Neetel Inside ベータマガジン
表紙

★新都社作品感想2018★
2017年11月2日「トレイルブレイザー」

見開き   最大化      

10月29日更新作品から



「トレイルブレイザー」http://neetrailblazer.blog.fc2.com/



 武仁先生作品。
 名義が違う方の「ぎりいも」は読んでいたが本作は初見。
 「ぎりいも」は面白かった。ベタなギャグだけど爆笑した。
 でもこちらの方が本命の模様。
 まだ物語は序盤って感じだが、徐々に世界観が明らかになってきており、かなり壮大な世界観のようだ。
 天使や悪魔やらが存在する世界で、異世界から侵略してくる悪魔と人知れず対峙する秘密組織結社。主人公はちょっと喧嘩の強い髪の毛ツンツンの男子高校生で古き良き少年漫画の主人公していたが、ピンチに覚醒して異能の力を手に入れて…。
 と、ここまで粗筋を書いていて思ったのだが、私が参加している「非正規英雄」というリレー小説と割と世界観が似ているなぁと(笑)いや、似ているけどその上位互換的な感じだ。武仁先生の方が個人でやっている分、リレー小説の非正規英雄よりも断然完成度が違う。世界観がちゃんと統一されてキチっと描きたいものが描けている。
 画力に関してはぎこちなさがあるが、漫画的に見栄えがする構図に積極的に挑戦していて好感が持てるし、何より勢いがある。喧嘩のアクションシーンも迫力があって良かった。こう…何て言うか、成長途上の漫画家さんの粗削りなスピリッツが感じられてワクワクする。連載を続けてくれていたら、何年後かには物凄く画力もUPしていそうだ。そういう成長を予感させてくれる。
 あとは魔界のシーンで軍隊などが出ていたが作画カロリーを非常に要求されるところだ。もっと精緻に描いてほしかったが仕方ないか。一方がモンスター軍団で一方が人間の鎧騎士らの軍団になっていたが、どういう戦争になるのか興味深い。でもたぶんそこまで詳細には描かれないんだろうなぁと予想(笑)
 色々とスケールのでかい世界観だが、描きたいのは総じて仮面ライダー的な世界だと思われる。(違ってたらすみません)
 問題はそれを描き切るだけの作画労力かな。
 凄く大変そうだ。
 でもこれを完結させたら物凄い糧になると思うので頑張って欲しい。

 ちょっとだけ厳しいことも書こうと思う。
 こんなことを書くと「何様だよ」とか思われるかもしれないが、一読者のたわごとと軽く受け取って欲しい。
 全編シリアスな世界観で進んでいるが、ここで少し「ぎりいも」のテイストも取り入れると人気作になれるのではないかと思う。シリアスな世界観だから加減が難しいかもしれないが、それこそ「シリアスなギャグ」ならどうだろうか。あくまで世界観を崩さない程度に、程々にという条件付きだが…。「アサシーノス」あたりを参考にするといいかもしれない。何と言うか、主人公の御剣君はかっこいいし王道だと思うけどそれだけというか、それ以外のキャラクターもまだそれほどキャラ立ちしてないので、読者にコメントさせるようなツッコミどころがない。だから唐突にモブキャラだった吉岡というおっさんが女の子をかばって敵の攻撃を受けて倒れたところで「吉岡ぁー!」とポツポツコメントがついていたような状態だ。いや、誰だよと(笑)それを主要キャラでやれよという感じだ。ここだけシリアスなギャグを感じたが、実際それを反映してコメントもちょっとだけ盛り上がっていた。つまり、本作にギャグのお薬は有効だ。吉岡のシーンは武仁先生が意図せずシリアスなギャグになってしまっただけかもしれないが、これを意図的にちょっとだけやれば、人気作になる可能性を秘めている。
 ただまぁ、並人気のシリアス作品でも自分の描きたい世界観を描き切ることを優先であれば今のままコツコツ頑張ればいいと思う。
 ちなみに、「非正規英雄」に世界観が似ているせいか、結構親近感を抱く。そのため、スピンオフのファンノベルでも書きたいなと感じた作品だ。
 で、番外編の方も読んだが世界観が似ている別の漫画への親しみを込めたような内容だった。う~ん…番外編でこそギャグをやれば良かったのでは…?
 コラボやら馴れ合いをするなとは言わないが、漫画そのもののパワーだけでコメント伸ばせる実力あると思うので頑張って欲しい。
 ポテンシャルはあるので色々と勿体ないなと感じる作品だった。





以上です。

       

表紙

後藤健二 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha