Neetel Inside ニートノベル
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 夕暮れ時、放課後、2人っきりの屋上。息と息がぶつかる距離まで接近し優しく微笑む梓さん。普通の男子なら脳みそから身体の骨まで全部抜かれてしまうだろう。いや、ぼくも実際抜かれかけているが寸でのところで立ち止まれているのは頭の中に若葉ちゃんが微笑んでいるからだ。昨日は流されたが今日は絶対に心の防波堤、守り切るからな。
 とは言っても今は本当にピンチだ。何故なら梓さんがぼくに密着しているだけでなく昼に食べ損ねたお弁当をぼくに食べさせているからだ。クソ!本当は若葉ちゃんにやってもらいたかったのに!
「朧君っていけない子。な~んでおべんと食べなかったのかなぁ?」
 猫撫で声と女の子特有の良い匂いがぼくの理性に重いストレートを放つ。耐えろ。と言いつつ彼女の言いなりになってる時点でダメそうだが……
「それと……」
 と言うなりぼくの匂いを嗅ぎ始めた後嬉しそうに舌なめずり。嫌な予感がする。
「もしかして、昨日のこと思い出して1人でえっちしちゃったんでしょ?」
 図星をつかれた!ただわなわな震えてるだけのぼく。だめだ!何とかしないと。
「が、学校でそんなことす、するわけ!」
「やだ?もしかして図星なの!お姉ちゃん嬉しい!」
 否定しようとしたときには正面に柔らかい感触背中にはぼくを高揚させるかのように滑らかな柔腕が身体を締め付けぼくの理性に追い打ちをかける。
「ねぇ、朧君?」
 片方の腕が攻撃をやめる。梓さんは箸を持ちぼくのごはんをひと口分つまむとそれを口の中に入れ咀嚼する。ふふ、と笑った瞬間ぼくを押し倒し口づけを始める。
「んん!んぐ!?」
 彼女の唾液と咀嚼によって溶かされた白濁液がぼくの中に入り込んでくる。人が飲み込んだものぼくが食べるなんて!軽いショックを受けたが果実のように甘く、どろっとした液体は多幸感と背徳感、最後に性的興奮を促した。そして溶けていくぼくの理性。
「大丈夫。絶対誰も来ないから」
 興奮でパンパンにきつくなったズボンに手をかける梓さん。「だめ!だれかきたらやばいって!」と口に出すがこの背徳感に興奮し、楽しんでいる自分がいるというのも事実だった。完全に若葉ちゃんへの思いは消え新たにやってきたのは快感に溺れたいという性的欲求。下されたズボンからほとばしる雄臭。梓さんはぼくの長竿をしごきながら金玉袋を舐める。
「ヒヤン!」
 思わず女の子のような声を上げてしまった瞬間、梓さんはさも楽しそうに「そんな声出したら誰かにばれちゃうよ」と忠告する。忠告した後はさっきと同じ方法でぼくの欲求を刺激する。歓喜の声をなんとか殺しつつも微かに漏れる吐息。いや、むしろ快感を我慢するほどに欲望は膨らみだす。「素直に歓喜の声を上げて果てたい」「でも声を出したら誰か来てしまうかもしれない」欲求と理性との板挟み、我慢の限界が近づいたその時、ぼくは妙案を思いついた。
「ちゅ、ちゅーしてください」
 そう、キスだ。唇と唇だけが触れ合うキスではなく舌を絡ませる大人のキス。執拗に金玉袋を攻め続けていた梓さんは心配そうな顔でぼくを見る。
「でも、もうお姉ちゃん朧君の大事なところとちゅーしちゃったんだよ。嫌じゃない?」
「だ、大丈夫。ぼく梓さんのこと……お姉ちゃんのこと大好きだから」
 我ながら浅はかだが、これでいいはずだ。ほとんど肉欲で支配された脳みそが生み出した妙案。気持ちよくなりたい!でも声が出せない。なら塞いでしまえばいいんだ。
「ぼく、お姉ちゃんのことがだいすきだから!チューしながらじゃないとやだよ!」
 精一杯の懇願。そして完全に梓さんに堕ちたと思わせる演技。自分の名誉(と快楽)のために人の好意を逆手に取るというのも恥ずかしいが、こちらは今後の学園生活が懸かっているんだ。屋上でセックスしてたのがばれたうえで残り2年の高校生活を後ろ指刺されるのは嫌だぞ。
 だが、ぼくの思惑とは半面梓さんはというと様子がおかしい。ちょっと苛立っているというか不機嫌だ。
「朧君は本当にそう思ってるの?おねぇちゃん嘘は嫌いだよ」
 見透かされたか?だがここでビビるわけには行かない。ぼくは一世一代の名演技をここで披露する。
「き、気持ちよくさせてよ。ぼくもうお姉ちゃんのことしか考えられなくて!さっきは強がってたけど、昨日のこと思い出したらもう頭の中が変になっちゃって!もう、もう我慢できないんだ!」
 ぼくは必死に懇願をする。ただただ気持ちよくなりたいだけだけどこのまま梓さんの攻撃を受け続けてしまったら情けない声を屋上で吠えることになってしまう。ちらっと切なそうな顔を梓さんに向ける。彼女は最初何かを考えていたようだがすぐに無邪気な笑顔をぼくに向けてきた。「勝った」と思った。だが、それは間違いだった。
「うん、いいよ。でも流石にお口の中きれいにしたいから……ちょっと目を瞑ってて」
言われるままに目を閉じるぼく。だがこれは快楽地獄へのスタートだった。邪気のないような笑顔をぼくに向けた梓さんは腹の中ではとんでもないことを考えていたのだ。
気が付くとぼくは目隠しをされて腕は後ろで縛られていた。そして何故かお尻を突きつけるような、下品な言い方をすれば立バックの受け側のような姿勢にされていた。な、何かの魔法か!?
