Neetel Inside 文芸新都
表紙

秋乃シショホ作品集
一番近い人へ

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いつからかお前は傍に居て 一緒に笑って泣いていた

道は違えど目指してた

壁の向こうのマイクの前で 本気で演じてみようと


煙草の煙る居酒屋で 焼酎ばかり飲んでいた

ぐでんぐでんになった馬鹿なお前を 家まで肩貸し歩いた夜

お金はないけど 一緒の方向を見ていた 夢見ていた


互いの生活は 歩む速度が違うけど

お前を待っていたんだ 壁の向こうで

更新の途絶えたSNS 馬鹿な顔は変わらない


やっと届いたお前の知らせ なんだか予感はしていた気はするけれど

相談してくれても良かったじゃないか

何もしてやれないかも知れないが またぐでんぐでんになるまで飲み明かそう

お前の棺の前で そう思っていた

壁の向こうを通り越して 空の向こうまで行った馬鹿な顔は

少しだけ痩せてた


あの煙草が香るときは 思い出してしまうんだ

あの居酒屋も もう無いけれど

お前も もう居ないけれど

目指した夢は 一緒だったはずなのに

一緒だった はずなのに

       

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