第六皿目 初めて釣りに行った日の事憶えてる?自分だけボウズでブチ切れて女子トイレにイソメぶちまけて帰ったわよね

 さいたま新都心エリアでも1、2を争う高層オフィスビル。その最上階の社長室を訪問する車椅子の老人の姿があった。ガラス越しに下々の世界を眺めていた歳の若い社長がその老人を振り返ると彼は深々とお辞儀をした。

「これは、これはラ・パール会長アル・サティーヤさま。日本への長旅でさぞお疲れでしょう。こちらなどにお来さずとも今日はホテルでごゆっくりとされていたらよろしいのに」

「いやいや構わん」ラ・パールの会長と呼ばれたその男は深く眉間に刻まれた額の皺を強調するように歯抜けた笑顔を見せて笑った。南アジア特有の癖のある香水の匂いから顔をそむけるようにして彼を招いた男、馬場 雅人ばばまさとは微笑みながらその視線を再びビルの下の世界に移す。

「さっそく本題じゃが、ワシの会社が開発した仮想現実システムとやらはどうかの?」「ええ、順調に稼動しておりますよ」馬場コーポレーションCEOである雅人は振り返ると椅子を引いて座り、組んだ足に手を置いて語り始めた。

「わが社で取り入れたラ・パールのVRシステムはゲーム・映像の分野で高い功績を残しております。先日頂いた対戦型実戦体験機も“テストプレーヤー”を使って実験的に稼動させておりますが今のところ、動作に支障は生じておりません」

「ほっほっほっ」馬場社長の報告を受けてサティーヤ会長は満面の笑みを浮かべ、杖を使ってその場から歩き始めた。従者が車椅子を引くと会長は先程の雅人社長と同じように再開発が進められているさいたまの街並みを見下ろした。

「まさかワシが与えたシステムをあのように日本式にアレンジするとは思わなかったぞい。アクターバトルと言ったかね?」

「はい、その通り。日本人の文化に深く根付いている『特撮ヒーロー』の戦闘形式を用いて、いまや時代の寵児を数多く生み出しているYouTuber達にその頂点を争わせる…年末に行われる『アクターロワイヤル』に向けてそちらも準備を着々と進めている所です」

「それは結構な事じゃて」快活に笑うラ・パール会長を見て馬場コーポレーション社長の雅人が笑顔を見せて頷く。新時代に相応しい技術を手に入れて革新的なアイデアを生かせば自らもこの国の頂点を治める事は夢ではない。雅人の野心を見透かしたようにサティーヤ氏が蓄えた白髭から強い言葉を吐いた。

「じゃが、ひとり招かれざる挑戦者がいるそうじゃな」その口調を受けて雅人が呆れたように両手を挙げる。「ええ、彼には困ったものですよ」雅人がデスク上のキーボードを人差し指で叩くとそこには相手アクターを退けて勝ち名乗りを上げているインドマンの映像が再生された。

「…これでカード七枚。他のアクターと比べても圧倒的な強さを誇っています。本人が好戦的な性格ではないため積極的にカードを集めてはいないようですが、腕っ節の強い者が少ないYouTuberの間ではアクターロワイヤル優勝者最有力候補とアクター内でも囁く連中も多く…」

「不快じゃ。消せ」冷たく言い放った会長のひと言に部屋の空気が張り詰めたものに変わっていく。「でしたら私の方で手配してあの者をこのゲームから“削除”しましょう」「わかっていないのぅ、若造よ」

 雅人の言葉を遮るようにしてサティーヤ氏は怒りを噛み殺すように杖を強く突いて元の車椅子に座り込んだ。「少し武装した程度の悪漢じゃあやつには勝てんのじゃよ。それに第一回目の日本大会で参加者のひとりを中盤戦で主だった理由無く消すなどという愚行を晒せばスポンサーである我が社の面目が立たん」

「ではどうすれば?」「決まっておるじゃろう。おぬしが定めた、決められたルールの中でインドマンを抹消する。そしてそのための人物を用意した…入りたまえ」

「失礼致します」ドアを開けた人物の顔を見て雅人社長はうめき声を上げた。

「あなたは…まさかこの人を使ってまで事を荒立てなくても!」振り返って睨みつけるとサティーヤ氏はふやけた白い指でVサインを作って雅人社長に微笑みかけた。

「ほっほっほっ。これはワシが人生の最後を飾るために興された“芝居”じゃ。これで文字通り最高の“演者”が揃ったではないか」


・・・

 向陽町にある合同宿舎。日曜日のリビングでは六実がパソコンのイヤホンを引っこ抜いてYouTubeのゲーム実況動画をソファに座って眺めていた。テーブルに着いて朝食の味噌汁を啜りながらテレビの老害討論番組を眺めているとその音量を上回る大絶叫がパソコンの方から聞こえてきた。

