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★文芸・ニノベ作品感想5★
7月3日ニノベ感想

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★7月3日更新ニノベ作品感想

第七回の更新作品数は4でした。
今回も先にサイコロを振ります。

■第八回感想対象日
サイコロ (1,4)
日付 2017年7月7日
雑誌 文芸

サイコロは私の予定を気にかけてはくれないようです。
今日明日中に今回の感想をageようと思います。
できないようであればルール変更を本格的に検討します。

以下の作品感想を書きます。
「斜めってる。」
「スピンオフ」
「世界銃」
「インドマン」

よろしくお願いします。

     

「斜めってる」
チープグリーン

http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=20245

一.ふつうのひと

 前回感想を書いたところまでから今回までで話はどんどんと進んでいきます。個人的な感覚なのかもしれませんが、私の環境ではページごとで読むとちょうど一ページが一画面に収まっていて、スクロールする必要がなくてとても楽です。スマホで読むと要スクロールでした。新都社小説一ページあたりの文字数については、まだまだ未解決問題です。どなたかいい案をお持ちの方はご教授願います。
 当たり前の話ですが、私は私です。では、私を私たらしめているものは何でしょうか。ありものの言葉で言うならばアイデンティティの問題なのでしょう。アイデンティティを一つに絞るべきか分散させるべきかは議論の対象ですが、語り手にとっては斜視あるいは不細工というものが大きな割合を占めている様子。そうであれば、序盤はアイデンティティ崩壊の物語なのでしょう。語り手は無意識の崩壊実行犯に対して、嫌悪や嫉妬の気持ちを募らせていき、生の充実へと昇華させていきます。連載としてはちょうど事件が最後の一行で端的に述べられていて、次回の更新に期待を膨らませます。
 相変わらず語り口は齢十を迎えようとする人間には思えませんが、語り手の感覚を稚拙な表現を用いて書き出すのは難しいのでしょう。一種の文学的表現と思って読んでいこうかと思います。

     

「スピンオフ」
(どっちから読んでも)今井マイ

http://www.geocities.jp/blissful_uribou/01suzukano/003wa/3wa.0.mokuji.new.html

残暑ある秋

 前回、残暑ある秋の途中まで読んでいたのでそこから。ちょうど加納が鈴木をメンバーから外そうとしたのは、鈴木の足を気にしてというのが分かったところだったのですが、鈴木はそれを知りながらも駅伝にどうしても出るご様子。ただの意地なのか考えがあるのかどっちなんでしょうね。先輩方が海部ちゃんに聞くと、入院中の鈴木の祖父が駅伝で鈴木が走るのをみたがっているとのこと。そう言えばじいちゃんは駅伝マニアとかいう設定がありましたね。頑張るってなんでしょうね。単なる根性論で無理して怪我を悪化させるというのは見ていて呆れてしまうのですが、怪我してもやらなきゃならない時っていうのはやっぱりあって、それがいつか判断するのって難しいですよね。某バスケ漫画で赤い髪の人が、オレは今なんだよ、とおっしゃってましたが、私は今なんだ、と強く思うことができるのか甚だ不安です。強く思えたとして、勝負に出ることができるのかも、同じく不安です。正しいとか間違ってるとかは置いておいて、自分で勝負の時を決める判断力を身につけたいものです。
 全国駅伝の前に、小規模な地区の駅伝大会。鈴木は樋口と加納に挟まれるオーダー。鈴木は膝を痛め順位はボロボロ。それなのに優しい加納。加納は焦る鈴木にどこか自分を重ねていたようです。前も似たようなことを書きましたが、人生で諦めるタイミングとか諦める理由なんてのはいくらでもあるんですよね。結果はともかく、諦めない人を見るだけで美しさを感じるのは私がご多分に漏れず諦めた側の人間だからなのかもしれません。

静かに燃える冬

 第三章のはじまり。漫画「後輩がドのつく変態でした」のTOP絵のシーンから始まります。今見たら漫画消してリハビリとして4コマ漫画を連載してらっしゃるんですね。何かあったのでしょうか。心配です。もちろん個々人の自由なわけですが、読めていた漫画が消えちゃうと寂しくなりますね。
 物語に話を戻ると、鈴木は整骨院に通い始めます。(どっちから読んでも)今井マイ先生は「先生」と呼ばれる職業になにか恨みがあるのでしょうか。加納と仲良く話す医院長の息子に嫉妬心のようなものを感じる鈴木。BLの兆しが見え始めております。
 正月に入り鈴木くんは県の駅伝に出ます。すっかり良くなったようで一安心。きちんと時間が進むお話って書くのが大変そうです。プロットを切ると案外できるものなのでしょうか。強豪校の名前も出てきて、加納の過去に関わっているようです。
 正月駅伝二日目、どうも加納は中学時代に暴力事件を起こしていたようです。絡んでくる相手がまだやってたんだ陸上っていうのに多少の違和感が。加納って速いんじゃなかったですっけ。少し物語を見失いかけですが、そのまま読みます。絡んできた相手に鈴木が悔しがったのを喜ぶ加納。このまま順調にBLですね。
 視点は打ってかわって海部芹加へ。鈴木からの恋愛相談を受けています。鈴木はすっかり恋愛モードのご様子。こうやって連載していた漫画につながるわけですね。

