Neetel Inside ニートノベル
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世界が終わるとき
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 僕の通うことになった高校は地元では有名な進学校で、僕の家からは自転車で十分未満、歩くと二五分ほどかかる。通学前に確認した近道を通れば二十分未満で到着する。僕は自転車通学の予定なのだが、それには学校に申請を出して許可を得なければならない。事前の説明によると入学式の日(つまり今日)にその申請書類を貰い、翌日に提出することになっている。
 つまり二日は歩いて学校に行かなければならない。
 いささか面倒に思うが、それは仕方がないので諦めて近道を歩き通学していた。


 その道中――正確に言うと近道の終わりだ。――次の角を曲がるとすぐ学校のところで、僕は彼女に出会ったのだ。
 後ろから見ただけで彼女だと分かった。僕は感情を抑えきれずに走り出してしまった。彼女は当然の足音に驚いたのかバッと後ろを振り向くと、少し驚いた顔で僕の顔をまじまじと眺めてきた。
 そして僕はいきなり話しかけたのだ。



 でも


 「私の名前は関根礼香」
 「セキネレイカ」
 「そう、関所の関に根っこの根、お礼の礼にお香の香。カスミガオカユリコじゃない」
 「…………」


 一瞬、証拠は? という言葉が口を突いて出そうになったがやめた。嘘をついているようには聞こえないし、違ったショックでそんなことを聞く気にはなれなかった。小さくため息を吐いてから小さく力ない声で話を続けた。


 「ごめん、違ったみたいだ」
 「そう、その子は私によく似ているの?」
 「それこそいきなり話しかけてしまうほどに」
 「残念ね」
 「本当に」



 死んだ魚の目をしてガックリする僕を見て彼女は少し優しい声をすると、話を続けてきた。
 僕としてはさっさと切り上げようと思ったが、少し興味が湧いたので聞くことにした。


 「あなたもあの高校に?」
 「そう」
 「私も、新入生どうしよろしくね」
 「よろしく」
 「じゃ、行く?」
 「どこへ?」
 「どこへって、高校に決まっているじゃない」



 偶然出会った「世界の終わり」によく似た少女。

 僕は何の因果か彼女と共に高校へ向かって行くことになった。


       

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