「やぁ~めろぉ~~!!なぜそこで赤コウラがぶつかるぅ~?どぉしてぇ~?神様、教えてクンタキンテ島ですよぉ~!でもまだ俺にも勝機はあるぅ~、こぉのキノコを使ってぇ~…ショートカット!
やっぱい!ハイ、皆さん観てますか~!俺また一位ですよぉ~そしてそのままゴぉぉルぅ!…どうやら今回もオレ様が早すぎたようだ~せいぜい下位争いをしててくれよぉ~クソ雑魚どもぉ~!
それじゃ、今回はこの辺で。次の動画でまた会おう!ロキでした…!」

 動画が終わると俺は妹の六実に「ロキ好きなん?イケメンだもんな」と気軽に話しかけた。先日のフルチンぶらぶら事件以降、一切口を聞いてくれなかった六実が舌打ちをひとつして絡まったイヤホンを取り出したので「待て待て」と手で制す。

「うっざ、きっも。どうでもいいでしょ?」目を合わせずに次の動画を探し始めた妹に会話を終わらせないように次の句を繋ぐ。

宮島 路樹みやじまろき。俺と同い年のゲーム実況者。ゲームイベントに引っ張りだこで、この間もハヤシ先生のテレビに出てたぞ」「テレビ見てないからわかんない」冷たい態度の六実にめげず俺は兄としての特権を生かし現役JKと話を続ける。

「サポートの切れたニマニマからYouTubeに活動拠点を移してもう二年か。最近では学生時代からの付き合いがある友人実況者とグループ組んでるんだよな。年収も一億近く貰ってるってネットニュースに書いてあった!」

「しつこい。ウィキペディアかよ。それとも人気者に対する嫉妬?」うんざりした表情で振り返った六実の目が怖くて俺は視線を外す。「そ、そういえば最近アベピーみないよな。ほら、お兄ちゃんが昔バズった動画にサムネが似てた実況者っ」

「ああ、安部ちゃんね」六実がパソコンに向き直って別のウインドウを開いた。アベピー。軽快な語り口でプレッシャーのかかるボス戦でも分かりやすく実況プレイをこなす、宮島路樹率いる超最強学園(アルティメットスクール)と人気を二分する大物ゲーム実況者だ。

 俺はサムネが被った一件以来、アベピーのゲーム実況動画全てを洗いざらい眺めてその魅力にハマった。俺もいつか彼の様に好きな事をやって、自分が思ってる事を言って、それで稼いで生きたいと思ったもんだ。

「日比さ~ん!」「うわっ、きもっ!…てかびっくりした」パソコンから聞き覚えのある声が響いて飛び上がった六実がパソコンの画面を俺の方に向けた。「はいど~も、ちっがちゃんで~す!」ヤツの恒例となっている変顔挨拶が終わると俺はガクッと肩を落として画面の向こうの人物に声を向けた。

「家族が家に居る内はトークはやめろって言ってるだろ」「大変なんすよ。ゲーム実況者の安部ちゃんっているじゃないですか。ソイツがかくかくしかじかで……」

 千我の話を聞き終わると俺は椅子を蹴って居間から駆け出した。「本当にいくつもり?あのティンカスレスラーのワナかもしれないよ?」かつて彼らに誘拐された六実が俺の背中に呟いた。

「…そうかもしれないな」もしそうだったらアイツごとぶっ飛ばしてやればいい話だ。にわかに信じられない千我のリークを受けて俺はヤツが借りたというウィークリーマンションを目指して走り出していた。

――都内にあるタワーマンション、一角の部屋。四方の壁に施された防音加工の壁紙を眺めて男のひとりがそれを指の腹で撫でる。部屋の中央には手作りのデスクが置かれ、その上に防風カバーが付けられたマイクがスタンドに立てて置かれていた。

 そのマイクを掴みあげると首謀者である男がデスクに座って部屋の隅で両腕を後ろで縛られたスーツ姿の男に向かって話しかけた。

「結構良いトコ住んでんじゃんよー。大物ゲーム実況者さんよぉー」緊縛された男に口元のテープを剥がすように指示すると彼の後ろにいた男のひとりがその通りに口封じを外した。

「くはっ…こんな事をしてタダで済むと思ってるのか!」「ははっ、実況者とは思えねーベタな言い分だなぁー」紙を丸めたような笑顔を見せた首謀者に向かって会社勤めの男は口角泡を飛ばして声を荒げた。

「お前たちのやってる事は誘拐だぞ!…キミがそんな事をする人間だと思わなかったよ。ゲーム実況者、ロキ。いや、宮島路樹!」

 名前を呼ばれて空ら笑いを部屋中に広げながらその男はデスクから立ち上がった。その周りを彼と共に実況グループを組んでいる3人の面子が事の成り行きを眺めていた。

「おい、聞いたかおまえらぁ~。俺達のやってる事が誘拐だってよぉ~」「誘拐って、この部屋は安部さんが間借りしてる部屋ですよね?」長髪にサングラスをかけた背の高い男がしゃがんだ安部を見下ろすように言った。

