2017.11.1 第2回目 エイリアン3から見る「滅びの放つ赤い光」

さてと、まだまだ続けますよー

気分が落ち込むこの季節……私を元気づけてくれます
作品はこちら!!!!


「エイリアン3」

まず、声を大にして言おう!!
私はこの映画ほど大好きなものはない!!!
なによりも見所が
監督が 
デヴィッド・フィンチャァーなのだから!!!!


理由はただそれだけでいい。
もうこの映画は大好きすぎて落ち込んだ時に
私を励ましてくれる映画として私の心の聖書となっている。

もう大好きすぎてこの監督の映画を見まくった時期がある。

「セブン」「ファイトクラブ」「ソーシャル・ネットワーク」
「ベンジャミンバトン」「ファイトクラブ」…あ 「ファイトクラブ」2回言ってもうたww
えーっと……「パニックルーム」「ドラゴンタトゥーの女」……
もう「あ、聞いたことある!」って触手がチ〇コが動いた人も居るかも知れない。


そして忘れて欲しくないのが
「エイリアン3」……そして「エイリアン3 完全版」。

そしてこのエイリアン3……なんとデヴィッド・フィンチャーの処女……デビュー作!!!!!

えぇえ?(声:増岡弘)

フィンチャーのデビュー作ってSE7ENじゃあないのぉおお???
あのブラッド・ピットとモーガン・フリーマンのさあ……そう思うのも無理は無い。
なんせ、このエイリアン3。
フィンチャーが撮影後に
「もう映画なんて撮りたくない、撮影するぐらいだったら大腸癌で死んだほうがマシ」とまで
言わしめたものなのだー
おまけにこの映画のオーディオコメンタリーでも他のスタッフは参加してるのに
なんと肝心のフィンチャーが一切コメントを残していない。

「オイオイオイオイ、あのエイリアンシリーズの続編なのに
何て無礼なことを言ってるんだ??」
「おいおい、そりゃウォルター・ヒルに失礼だろ……」と思うだろう。

無論、この映画がなければフィンチャーは無かっただろう。
だが、同時にヘタをすればフィンチャーは一生映画を撮らず、
自殺していたかもしれないほどの迷作なのだ!!

それまでエアロスミス、ローリングストーンズなどのミュージックビデオ、
コカ・コーラなどのCMを撮っていたフィンチャー……
まだ新人だったフィンチャーに映画界進出のチャンスが訪れる。それは「エイリアン3」。

あの超名作のエイリアンシリーズの続編だ。

実は見ていないのだけど、リドリー・スコット監督の「エイリアン1」、
これは見たジェームズ・キャメロン監督の「エイリアン2 完全版」……
今もなお名作として語り継がれるあのエイリアンシリーズの続編だ。

サソリのような蜘蛛のような気色悪いあのフェイスハガー……
想像するだけでも鳥肌が突き抜けるほどの不気味なアイツに
顔面に張り付かれる恐怖……おまけに口から胚を産み付けられ、
胸を食い破って飛び指すチェストバスター(胸をぶっ壊す者の意味)。
脱皮を繰り返し、真っ黒になって現れるエイリアンことゼノモーフ……
ぶち殺すと強酸の血液をバラマキ、触れる者を溶かしまくる二次被害の疫病神……
あくまでもぶつ切りで見た感想ではあるが、
たった1匹で何人もの船員を皆殺しに出来る戦闘力に説得をつけたあのクリーチャー……
「ゼロ・グラヴィティ」のセリフを借りると「もう二度と宇宙なんてゴメンよ」と
言いたくなるほどの恐怖を描いた1……


ただでさえキツイのにこんな奴らが何十匹もうじゃうじゃ迫ってくる上に
なんと奴らの女王まで出てくる2……もう増えてくるなああああああああ!!!

無論、これは完全版を見たので自信を持って見所を言えるが、
この映画を任されたジェームズ・キャメロン監督はなんと大胆にも
エイリアンシリーズを戦争映画として一新!!!

