No8 「霧の中の用心棒」

日本某所にある無人島を正体不明の濃霧が包み込み、衛星からも観測できるような強烈な光が何度も観測された。
原因究明のため海上保安庁の調査船が調査に赴くが、調査船は霧の中で消息不明になり、更にその調査船を救助に向かった船団までも、霧の中で次々と消えてしまう。

やがて消えた船団の探索に出動した自衛隊の偵察機が、霧の中で信じられない物に教われた。
全長数十mもある翼を持った巨大な怪物である。
その怪物は翼竜に似た翼を持っているが、脚を持たず、人間のような腕を生やし、背面には大きな二つの目を持っていて、明らかに地球の生物では無い。
そんな生物が、偵察機を追い越すほどの速度で飛んで、嘴で機体を狙ってくるのだ。

何とか逃げ戻った偵察機からの報告で、自衛隊は翼竜を討伐すべく、戦闘機部隊を派遣する。
しかし、翼竜は信じられない軌道と速度で飛行し、逆に戦闘機部隊を殲滅してしまった。
強力な力を持つ翼竜に対抗するため、海、空自衛隊は協力し、新たに護衛艦と戦闘機部隊を派遣し、苦戦しつつも、何とか翼竜を撃墜する事に成功する。
だが翼竜は倒された瞬間煙のように消えると、何と無傷で霧の中から出現した。
更に今度は島の一角から強力な破壊光線が放たれ、護衛艦を一撃で蒸発させてしまう。

光線の発射元へ近づいた航空隊はそこで不気味に光る灯台の様な建物を発見した。
それは宇宙から地球侵略にやってきた侵略星人、プロメルス星人の光線砲台だ。
プロメルス星人の光線砲台は光線を自在に湾曲させる事ができ、完成すれば地球の裏側を狙う程の射程距離を持っている。
星人はこの砲台を守るため、霧で島を隠し、あの翼竜、用心棒怪獣、モークプロメルスに島を守らせていたのだ。

航空隊はプロメルス星人の砲台を破壊しようと攻撃をかけるが、モークプロメルスが信じられない速度で飛んできて航空隊の攻撃の間に割って入り、防がれてしまう。
そしてダメージを受けたモークプロメルスは再び煙のように消えて、霧の中から無傷で現れた。
怯む航空隊をモークプロメルスの反撃が襲った、その時、霧の中から、白い胴着の姿の宇宙人が現れてモークプロメルスを抑えつけ、航空隊を救った。
宇宙道徳に従い、地球を守る宇宙の空手家、カラテレンビクトリーだ。

カラテレンビクトリーは航空隊を逃がすと、モークプロメルスを地面に叩きつけ、その胴体を正拳突きを叩きこみ、手刀で首を叩き切った。
だがモークプロメルスは先ほどと同じように煙のように消え、霧の中から戻ってくる。
それならばとビクトリーは正拳突きを連射してモークプロメルスをバラバラにするが、モークプロメルスの破片は煙のように消えて、無傷のモークプロメルスが霧の中から戻ってきた。
モークプロメルスと戦っても無駄だと察したビクトリーは今度は星人の砲台を攻撃しようとするが、瞬間移動に近い速度でモークプロメルスが割って入って妨害し、砲台に攻撃が当たらない。
そこに星人の砲台から強烈な破壊光線がカラテレンビクトリ―めがけて放たれた。
ビクトリーはそれを宇宙回し受けで弾き、横の海面に着弾させる。
海面で怒る大爆発、それによって吹き飛ばされる周囲の霧。
すると突然、モークプロメルスが口から泡を噴き、痙攣しながら高度を落として苦しみ始めた。
だが星人の砲台から円筒のような物が打ち上げられて上空でさく裂し、周囲を再び霧が包むと、モークプロメルスは元気を取り戻し、鋭い動きでビクトリーを襲ってくる。

一連の出来事から、この霧がモークプロメルスの力の源だと察したビクトリーは、モークプロメルスを弾き飛ばして上空に飛びあがり、高速で回し蹴りをして駒のように回り、巨大な竜巻を巻き起こした。
ビクトリーの起こした竜巻で霧は吹き飛ばされ、再度苦しみだすモークプロメルス。
そこにビクトリーが回転しながら突っ込み、その体を粉々に吹き飛ばした。
再度モークプロメルスが現れる気配はない。
実はモークプロメルスの正体は、周囲を覆っていた霧で、ごく小さな群生微生物だった。
プロメルス星人はそれを操って凝固させ、翼竜の様な怪獣を作りだしていたのである。
モークプロメルスを失ったプロメルス星人は砲台をロケットのように発進させて宇宙に逃げようとするが、ビクトリーがモークプロメルスを倒した勢いのまま回し蹴りで突っ込み、砲台を粉々に粉砕した。
砕けて島に降り注ぎ、大爆発するプロメルス星人の砲台。
破片は残らず炎に焼かれ、後には形あるものは何も残らない。
星人の企みを打ち砕いた事を確認すると、ビクトリーは再び空へと帰っていった。