「…俺は、足立のアパートに居たところをこの部屋に連れてこられたんだ!」「確かに実況者がこんな高級住宅に住んでたら視聴者からのイメージ悪いモンね~」先程から防音の壁を撫でていた身なりの良い男が相槌を打つように頷いた。

「そういう理由じゃない!…あのアパートは大家が親戚で家賃がタダなんだ」「おい、聞いたかよぉ~セコ過ぎんだろ!お前年収いくらだよっ」馬鹿にするようにロキが大声で笑うとたしなめるようにブラックスーツを着た金髪の恰幅の良い男が短く会話を切った。

「倹約家だってことだ」笑い声が止むと縛られた安部が彼ら超最強学園のリーダーであるロキに訊ねた。「キミ達の目的はなんだ?…俺なんか誘拐しなくたって金なんか充分に持ってるだろう?今すぐ俺を解放しろ!」

「わかってねーなぁ。アベピーさんよぉ」ロキがゆるい髪のパーマを揺らしながらしゃがみ込んで安部の肩を掴んで揺らす。その瞬間、安部は隣に並んだロキの顔を眼鏡の奥の瞳で眺めた。この暴挙を楽しんでいると同時にその瞳には少しの憤りの色があった。

「ゲーム実況人気を二分する俺たちとアベピー。その片割れが居なくなったらどうなる?」問い掛けられて安部は口ごもりながらも返答する。「そ、そりゃあもう片方が人気を独占できるんじゃないの?」

「その通り!ご明察です!」立ち上がるとロキは近くにいた仲間に尋ねた。「ねぇ、今地味に博多の芸人の真似したんだけど、似てたかぁ?」「言われてみれば~」「ああ、似ていた」「次の動画で実戦投下していこう!」

「おい、内輪で盛り上がってないで年上の話を聞け!俺をこのまま実況させずにこの部屋に閉じ込めておくつもりか?…俺達のゲーム実況にどれだけの値打ちがあるか、キミたちが一番分かってるはずだろう?」

「落ち着けよ、安部さん。何もゲーム実況者を引退しろって言ってる訳じゃないんだぁ」部屋の隅から取り出した椅子に座ってロキが安部に向かって優しい口調で語りかけた。

「俺たちがアクターとしてカードを集めている間、安部さんにはゲーム実況をお休みして欲しいんだぁ~」そういうと部屋の面々が各自に持つ変身アイテムを取り出して安部に見せ付けた。はっ、それを見て安部は鼻を鳴らす。はっきり言ってしまえば武力による脅し。その状況でもなお、安部は強気な態度を崩すことはない。

「アクターバトルの事なら俺も知ってるよ。カードを集めるので時間がないから、ライバルの俺に動画投稿を休めだって?なめんなよ、ニートども。こっちは真面目な務め人で税金もガッチガチに納めてんだよ!」

「その点については尊敬しています」サングラスの男が胸元のチョーカーを光らせて唯一その言葉に回答した。「テオくん。キミはアルスクでも常識人キャラだと思ってたんだけどな」「…内と外は違います」

 テオと呼ばれたその男、昆 帝王こんておはにかんだ笑みを押し殺した。「別に褒められてねーよ!馬鹿なのかぁ!」弛んだ空気を締めなおすようにロキが立ち上がって安部のシャツの襟首を掴んだ。

「ずっと前から気に入らなかったんだぁ~。アンタも気付いてるだろうが、俺達と実況するゲームが被ってんだよ!今回のカートゲーもそうだぁ!部屋見渡したら新作FPSもフラゲしてるじゃねぇーかぁ…アレ来週から俺達も4人プレイ実況すんだよ!」

「それがどうした?人気のあるゲームを自由に実況して何が悪い?」ロキの話を切るように安部が彼らに向かって問い掛けた。「…そういう所だよ。自分の好きな事やって生きてるって感じが気にいらねぇ。しかもそれが大成功ときたもんだ」手を離すとロキは自分の変身アイテムである右手薬指の指輪を光らせた。

「安部さんよぉ、なぜ俺たち4人が変身できて同じく大物実況者のアンタが変身できないか、わかるかぃ?」四方に輝く光を眺めて安部がふっとその場で息を吐く。

「俺はなぁ、選ばれた人間なんだよ。中堅野郎共がチャンスを与えられるなかで唯一俺がいるグループだけがこの能力を与えられた。わかるかい?社会に染まりきった大人にはわかんねぇよなぁー!この俺、ロキ様が実況動画、いやYouTube新時代を切り開くトリックスターなんだよぉ!!」