「追われる恐怖」を描いた1の焼き回しにならないように、
今度は「戦う恐怖」をテーマに置き、新しい切り口でエイリアンシリーズを大ヒットさせた。
(何百発とあったセントリーガンの弾数が湯水のように減っていくあの恐怖は
もう怖くて仕方なかった……重装備できたのにこれかよ……って奴だ。)
あまり語ると、1と2を語る時のネタが無くなるのでここまでにしておくが、
エイリアンシリーズはとにかく名作だった。


そんなフィンチャーのプレッシャーは半端ないだろう?
もし、貴方が突然「エイリアンシリーズの続編作れ」って言われたらどうする?
「リドリーに、キャメロンに続け」なんて言われたらとても正気じゃいられないだろう。

よくある映画なら、ここでそのプレッシャーを撥ね退け、
さあ、名作の3を作ってハッピーエンドがクリシェだ。
だが、この映画はそうはならなかった。
そのフィンチャーのプレッシャーは悪い方向に作用してしまった。


まず、脚本がないのである!!

そう、現場入りするフィンチャーも驚いているが……

脚本がないのである!!

プロデューサーに怒られ、撮影に頭を抱えているフィンチャーだが……

脚本がないのである!!!


それもその筈、この映画は監督や脚本家が次々とドロップアウトしたり、
クビになったり……ある意味 呪われたパンドラの匣となっていた。
ドロップアウトになった監督の名前にはあのダイ・ハード2の
レニー・ハーリンの名も上がっている。

前置きが長くなったが、肝心のストーリーを解説しよう。


2でエイリアン・クイーンと壮絶な死闘を繰り広げた
エレン・リプリー中尉(シガニー・ウィーバー)は生き残ったドウェイン・ヒックス伍長(マイケル・ビーン)、
ニュート(キャリー・ヘン)、アンドロイドのビショップ(ランス・ヘンリクセン)と共に
地球へと帰還するため、スラコ号の中で冷凍睡眠中だった。ところが、そこには
クイーンが産み落としていたクイーン・フェイスハガーが忍び込んでおり、
冷凍睡眠中の4人のうちの3人のどれかに寄生。エイリアン・クイーンの子供を植え付けられる。
その際に、フェイスハガーの強酸の血液がスラコ号に流出。
あまりの強酸性にスラコ号は次々と故障を引き起こし、
ハゲの囚人だらけの惑星の海に不時着する。
その際にヒックス伍長は柱に頭をぐちゃみそに潰され、死亡。
ニュートはカプセルの中で溺れ死ぬ。
ビショップは墜落の衝撃で故障して廃棄処分。

リプリーだけが助かった。



……2のラストで感動した人を絶望のどん底まで叩き落とすオープニングである。

「どこが素晴らしいじゃボケ!!キチガイかお前は。」
「目が腐ってるのかお前は?」

こういう意見が大半だろう。
ここで言っておこう。
この映画を好きなあまりで「キチガイ」、「目が腐ってる」と言われるのなら本望だ。


ラストはこうだ。

実はクイーン・フェイスハガーのほかにもう一匹フェイスハガーが忍び込んでおり、
残念なことに墜落の衝撃をもしぶとき生き延びたソイツは
囚人が飼っていた犬のスパイクに寄生。(完全版では囚人の食料用の水牛に寄生。)
身体を食い破り、潜伏。その時、運悪くニュートとヒックスの葬儀でその現場に
居なかったリプリーや囚人たちはまんまとエイリアンの潜伏と脱皮を許し、
リプリーと囚人のモースのたった2人を残し、エイリアンは殺戮の限りを尽くす。
そして、途中で肝心のエイリアン・クイーンの子供は主人公であるリプリーの身体に
植えつけられていることが判明。

更に追い打ちを掛けるようにリプリーにとっての宿敵である
ウェイランド湯谷社の兵隊が「地球に持って帰りたい」とアホなことを抜かしてやってくる。
リプリーは意を決して溶鉱炉に飛び込み、胸を食い破ってきたクイーンの子供と共に
その生涯を終えるのだった……


……もう どこに希望が転がってるねん。

「疲れてるのか?」
「そうとうキテるな……風俗行ってこいや」

もう、こういう意見が大半だろう。
もうこの映画を指示して疲れてるならそれでいいし、
キテるならそれでいいし、風俗はまあその日の気分次第だけど
もう何を言われてもいいし、本望だ。

ただ私も最初からこうだった訳ではない。
正直、幼い頃このエイリアン3をゴールデン洋画劇場や日曜洋画劇場で
エイリアン2、3、4が放送されていて 何故かこの3だけは
死ぬほど大嫌いだったのを覚えている。

理由は単純。
主人公があまりにも哀れだし、救いはないし、
絶望に次ぐ絶望で、カタルシスの欠片も無いし、
映画として必要なエンターテイメントの欠片すら無い。

もう見ても気分もスカッとしないゴミ映画だと思っていたからだ。

しかしながら、私ももう大人になった歳だ。
当時、某ぐんたいぐらし!をしていた私は暇過ぎて映画漁りをしていた。
そこで「エイリアン4」をレンタルし、
寮の仲間と上映会のようにツマミを貪りながらどハマリしたのをキッカケに