そして、それぞれの道(終)

 時間がパーンと飛んでしまった気がするのですが、そう言えば回想として物語は始まっていたんですね。更新分のリンクを見ると、芹加視点の前で物語はまだ続いているんですかね。どうやら追いついたようです。まさか追いつくと思っていなかったので、驚いています。四コマも小説も順調に更新されていらっしゃるようで、これからも楽しく読ませていただこうと思います。

     

「世界銃」
のば
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=20022&story=1

拳銃は最初の武器

 シンデレラ・リボルバーver.1.02の取扱説明書が導入となっています。新都社小説は誰でも書けるがゆえに、無条件での読者の期待値が著しく低いです。知っている作者の作品なら読んでみようとなるかもしれませんが、知らない作者の作品は導入ですべてを判断されることがままあるでしょう。そういう意味では、この導入で読むのをやめられてしまう可能性が高いのではと思います。読者が読みたいのは物語の舞台についてではなく、物語なのですから。本感想の読者の皆様に注意していただきたいのは、導入の一側面に対して批判したにすぎないという点です。むしろ、作品としてはこの導入によって面白くなる、あるいはこの導入でなければならないかもしれないわけです。そして、導入で切り捨てられてしまった実は面白い小説はこの世に沢山あると思います。そのような小説を拾い上げていくことも本企画の一側面たるべきでしょう。そして、実は多読する感想企画担当者の身としては、最初に設定が記述されているほうが読むのが楽だったりもします。

1.光る幼馴染

 物語は語り手とその友人の日常の一幕から始まっていきます。高校生。いわゆるマドンナを「主人公」とあだ名される豊田くんにかっさらわれ、彼らは自らが「主人公」ではないという思いに駆られます。導入の言葉を借りるならば彼らは「その他大勢」なのでしょう。当たり前のことですが、本小説における主人公は語り手であり、豊田くんはその他大勢なわけです。要は視点の問題なわけですが、客観的に物ごとを見る能力だけでなく、彼らのように主観的に物ごとを見ることも必要なのかなと思うようになってきてはいます。個人的な話でした。話を物語に戻しますと、「その他大勢」な語り手にも自慢できるような幼馴染との思い出があります。そして話は進み、久々に再会した幼なじみは死にかけていて語り手は銃を受け取ります。そして、その銃で救急箱を打つと、と物語が進んでいきます。想像で語りますが、作者は救急箱の変化に対して、何故ではなく、どの物語なんだろうという妄想を楽しんでほしくて導入を入れたのでしょうか。語り手が唯一普通でないと自覚する点から物語が膨らんでいきます。みずからを「その他大勢」と思っているような人でも普通じゃない点はあると思います。どんな人からでも物語は始まるんだという作者からのメッセージなのでしょうか。
 今回はここまでにします。

     

「インドマン」
混じるバジル
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=20203

第二皿目 誘拐はサフランのかほり

 一皿目でインドマンになった語り手は、インドマンとしてユーチューバーの実績も上げていきます。しかし、語り手の周りには少し不穏な空気が。そんな中、先代インドマンとの出会いが訪れます。インドマンになるととある呪いがかかるご様子。そして呪いを解くのはなかなかに大変そうです。呪いが解けるところまで連載は続くのでしょうか。楽しみです。
 妹が再度誘拐されるも犯人は別で、中堅ユーチューバーでした。前回と同じ倉庫ということらしいのですが、犯人は別じゃないんですかね。ちょっと混乱です。ヒーローは他にもいるらしく、カードという概念が新しく提示されます。勝つとカードが手に入るらしく、呪いとも関係があるんですかね。話が少しずつ膨らんできました。

コメント返信

 本来なら感想企画的には飛ばす章なのだと思いますが、名前が出ていたので少しコメントを。どうも私の読み違いがあったようです。みなさん、本感想には誤りが書かれているかもしれないので、信用しきらず小説を読みましょう。そして、小説にコメントを残してください。

第三皿目 ひと口で、尋常でない辛辛だと見抜いたよ

 敵から情報を引き出していくと、どうもインドマン以外のヒーローはアクターと呼ばれていて、バトルロイヤルを戦い、カードを奪い合っています。インドマンをカードをもっているので、同じように参加者なんですかね。中堅動画配信者たちの戦いだということなので、もともと底辺だったインドマンはなにか別枠のような気もします。どうやらインドマンは彼らと共同戦線をはっていくようです。妹を守るため妹を危険に晒した奴らと手を組む。それでいいのか! インドマン!
 今回はここまでにします。

     

雨が降り始めて梅雨らしくなってきたかと思いきや台風が来てすっかり夏の様相です。春や秋が短くなってきたという話はよく聞きますが、なにより梅雨が短くなってきているように感じます。

■第八回感想対象日
サイコロ (1,4)
日付 2017年7月7日
雑誌 文芸

次回は七夕。晴れるといいですね。
よろしくお願いします。

       

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