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「黒兎物語」
バーボンハイム(文鳥)
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18317

 きぼん連載アサシーノスで有名バーボンハイム(文鳥)先生による本作。もう114話まで進んでいるようです。ミシュガルド戦記に続きこちらもミシュガルド作品の様子。ミシュガルド戦記において、アルフヘイムの北方戦線で黒兎人は登場済みなので、楽に読み始められるかなあと期待しております。

登場人物紹介

 かわいいドット絵で登場人物紹介がなされます。これだけでも一見の価値ありですね。上から3人目のディオゴさんが気になります。アサシーノスのディエゴさんとは関係ないのでしょうか。バーボンハイム(文鳥)先生は妹と兄という関係がお好きなんですかね。

4 亜国大戦編 前編 アルフヘイムの深淵

 4から始まるのですが、これから読んでいいのでしょうか。分からないのでとりあえず読んでいきます。ミシュガルド戦記でも読んだ白兎人族と黒兎人族の軋轢が描かれていきます。むしろこちらが先なのでしょうか。本企画により偶然ミシュガルド戦記を先に読んだ身としては、詳しく説明してもらって二度美味しい気分です。

2 ダニィとモニーク

 本作の主人公、ダニィとモニーク。二人の微妙な距離感が描かれます。そこに愛があるのに何もできないと言うのは本人たちからすればとても辛いことなのでしょうが、個人的にはとても美しく感じてしまいます。愛が利己的か利他的か私は答えを持ちえませんが、お互い辛い愛というのはどこかにその本質を蓄えているように思えてしまいます。

3 ダニィとディオゴ

 3人目の主人公、ディオゴ。妹モニークの男性恐怖症は白兎人によるレイプにあり、その復讐のためレイプを繰り返す。ダニィはそんなディオゴを軽蔑し、もう3人の関係は元には戻らない。何が正しくて何が間違っているかなんて私は知りませんが、誰かのためと口にする人にあまり好意を抱けません。行動を正当化するために他者を持ち出すこともそうですが、そもそも自らの行動をわざわざ正当化しないと生きていけないのかと思ってしまいます。そしてそんな私は、新都社小説の役に立たねばと言って本企画を引き継いでいます。

4 神に望む幸せ

 ダニィが望む幸せは彼女に触れること。個人的には、中村中の友達の詩が思い浮かびます。いずれにしてもただ切ない。そしてアリストテレスが言ったようなカタルシスがここにあるなら。切なさに触れることで我々が精神の浄化を望んでいるのなら。他人の不幸によって自らの精神安定をはかるように設計された生物のようで、余計に切なくなります。

5 野蛮人のジレンマ

 ディオゴがレイプする自らに対し虚しさを感じてジレンマを感じているのでしょう。物語の読み方としてはディオゴに感情移入していくのが正解なのでしょうが、ディオゴの性格に始めから好意を抱けていないので、最低野郎がこの期に及んでまだ自己正当化を望んでいるんだなあとしか思えませんでした。事件前のディオゴに触れていれば違ったのでしょうか。同情の余地なしとはこういう感覚なのかもしれないと思いました。
 今回はここまでにします。

       

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