「…確かにわからんな」彼らのように変身アイテムが送られてこなかった安部が高笑いするロキを眺めて呟いた。「安部さんよー、こんな綺麗な椅子を自作できるんならDIYのハウツー動画で食ってけるんじゃないのー?」身なりの良い男が椅子の座台を拳で軽く叩きながら訊ねた。その言葉に安部が余裕を持って答える。

「キミはフレイ。白布 零しらふれいくんだったね?キミの天然キャラ、俺好きだったのに残念だな」「ああ、アレ全部演技~。安部さんは俺たちとカブらない動画上げてくれれば俺はそれでいいよー。ドゥ イット ユアセルフって感じでさ!」

「古流根くん」名前を呼ばれて携帯電話に目を落としていた金髪の男が顔を上げる。「リアクション芸の達人コルネこと古流根 晋三こるねしんぞうくん。アクターバトルで優勝したら主催者側が願いをひとつ叶えてくれるんだろ?キミ達の願いはなんだ?」訊ねられて助け舟を求めるように視線を泳がせるとロキがその言葉の端くれを掴み上げた。

「知りたいかぁ~俺が代表して答えてやる」ロキが腰掛けていたデスクから飛び上がると会話の中身を先読みして仲間が含み笑いを堪え始めた。「あの話をするつもりだぜ~?」フレイが隣に居たテオを肘で小突いた。

「…その昔、俺たちが少年時代に遊び場にしていたスパリゾート施設が近所にあったんだ。そこはその地域の子供たちがそこで遊ぶことによって社会の常識を知る場であって、俺たちもそこで人に迷惑をかけずに遊ぶやり方を身に着けた。そして俺たちも自分より若い連中にそれを伝えていこうと思っていた矢先だ。
どこかのプールで天井の屋根が崩れ落ちてたくさんの子供たちが死んだ!その施設の老朽性とか防震施設とか難しい事はわかんねぇ。ただ、俺たちが通う遊び場は閉館になった。もう一度取り戻したいんだよ。俺たちが子供に戻って遊べる空間をさ」

 ロキの話が終わって安部は溢れ出た汗を肩で拭う。「その話が本当なら…そんな事の為に罪を犯すなんてイカれてる」「なにぃ?俺達の思い出を馬鹿にするつもりかよ安部さんよぉ!」

「お前たちは勘違いしてんだよ!」

 突然の安部の攻勢に4人がそれぞれの装備を構えて中心に座る大人を視界の中央に捉える。「ここの住所はオーナーのチクリでとっくに他のヤツに知られてるんだよ!」


――ステージセレクト。

 頭の中で響いた起動音が鳴り止むと目の前にアクタースーツを身に纏った三人組が現れた。「アベピーさん、助けにきましたよ!」マスク・ザ・アレグロが綱で縛られた安部に声を掛けるとその後ろから大声による見得が切られた。

「我が名はインドマン!競合相手を脅して己の利益を増大させようとは許せん!正義の熱風を受けてみろ!」

「おいでなすっかぁ、クソ雑魚インド野郎」指輪を輝かせて変身する4人。その中央には見慣れたアクターのフォームもあった。「お前は…」後方に立つイル・スクリーモが呟くとその男は両手を広げて挑戦者たちを招くように声をあげた。

「俺の名はミル・トリコ!観る者全てを虜にする最強のアクター!さぁゲームを始めようぜ、この雑魚どもぉ!十把一絡げ、芥に反してやる!」

――ゲーム実況者、アベピーが所有するこの部屋で永年のドリーマー7人によるバトルロイヤルの火蓋が燃え盛るミル・トリコの剣によってきって落とされた。。

 ステージセレクトさせて荒野に戦場を移した俺たちアクターは敵であるミル・トリコの燃えさかる剣による初撃をかいくぐると俺と同じくこの場に来たマスク・ザ・アレグロと背中合わせに敵の姿を確認する。

 剣を鞘にしまって俺たちを睨みつけるミル・トリコの後ろにボイラースーツを着た身軽そうな男、その隣に白銀の甲冑のようなフォームを着た男。そしてその後ろに真っ黒な闇が蠢いているのが見えた。

「敵は4人。あいつら全員アルスクの連中だぜ」俺の前に来たイル・スクリーモが愉快そうにケシャケシャ笑いながらホルダーからバタフライナイフを取り出した。俺は構えを変えて拘束されている安倍さんに声を掛けた。

「正義の実況者、アベピーよ!このインドマンが救出に来た!この卑怯な実況者連中に制裁をくわえてやる!」「あ、ありが…もがっ!」嬉しそうに俺たちを振り向いた安倍さんの胸倉を掴んでミル・トリコがマスク越しに忌々しく息を吐いた。

「こいつ、拉致られてる時に発信しやがったな。舐めたことしてくれるじゃねーかよぉアベピーよぉ!」「落ち着けミル・トリコ!」ヤツの後ろに居た戦士が手甲がはめられた腕を伸ばして暴走を制した。「くそがっ!」トリコが力強くその手を振り解くと無抵抗の安倍さんが岩肌に腰を強く打ち付けた。