(ニューボーン可哀想すぎて号泣したのは良い想い出……仲間とも
仲が良かった…思えばあの時が一番たのしかった……なんで
こんなことになったんやろ…………)


……えーっと、それがキッカケで
エイリアンシリーズを見てみることにした。
1,2と名作が入る中で単純馬鹿だったわたしは戦争映画だった2の完全版をレンタル。
その後、エイリアン4の完全版をAMAZONで買おうとサーフィンをしていた。
そんな私の目に「エイリアン3・完全版」が目に入った。

「うん?あのエイリアン3の完全版?」

これは買おうか迷った。
なんせあのゴミ映画の完全版だなんて事故物件もいいところだ。
正直、毎日死ぬほどブチ怒られてSAN値がマントルに突き抜けてブラジルにまで
到達するほど落ち込んでいた私にとって、こんな映画を見るなど自殺行為に等しかった。
なんでお金を払って落ち込みに行くんだと。

無論、これは正論といえよう。なんら間違っちゃあいない。
これも楽しみ方の一つだ。当然の権利だ。


しかしながら、連帯責任で寮の仲間が罰を受け、自責の念で心はズタボロになった上に 相次ぐミスから生じる上司の叱責と暴力で私の
精神的汚染レベルはブラジルの上空まで突き抜けて大気圏まで突入していた
私はその時やけくそになり、エイリアン3・完全版の購入ボタンを押した。

私は心の底からこの時の私に拍手と賞賛を送りたい。

理由は簡単だ。

この「エイリアン3・完全版」で私の「エイリアン3」観はもう
別世界のように変わったからである。
もし、この「エイリアン3・完全版」に気づかず、一生を終えていたら
私はエイリアン3の素晴らしさに気づくことなく一生を終えていただろう。
そして、何より落ち込んだ時に死ぬほどバッドエンドの映画を見て
気持ちを落ち着かせる方法を思いつくことすら出来なかっただろう。


モニカ・ベルッチがレイプされ、恋人のカッセルは腕を折られて間違った相手を
殺して真犯人は逃げ延びて終わるだけの

「アレックス」


ユンファが弟の復讐を果たすために相手組織の根城に乗り込むも力尽きて死ぬ

「男たちの挽歌2」

殺し屋ユンファが誤って目を失明させてしまった歌手の女性を守るために戦うも力尽きて死ぬ

「狼・男たちの挽歌~最終章~」


トニー・レオンが幼馴染を救えず、挙句の果てに撃ち殺してしまう

「ワイルド・ブリット」


アル・パチーノが散々「FUCK」だの悪態を連発した挙句、
ヤク中の妻に凄まじい暴言を吐いたために逃げられ、(俺でもドン引くレベル)
挙句の果てに妹もろとも敵対組織に殺される

「スカー・フェイス」……


どれも最高だ。これらは気分が落ち込んだ時に何度も見返している。
もう最高すぎて聖書の外伝みたいな扱いだ。


これらに共通して言えるのは「滅びが放つ赤い光」だ。

それらは血みどろの主人公が見えるというわけだが……
これがまた美しい。スカーレットのような……クリムゾンのような……
何とも言えない光を放ち、その命を散らす。
(アレックスのモニカ・ベルッチは死んだかどうかは分からないが、
顔面が潰れていたので、容態は危険となっていて滅び行く赤い光を放っている。何とも美しい。)

そして、この「エイリアン3」「エイリアン・完全版」も無論
その「滅びが放つ赤い光」を魅せてくれる。
それは血ではない。
溶鉱炉のプールに張られた溶岩の海である。

溶鉱炉を背景にし、キリストの如く両手を広げて
地獄の業火へと焼かれていく坊主頭のリプリーの姿は
もう女神のように美しい。

個人的にここは「エイリアン3」の方が好きだ。
理由は後ほど後述する。

えー 「ミスト」はぁー?
「バタフライ・エフェクト」はー?
「メメント」はー?

知るかボケ。見てねえんだよ。
これらは一度見てから感想書きたい。

さてと、色々と御託を並べ倒したが


肝心の「エイリアン3・完全版」。

一体、何処がエイリアン3を私にとって迷作から名作へと
お仕上げたのか……次回で解説しよう。

sage