級怪物等の人智を越えた強力な超常現象やモンスターに対し三国共同で対応する場面で活躍する重武装の部隊、「巡視予備隊」もしくは「自衛隊」と呼ばれる組織が提案されたが、乙家だけでそういった組織を作ってしまうと、かえって甲乙丙三家の連携と協力を妨げてしまうのではないかという懸念や、丙家の反対等もあり、その提案は取り下げられている。

       

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