 ボイラースーツの男がマスク代わりのバイザーを指で押し上げて高い声で言う。「安倍さんはおれ達の大事な人質だ。乱戦の間に連れ戻されたら面倒だしさ~」バイザーが後ろを向くとその奥の闇が実体化し、そいつが真っ黒な腕を伸ばすとマスク・ザ・アレグロとイル・スクリーモの頭上にその黒にリンクした渦が生まれて蠢いた。

「これは、一体!?」驚くふたりを眺めてミル・トリコが腰に手を置いて俯瞰で仲間達に訊ねている。「あのインド野郎は俺にやらせろ。いくらオマエラでもあのふたりはやれんだろ」

 鼻で笑われるようにあしらわれた連中がそれぞれに武器を構えてその首謀者に声を返した。「さすがにあんなイロモノに敗れるほど弱くはない。みくびるなよ」「まかしとき~」甲冑の男とバイザー男が装備を輝かせるとその身体を深淵の闇が包み込んだ。

「うわっどうなってんだよ!」そいつらと同じようにマスク・ザ・アレグロとイル・スクリーモの身体もその闇に吸い込まれていく。そして一息をつく間もなく俺とミル・トリコを残して他のアクターは別の空間に消えていった。俺はグローブを握り締めてトリコに向かって叫ぶ。

「こちらの戦力を分散させてあいつらは別の場所で戦わせる気だな!3対2は卑怯だぞ!」「…ひとさらいしておいて言うセリフじゃねぇが、卑怯じゃねぇ。あいつらのひとりは非戦闘員だ」ミル・トリコの赤いペストマスクの間から覗く瞳が自信たっぷりという感じに俺を眺め下ろしている。

「俺たちの計画を見破ったご褒美だぁ~。一つだけ情報を提供してやろう」ミル・トリコが指を立てて俺のいるほうにゆっくりと近づいてくる。「安倍さん、こっちへ」俺は狼狽して少し離れた場所にいた安倍さんを手招きして呼び寄せる。

 以前闘ったとき同様の強烈なプレッシャー。剣の間合いに入るとミル・トリコは俺を見て軽快な語り口で話し始めた。

「俺の仲間のひとり、さっき暗闇を出してお前の連れを吸い込んだあいつ。どういうトリックか知りたいかぁ~。知りたいよなぁ~……あいつのアクターネームはネブラ・イスカ。で、あいつが操れる能力は“空熱”!熱によって時空を歪ませた瞬間に産まれる隙間を縫って物体を動かせる、いわゆる瞬間移動の能力を持っている。普段、戦闘中問わず自分が知りうる位置座標へ一瞬でテレポートできるらしいんだぁ。今回そいつを攫ったのもその超便利な能力を使って実行した」

「くそっ足立の方の住所もバレてたのか!」「ちょっと情報漏えい多すぎなんじゃねぇのか~大物実況者さんよぉ~」

 トリコが噴き出したその瞬間、フードを被った男が俺の前を横切って安倍さんの身体を抱え、ひと飛びしてその場から離脱した。「あっ、おい!待てよ!」慌ててミル・トリコがその男を追いかけようとする。俺はその背中に思い切り拳を打ち込んでやった。

「ゲーム実況者、アベピーは俺の方で保護する。ここはキミに任せる」フードの男はそういうと俺に親指を立てて岩の陰に姿をくらませた。揺れながら響く安倍さんの声が遠ざかる。

「どこの誰だか知らないがみんなありがとう!が、頑張ってくれ!」その言葉に俺は心の中でラジャラジャマハラジャ(了解の意)と答える。砂利の上からミル・トリコがゆっくりと時間を掛け、殺気を辺りに撒き散らしながら身体を起こして俺に言った。

「人質を取り戻されたぁ。テメェらのせいで俺様の計画はやり直しになっちまったじゃねぇかぁ~。そもそもなんで大物実況者の俺がこんなジャリ共と一緒にカード集めしなくちゃなんねーんだよ意味わかんねぇ」

 抑揚のない早口で呟くとミル・トリコは腰の鞘から洋剣を引き抜いてその切っ先を俺に向けた。怒気を具現化したような炎がそこら中に巻き散らかされて岩の表面をどろどろに溶かしていく。

「一度のバトルで手に入れられるカードはひとりにつき一枚だけだからなぁ」刀身に熱を宿らせるとミル・トリコが剣を構えなおしてマスクの奥の瞳を血走せた。その表情をみて俺は腰を落として構えを取る。

「リスの放送であったロボアクターを倒したの、オマエなんだろ?あいつみたいにオマエを続けざまにリンチしてカードゼロに追い込んでやるよぉ!んで人生終了だ、この野郎!」「そうはいくか!」

