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「スピンオフ」
今井

http://www.geocities.jp/blissful_uribou/01suzukano/003wa/3wa.0.mokuji.new.html

 前回感想を書かせていただいた「後輩がドのつく変態でした」。スピンオフ的に熱血小説としてニノベで公開するのもありかもと前回書いたところ、実際にスピンオフとして登場させてくださいました。これで読者やコメントが減ったら完全に私の責任ですので、何をとはいいませんが皆様よろしくお願いいたします。こんなことになったから言うわけではないですが、ヒキが綺麗に作られていて、さくさく読み進めることができるのでおすすめです。
 前回は第1章まで読んだので今回は第2章を読み進めて行きたいと思います。読んでない人向けにとても雑に説明すると、鈴木は、先輩の加納をライバル視しています。

 仄々高校にて

 ほのぼのってこういう漢字を書くんですね。勉強になります。第2章は鈴木の陸上部への体験入部から始まります。新しい場面なので当然新たな登場キャラクターが出てきます。最近多くの作品を読むようになった私は新しい術を身につけました。もういっそ覚えずに、次出てきた時に復習するスタイルです。今月に入って数十人知らない人と小説内にて出会っているのでご勘弁ください。
 前章で加納に堂々と一方的にライバル宣言をした鈴木ですが、加納はすっかり忘れておりまして、鈴木は落胆してしまいます。しかしあっという間に立ち直り、加納へのライバル心はさらに燃え上がっていきます。立ち直りの早さはさすがスポーツマンといったところですね。前にライバル宣言してから二、三年が経過しているようですし、忘れられてるのは当たり前な気もします。加納は悪くないです。加納はどうやら陸上の世界からいなくなっていたらしく気になります。
 ここで急に海部芹加視点へ転換します。案の定誰か忘れているので復習のお時間へ。プロローグを開くとすぐに出てきた彼女は鈴木の幼なじみの美女でした。そういえば漫画だとほぼメインキャラだったのに、熱血ものとして見ていたのでついつい忘れてしまっていました。海部芹加は南先輩から入部のお誘いを受けます。どこの部活か分からなくて気になるのでまずは次のページヘ。
 次ページへ移ると、まさかの加納サイドになり、芹加目線での謎はお預けをくらいます。そして読み進めていくと鈴木が加納へ再びの宣戦布告をかまします。気持ちいいくらいの熱血野郎ですね。そして、南先輩は陸上部のマネージャーでした。視点が変わったので謎の解決はないだろうと思い込んでいたところでの解決だったので、うまく手のひらの上で転がされた気分です。
 舞台は6月初旬に移ります。そして芹加は当たり前のように陸上部のマネージャーに。鈴木はすっかり陸上部に馴染みトラブルメーカー扱いされるいじられキャラになっているようです。三年生が引退する場面で目に涙を浮かべかける加納を遠くから見て羨む鈴木。描かれていない二か月の間に鈴木は加納への印象がよくなっている様子。どういう変化があったのかが気になります。
 県総体で自己ベストを出したにも喜べない鈴木。悩みの根源は加納との実力の差にあるようです。高校時代の一年の差はスポーツでは大きいですよね。ただ、加納との差は努力ではなかなか埋まらないレベルの差に見えます。ここで諦めずに悩み続けられる辺り鈴木は根っからのスポーツマンなのだなと思います。スポーツに限らず、悩み続けられる才能や諦めずにいられる才能というのはごく僅かな人しか持ち合わせていないように思います。諦める理由なんてのはそこかしらに落ちているので自己正当化は簡単にできます。正しければそれでいいのかという問いに対する自己解決はまだまだ私個人としては成し得ないようです。余談でした。
 次ページでは鈴木は全国へ行けなかった悔しさに打ちひしがれます。一方で加納は全国で活躍した様子。それが余計に悔しさを増大させるのでしょう。納得がいかないまま周りから自分が褒められてしまうことに苛立ちを感じる鈴木。面白いことに前章で鈴木は、県大会で二位に納得がいかず褒められることに苛立つ加納に対して逆に苛立ちを感じているんですよね。この周りから褒められることに対して感じる苛立ちを抑えるには、結局自分の満足する結果を得るしかないですよね。人に苛立っているようで本当は自分に苛立っている。なんていう名前の感情なのか辞書をひも解きましたが私には見つけられませんでした。
 今回はここまでにします。

       

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