「あ、梓さん。話が……」
「あれ~、さっきはお姉ちゃんだったのに今度は梓さんなんだぁ」
 猫撫で声だかなんとなくそこに怒りのようなものわ感じた。そんなバカな!ぼくの演技は完璧のはずだったのに。
「お姉ちゃんはね、嘘つかれるのがだいっきらいなんだよ。あたし人の頭の中見れちゃうんだからなんでもわかっちゃうんだよ」
 だったら願い事くらい聞いてくれ!と心の中で叫ぼうとした瞬間、鬼頭の辺りを優しく撫でられてしまったがために「ひう!」という快楽の音色に上書きされてしまう。
「ふふ、そんな恥ずかしがらなくても。気持ち良かったら素直になっちゃえばいいんだよ。ほら、素直になぁ~れ、素直になぁ~れ」
 少しでも快楽を誤魔化すために身体をよじり歯を喰い縛るが、両腕が使えないもどかしさと、視覚を失われたことから他の機能が鋭くなっているのだろう。より刺激に敏感になったぼくの身体は快楽を完全に受け入れ状態にしてしまった。性的欲求がジワリジワリと広がり足ががくがく震え呼吸が荒れて乱れる。少しでも気を緩めたら一気に快感の波が理性という防波堤を破壊してしまう。その証拠にぼくの快楽蛇口からは少しづつだが、ハッキリと認識できるほど欲望エキスがダダ漏れしている。
「うわぁ、すごいえっちなことになってるよ。朧君女の子みたい」
 女の子みたい。その言葉のせいで昨日ぼくが女の子にトランスした姿が暗闇の中に、朧げに映し出される。顔を赤くして快楽を我慢する純粋無垢な少女。想像した瞬間更に股間が膨張したのがわかってしまいぼくは戸惑ってしまう。自分の姿に興奮するなんて馬鹿じゃないか。
 鬼頭をただ撫でられ、そしてもう片方はいつの間にかお尻の穴を自分のカウパーでねばねばになってしまったのであろう梓さんの指に撫でられていた。
「あ、梓……さん?」
「ふふ、期待してるの?かわいい」
 否定の言葉の前に自分の後ろの穴にゆっくりと異物が入ってくる感触。パニックと我慢と快楽のはざまで思わずむせてしまう。
「だめ!やめて、それは……ちがう」
「何が違うのかなぁ。ほら、どんどん元気になっていく」
 羞恥心とパニックでいつの間にか目隠しをぬらしてしまっている。自分の中を蠢く快楽を司る生き物に身体をよじり身もだえ、思考が停止し、気づけば口は開きっぱなしで涎が垂れている。肉棒に充填されているであろう快楽花火はいまかいまかと待ちわびながら銃口は歓喜の油で濡れている。気づけば後ろの穴をいじめる生き物はいつの間にかぼくの中を苛め抜きながら直進し、今はお腹を凌辱している。もしかしたらもうすでにあられもない声を上げているのかもしれない。目の前が白黒に点滅し意識が朦朧としたかと思えば電撃のような快感が身体全体に走り身体がビクンと痙攣を起こしそこで意識が暗闇のなかでハッキリと戻る。
「かわいい声、女の子みたい」
「そんなばかな、ってひあ!」
 聞きなれない甲高い声に自分がびっくりしてしまうと同時に快感が思考を奪っていく。イキたい、叫びたい!この快感に身を任せたい。
「んあ!イグ!イガせて!壊れる……こわれぢゃう!」
「だったらお姉ちゃんにごめんなさいしようね。言えるかな?」
「ああっ!お、おねえぢゃ……んぐぁ!ひっう、ごめ、ごめんな、ざいぃぃ!な!イグ!イガゼて!やめ!おじり!出る!でぢゃう!変なの、うぐ!く、くる……ぐるぅ!」
 ぼくが謝ると同時にお腹の中で暴れだした大蛇は今までに感じたことのない異物感をぼくの頭に、本能に叩きつけていく。「壊れる」と頭がよぎった瞬間ぼくは情けない叫び声と同時に快楽を空中にぶちまけ、なすがままにその場に倒れ仰向けに痙攣していた。腹の中の大蛇はいつの間にか大人しくなっていた。だが間髪を入れずに限界であろう股間を梓さんは思いっきり扱き出した。
「だめ!もう無理!イッたばかり!んん!やめて……」
「それでもやめる気配のない手淫。地獄のような苦しみが心臓を急激に鼓動させ、身体は本能に任せるように、危険を回避するようにのたうち回る。
「やめ……うわ!なんかくる!へ、変なの!まって!だめ、やめて、やめ……うあああああ!!!!!!!!~~~~~~~」
 射精とは違う、しかし快楽を伴った放尿。あぁ、これってもしかして男の……結論を出す前にぼくの意識は快楽の海に沈みこんだ。

       

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