 振り下ろされた刀身から飛ばされた炎の刃を側転してかわすと乱れた着地の瞬間を狙われて思い切り顎を蹴り上げられる。アクター状態であるため痛みはほとんどないが戦闘の形勢は悪い。俺が飛びのいて距離を取るとミル・トリコが挑発するようなしぐさを俺に向けた。

「剣を使うモードがあるんだろ?構えろよ」なるほど。こちらの能力は既に偵察済みか。「なら使わせてもらう!魔人モード:ムルガン!」俺が変身している間、ミル・トリコは気だるい語り口でその光を眺めていた。

「アクターバトルが始まって数ヶ月。どいつもこいつも搦め手ばっかでよぉ~まったく弱者との戦闘は爽快感無くて嫌んなるぜ。オマエもこういうガチンコバトルを望んでたんだろ?」俺が光から解き放たれて赤いフォームに変わると銀色に戻った剣を差し向けてミル・トリコは俺に宣言した。

「安心しろよ。俺は能力を使わない。この剣だけでオマエを葬ってやる」どこからか湧き上がる高揚感。「その勝負、受けて立つ!」同じ能力を持つアクター同士による文字通りの真剣勝負。愛刀シャムシールを構えるとその場を舞って相手の一太刀を受け流した。

 真剣による勝負が始まり、対面するミル・トリコによる袈裟斬りを俺は構えた剣で受け止める。鍔迫り合いになると単純な力比べ。俺よりタッパのあるトリコが俺を上から圧しながらマスクの口から唾を噴き出して鼻で笑った。

「この状況で何、楽しそうな顔してんだぁ、オラぁ!」力を込めるために息を吸い込む瞬間を狙って俺はヤツの腹に膝蹴りを入れる。「油断したか?剣の構えが大きすぎる!」剣がその刀身に火花をあげて分かれると俺たちの間にまた距離が生まれる。ミル・トリコが憎々しげに舌打ちを飛ばした後、マスクを抑えて不敵に笑い出した。

「いやぁ、俺も楽しいよぉ!例えるならば実況関係なしに新作ゲームをプレイしてる感覚に近いかな。この俺に真正面からぶつかってきたアクターはオマエが始めてだぁ。インドマン、オマエを俺のライバルに認定してやるよぉ!」

 笑いを噛み殺すとミル・トリコは再び俺に向かって剣を突き出してきた。おかしい、相手は競合する実況者を誘拐した凶悪犯。なのに何故俺はこんなにも楽しくアイツと闘っているんだ!切っ先を横薙ぎで吹き払うとミル・トリコのがら空きになったボディが目に飛び込んだ。

 思わぬ絶好機。致命的なダメージを覚悟して相手の目が細くなる。いや、違う。俺は剣を構えなおしてその場から後退する。

「…なんのつもりだぁ?舐めプしてんじゃねーぞこらぁ!」怒声を飛ばすミル・トリコをみて俺は整えた言葉を返してやる。「お前が申し出たこの勝負。確かにあそこでパンチを繰り出せば私の勝ちだったかも知れない。しかし決着がそれではキミが納得できないだろう?」

 俺の提案を聞き終えると「は、はははっ」と空ら笑いを飛ばしながらミル・トリコは顔の前に構えた剣を俺に突き立てるように血走った目で突進を始めた。

「たまたまいい才能カード引いただけで調子乗ってんじゃねーぞ!」なりふり構わない一撃に備えて猫足立ちで相手の初撃を予測する。突き出させた剣先をかわすとすれ違い様にトリコが叫ぶ。

「人生はアイテムゲーじゃねぇ!それを証明するために俺はゲーム実況やってんだ!」そのまま身体を反らせてなぎ払った一撃もかわすと俺は距離を詰めて剣を正面から振り下ろした。楽しかった勝負もこれで決まりだ。

「ヒンズー剣舞踊、其の壱の剣、ニル斬…!」「かかったなぁ!ボケがよぉぉぉぉおお!!」自らゼロ距離まで飛び込んだミル・トリコが俺の剣が下りるより先に伸ばした手から紅蓮の炎を吹き飛ばした。マスク越しの景色が真っ黒な炎熱に包まれて視界を奪っていく。

「ぐっ!」思わずのけぞった身体に容赦のない袈裟斬りがそそがれる。「平和ボケしてんじゃねぇぞこのクソインド野郎がよぉぉおおお!!」蓄積されたダメージによりムルガンの変身が解けてインドマンに戻った俺に対してトリコが追撃の一太刀を浴びせてきた。

「このオレ様があんな口約束なんか呑むかよぉ!どんな手を使ってでも勝ったほうが正義なんだよぉぉおおお!!」がなり声がびりびりと響いて体から力が抜けていく。相手が申し出た真剣勝負を裏切られた失望。対戦ゲームで勝利直前で相手に通信ケーブルを切られたような、突拍子もなく金槌で頭を殴られた、そんな衝撃。

 ミル・トリコ。おまえは初めからこれが目的で俺にこの勝負を申し込んだのか?だとしたらおまえは…砂利の上に転がった俺の利き腕を真っ赤な刃が貫いていく。

「ぐぁぁああ!!」「あれぇ~?また俺なにかしちゃいましたかぁ~?」一転攻勢、勝利を確信したミル・トリコが白々しく空いた両手を広げると宙を舞うスピーカーに羽がついたような小型ビット機を眺めて話し始めた…アレが俺たちのアクターバトルを録画していたのか。饒舌に語るアイツの勝ち名乗りに耳を傾けてみる。

「ハイみなさん、キタ川コレ児ですよぉ~。今回も俺の勝利ぃ~。相手に見せ場作ってからの逆転とかめっちゃカッコいいっしょ~?やっぱりねぇ、我々はアクターな訳ですよ。正面から殴りあったりドンパチやったら原始的な喧嘩となんら変わらない。自分に与えられた能力を活かして勝ってこそのアクターです。ハイ、皆さんここテストに出るから復唱しましょうねぇ!」

 いやらしい視線をこっちに向けるとヤツは俺の姿を見下ろして鼻を鳴らした。「この、卑怯者…!」「あれぇ~負け犬が何か言ってるなぁ~聞こえねーからもっとはっきり喋れよ陰キャ野郎」

 手の平に突き立てた剣を引き抜くとミル・トリコは俺の胸倉を左手で掴みあげて右手で持った剣の切っ先を俺の喉元に向けた。「勝負の見せ場的にここで一発、紅蓮腕ぐれんかいないっとくかぁ?なんならフレイムでもファイヤーでも吹いて抵抗してみろよ。この似非インド野郎がよぉぉ!!」

 ペストマスクの奥でニヤケた瞳が不気味に嗤う。「おまえ、みたいなクズにやられてたまるか…!」ぶらりと揺れた手にガシャットの入ったホルダーが触れる。『人を斬りたい…』「えっ、なんだって?」かすかに聞こえた不穏な一言。気がつくとその手には新たなガシャットが生まれていた。

「これで終わりだぁ!華々しく散りやがれぇぇ!!!」剣先が目の前に飛び込んでくるその瞬間、俺の体が青い光に包まれてその場から飛び上がる。「何?どうなってやがるっ!?」空中で機械音によるアナウンスが頭の中をすり抜けていく。


『魔人モード:カーリー』青色に禍々しいタトゥーが彫られたフォームを全身を纏い、わき腹から左右に突き出た両腕にはそれぞれ曲剣が握られている。「なんだぁ、その姿。まるで阿修羅じゃねぇか」ミル・トリコの言葉を受けて俺は剣を握る力を強めてみる。

 六本の腕全てに握られた剣を左右天下天下それぞれに向けた天衣無縫の構え。首から下げたどくろのネックレスが揺れると俺は無意識にその剣を相手目がけて勢いよく振るっていた。目にも留まらぬ瞬間風速からつむじ風が産まれ、触れた岩を根元から切り裂いて行く。

『ヒンズー剣舞踊、其の弐の剣、タツ・マル…!』6本の衝撃刃が一つに交わって竜巻に変化を遂げ、ミル・トリコに進路を向けていく。「ほぅ、これはただ事じゃねぇなぁ。オレ様も本気で行かせてもらうぜぇ!『レーヴァテイン』!炎風波でコレを送り返してやる!」

 ミル・トリコが竜巻に向かって炎の剣から放たれた衝撃刃をぶつける。しかし、六本腕から生み出された竜巻の勢いは和らぐ事無くそのペストマスクを飲み込んだ。「どうだ!?」カーウォッシュに流された車のようにミル・トリコの体が宙に浮かび、その全身を剣が産み出した衝撃刃があらゆる方向から切り裂いてゆく。

 文字に出来ない絶叫が響き渡り、つむじ風がやむと俺は地に落ちた相手の姿を見て言葉を無くした。全身を纏っていたトリコロールのフォームは散り塵に破れ、両腕は切り落とされて割れたマスクの間から血塗れの素顔を覗かせていた。

「ロキ!どうしたんだその姿!」相手の仲間であるネブラ・イスカの闇がその後ろに現れると塊になった血を吐きながらミル・トリコは崩れ落ちたペストマスク越しに俺に言った。

「…これで一勝一敗だぁ。次に会うときは絶対負けねぇ…ちくしょぉぉぉくそがよぉぉおおお!!」「ロキ、もう無理だ!ここは一旦退こう!」ネブラ・イスカが創り出した暗闇の渦がふたりを飲み込むと俺は変身を解除してその場で膝を付いた。

