Neetel Inside ベータマガジン
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「スピンオフ」
(どっちから読んでも)今井マイ

http://www.geocities.jp/blissful_uribou/01suzukano/003wa/3wa.0.mokuji.new.html

残暑ある秋

 残暑ある秋はお菓子の我慢から始まるのですが、スポーツ選手の食事制限は見ていて辛いレベルですよね。だからこそ美しいんだみたいな被虐趣味の人間のような心が自分の心に多少なりとも存在することを知ります。
 鈴木は加納が駅伝のメンバーから自らを外そうとしていることを盗み聞きのような形で知ります。何かの勘違いであればいいなあと思います。漫画家が主役の某漫画で、ラブコメなんてのは一話で終わる話を勘違いで引き伸ばしていくようなもんだ的なことが書かれていましたが、人生の物語も生まれて死ぬだけの話を細かく区切って取り出しているに過ぎないのかもしれません。
 本筋とは離れますが、化学の授業や国語の授業が出てきて、こういう箇所にリアリティが急激に入ってくるあたり作者は高校生くらいなのでしょうか。いい大人がこういうことをできているのだとすれば、一文でリアリティをもたせられる能力には敬意を隠し得ません。前も述べたと思いますが、第一章のぼくらが中学だったころのアナウンスの書き込みはやはり脅威を感じます。今回は長い文章による表現ではなく一文による表現。まんがと違い小説は読み手の目線の動きが人によって変わることが少ないです。なので、背景的な書き込みを長々とやると目立ち、一文の表現に気合を込める必要があるのだと思いました。
 鈴木が駅伝メンバーを外された理由は案の定加納が鈴木の足の不調に気付いていたからでした。よかった。良くないか。ニノベ作品をこんなに長く読んだことがないので、正直キャラに情がわいています。
 残暑ある秋はまだ途中なのですが、時間の関係上ここまでしか読めなかったので今回はここまでにします。話数を見ると(終)となっているので、電車の中とかでゆっくりと読んでいきたいなあと思っています。

       

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