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★新都社作品感想2018★
2018年3月1日「ミシュガルド:大量殺戮の完成」

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2018年1月16日更新作品から



ミシュガルド:大量殺戮の完成 http://watertank2.web.fc2.com/SpringAwakening/index.html



 
 38(t)先生作品。
 タイトル通り、私の好物ミシュガルド企画のものだ。
 実は、去年からずっとミシュガルド戦記のゲームを作っている。任天堂の「ファイアーエムブレム」のようなゲームが作れる「SRPG Studio」というソフトがあって、それでちまちまと非常に面倒臭いゲーム制作をやっている。感想企画が遅れているのはそのせいだ申し訳ない。ゲーム制作マジで楽しすぎる。もう半分ぐらいはできたので完成したらぜひプレイして欲しい。
 余談が過ぎたが、38(t)先生も私と同じようにミシュガルドゲームを作っていらっしゃる。ボードゲーム的なものと、RPGだ。ミシュガルドはゲームと非常に相性が良いのである。
 膨大な設定とキャラがいるが、その好きな部分をつまみ食いして自分の世界を作っていくのは楽しい。ミシュガルドキャラという共通認識もあるので、ミシュガルド企画が好きな人にも取っつきやすくなる。
 38(t)先生の場合、明らかにミリオタ方面での創作をされているが、ミリタリーに余り興味がない人でもミシュガルドだからということで入り込みやすくなるだろう。

 漫画の方だが、作戦内容的にWWⅡのヨーロッパ戦線におけるドイツ軍の作戦である「春の目覚め作戦」をもじった「萌えの覚醒作戦」というのが出てくる。詳しいことはwikiでも見て欲しいが、要は首都ベルリン陥落間近というぐらい追い詰められていたドイツ軍が、いちかばちか押し寄せるソ連軍に最後の反抗を試みるというものだ。壮絶な戦車戦の結果はドイツ軍の敗北に終わり、敗戦を速めたと言われている。
 ミシュガルドにおいては甲皇国=ドイツっぽい帝国主義国で、アルフヘイム=共和国・連合国でアメリカ SHW=商業国家でイスラム・アラブ、もしくは小さな都市国家が多数ある中世イタリアあたり…といったイメージが個人的にあるのだが…。
 戦争で甲皇軍に追い詰められるアルフヘイム軍がドイツ軍と同じような作戦でもっていちかばちか反攻に出るというストーリーとなっている。戦いの主役となるのはSHWから武器供与された「魔力タンク」つまり戦車である。
 現実ではドイツ軍の敗北に終わる作戦だが、本作ではどのように進められるのだろうか。最新更新分まで読んだところでは、絶望的かと思われたアルフヘイム側の反抗が成功しているように見える。が、現実の「春の目覚め」を考えると、これから地獄が待っているのではないかと予感させる。ニフィルによる禁断魔法も描写されるようだし、楽しみである。
 作中では、ミリタリー好きにはたまらない兵器の数々が盛りだくさんだ。魔力タンクや竜戦車や戦略飛行船といった設定を作られたのは38(t)先生だし、容赦の無い戦闘描写は大変見所がある。WWⅠとWWⅡの間ぐらいの技術レベルの戦争というか。これを正面から漫画で描ける作家は貴重だ。
 面白いのがアルフヘイム軍の長距離魔法、カタパルトや魔道砲といった兵器の数々。これは本作独自の設定かと思う。アルフヘイムも完全に魔法に頼り切ってるわけではなく、魔法と近代兵器が融合した兵器を出してきている。いかにもありえそうな感じ。
 甲皇軍も近代兵器に頼り切りというわけではなく、ファンタジーと融合した竜戦車なんてものを出してきているが、どちらも現実味があって面白い。こういう架空兵器を考えるのが38(t)先生はとてもうまくて、本当によくミシュガルドを使って創作されているなぁと感じる。
 ところで、WWⅡモノの小説とかでよくあるが、架空戦記シリーズというやつ。例えば日本がどう戦えばアメリカに勝てるかなんかを架空兵器を出したりしながら描く奇想天外な戦記小説がある。紺碧の艦隊とか。ガンダムでいえば一年戦争をどう戦えばジオンが勝てたかなんかを考察するような。
 甲皇軍とアルフヘイムの戦いもそういう架空兵器や設定をいくつも考えながら創作していくと、実に楽しいと思われる。
 つくづく、ミシュガルドは底なし沼である。




以上です。

       

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