――新たに生まれた制御不能の絶対的なチカラ。ミル・トリコを筆頭とした超最強学園の野望を打ち破った達成感と戦いの疲労で俺はその場で意識を深い闇に奪われていた。

「日比野英造ゥ!何故俺が絶体絶命のピンチにカーリーに変身できたのか。何故ガシャットを生み出せたのか。何故変身後に頭が痛むのくわァ!
その答えはただひとつ…日比野英造ゥ!俺がアクターバトルで始めて…戦闘中の変身能力を持った男だからだァ!ブァーハハハアーハハハソウトウエキサーイエキサーイハハハハh!!!」

 ごん。部屋の姿見を指差して奇声を上げていた俺の後頭部に開けられたドアノブがぶつかる。鏡越しに見えたドアの隙間から覗いたツインテールの片端が膝を付いて笑う俺を見下ろして死んだ目をして言った。

「家で“神”のモノマネするのやめてくれる?ご近所迷惑」「ああ、すまん。新たな能力を手に入れて気分が高揚してて…で、なんの用?晩飯にはまだ早いけど」妹の六実が呆れた表情で俺に封筒を手渡した。

「おいなんだ、請求書か?」「ローンが組める立場じゃないでしょ。真面目に働け」六実の嫌味にめげずに封筒を裏返すと宛名が『安倍繁和』となっている。安倍さん…思い立って俺はその手紙の封を切る。

『拝啓、日比野英造さま。

 堅苦しい季節の挨拶は抜きにしていつも実況をしている調子でお礼を書きたいと思っています。まずは先日の誘拐事件、都内の自宅の方まで駆けつけて頂きありがとうございました。

 私は貴方達の戦闘中に別口で救助に来たアクターのひとりに身を匿ってもらい、事なきを得ました。彼の素性と連絡先はご興味あればお伝えします。

 私自身、アクターとしての変身能力を持っておらず守って貰ってばかりの立場で歯がゆい思いですが皆様が無事にこのアクターバトルを勝ち抜いてご自身の夢を叶える事が出来るよう心から願っております。

 今後、このようなご迷惑を掛ける事が無きよう、情報漏洩には細心の注意を払って実況を続けて行きたいと思っております。末筆ながら、ますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

 ゲーム実況者 アベピーより』

「お、おい!」俺は手紙を読み終えると部屋に戻ろうとする六実を廊下で呼び止めた。「なぁに?きもいんだけど」「アベピーだよ!お兄ちゃん、アベピーから手紙が来たっ!」「はぁ…」

 浮かれる俺とは対照的に六実はうざったそうに視線を落とした。「なんかの詐欺じゃないの?東京に居た時、女の人に騙されて高級羽毛布団買わされてお父さんに泣き付いてたよね?」「そ、そんな大昔の事なんて知るかっ!ん、この手紙続きがあるぞ」

 手紙の折り目に小さな文字で一行添えられている。『 P.S. 手紙が届く日の17:00ちょうどに新作動画をアップします。よかったらご覧になってください。』「安倍さん…」俺は時計の時刻を確認すると居間のパソコンの前でその時を待った。

 ―あれから超最強学園のメンバーは動画投稿を行っていない。アベピー、アルスクの二大巨塔の喪失によりゲーム実況界は次なる旗手を夢見て連日数多くの新人YouTuberによる投稿が行われている(ちなみに俺もフリゲを実況してあげたんだけど、全然伸びなかった)。

 PC右下の時刻が17:00になるとアベピーチャンネルに実に一ヶ月ぶりとなる新作動画がアップされた。そのタイトルは『アベピー、模型制作を始める』。俺はそのサムネにゆっくりと指を落とした。

 読み込みの渦が回る黒転した画面を奥から六実が覗いている。動画が再生される。ちゃぶ台の前に座って指を動かすバストダウンの人物がカメラに向かって声を伸ばした。

「はいどーもアベピーですぅ。えー、しばらく動画投稿の方、お休みさせてもらったんですけど、今回から実写動画、身近にあるもので模型工作の方やって行きたいと思ってまーす」

「おいおいおい…」驚きと喜びでディスプレイのへりを掴んでいた。「へぇー。成功してたゲーム実況辞めて新しくハウツー動画ねー。悪い方に行かなきゃいいけど」「いや、安倍さんはコレでいいんだ」

 六実の小言を退けて俺は画面の奥で不器用に工作を始めた安倍さんの手元を見守る。自分の好きな事をやって、自分が思ってる事を言って、それで稼いで生きていく。それこそがYouTuberアベピーの生き様だ。

 新たな一歩を踏み出したアベピー最初の意思表示。その動画のリンクには俺が以前投稿した『パンとか留めるヤツでトリケラトプスの標本をつくってみた』part1の動画が付けられていた。


第六皿目 初めて釣りに行った日の事憶えてる?自分だけボウズでブチ切れて女子トイレにイソメぶちまけて帰ったわよね

 -完-


sage