Neetel Inside ベータマガジン
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「後輩がドのつく変態でした」
どっちからから読んでも今井マイ
http://www.geocities.jp/blissful_uribou/00.top_tool/01kouhaihentai.top.html

 BL作品ということで第零話で注意書きがなされます。いわゆるpixiv晒しあげ事件でも思ったのですが、BL界隈の人は過去のせいか過剰に後ろめたさを感じているように見えます。とやかく言われるのが面倒だからとりあえずお断りしているんだ、くらいな感覚で注意事項を書かれているのだと良いのですが、そうでなければ気にしすぎな気もします。隠れてやっている方が楽しいのでしたら要らぬお節介でした。
 第一話と第二話は漫画なので感想は省略します。後輩鈴木攻めの先輩加納受けです。タイトル的にド変態は鈴木ですが、加納先輩も十分変態に見えます。
 第三話に入ると、まさかの長編小説でした。第三話は全三十二ページなのでしょうか。番号が振ってあって、二十七ページまでが更新されています。

 プロローグ

 第二話の続きとして始まるプロローグです。読みやすい文体でさらさらと流れていきます。短い会話の中に天の声としての地の文が入って、種々の情報が埋め込まれていきます。そして、鈴木くんが回想に入るのと同時にプロローグは終わります。第三話表紙ページで分かるように、過去編に入るようです。また、BLの要素がないとのことで、第二話までとは対象とする読者層がすこし違うのでしょうか。

 きっかけ

 高校の入学直後。鈴木くんは誰かに会うのを楽しみにしているようです。ここまで読んでいると、漫画の鈴木くんとは年齢が違うからかあまり同じ人に思えません。プロローグでも少し思ったのですが、改行が独特です。会話文前後は二段改行。たまに一段改行で、段落の字下げはなし。よくブログなどで見る形式です。こだわりがあるんですかね。ブログ世代に読みやすい形式なのでしょうか。気になります。ちなみに、ブログ世代だなんて世代があるのかどうかは知りません。

 ぼくらが中学だったころ

 加納と鈴木の出会いが描かれるのでしょうか。読み始めてすぐ目に付くのは駅伝のアナウンス。なにか思い入れがあるのでしょうか。執着が感じられます。その執着に対して鈴木くんが受け取るのは加納くんをほめているということのみという簡潔さ。実際の世界でも我々が受ける印象もこんなものなのでしょうが、緻密に描写しておいてそれをあっさり捨てるあたりに狂気を感じました。加納くんとここで出会うことはないのですが、鈴木くんはこれをきっかけに陸上部に入ります。
 次のページに移ると、鈴木くんは一生懸命練習するようになっていて、カノウくんとの差に絶望しています。前ページでカノウくんのことは忘れたと言っていたのは嘘でがっつり意識しています。先輩の応援で向かった県総体で、カノウくんを見逃さないと言っています。やっぱりゴリゴリに意識しています。中学からゴリゴリに意識していたと知ると、漫画の部分の読み方が変わりますね。
 次ページでついに初対面が描かれるわけなのですが、BL要素は作者の言うように全く無く、負けて苛立つカノウくんに対して、熱血鈴木くんがライバル宣言をばしっと決めます。もちろん次ページでは鈴木くんは後悔をするわけですが、ごりごりの熱血展開です。
 何も事情を知らないまま好き勝手に言うのですが、第一話第二話はきぼんに残したまま、スピンオフ的に熱血小説としてニノベで公開するのもありだったのではと思います。新都社小説は読者人口が多くはありませんので、BLと熱血共に好きな人はあまりいないのではと思ってしまいます。BLに理解のない人にずかずかと踏み込まれたくないのでしょうか。せっかく面白いのにもったいないなあと要らぬお節介をまた言ってしまいました。
 今回は時間の都合もあり、第一章までの感想とします。

       

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