Neetel Inside 文芸新都
表紙

意志と表象としての世界
2019年4月

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4月5日/無題

数年前に焦がれていた人と、電車の中で邂逅。
一言二言を交えて、どこかへと一緒に行くことに。
しばらく彼の後ろを歩いていたけれど、ふとした時に姿を見失い、そのまま離れ離れ。
周囲は何もかもが曖昧で、自分の態度も曖昧。空はうるさいくらいに真っ青で。
なんだか外にいるのが申し訳なく思えて、どこかの地下室へと降りる。
そこで本を整理していると、子供連れの軽薄そうな2人組が声をかけてくる。
無視していると断りもなく本を何冊も持って行こうとしたので呼び止めれば、
本なんてどこにもなく、相手の手にも自分の手にも、あるのはがらくただけ。

     

4月29日/死のイメージとともに

内戦の最中、逃げ惑う真っ只中。場所はアフリカのどこか。
武器を持った数人に追われ、崩れた家の中に身を隠す。
しばらく息を潜めてやり過ごし、家の裏手に回ると軒先には無数の針で吊られた美しい少年。
ひとつひとつ慎重に外して地面に下ろしてやり、額に口付ける。

場面は変わり、日本の下町。見知らぬ家に入り、地下室へ。
土がむき出しの床をひたすらに掘り進める。
何時間もかかって数メートルほどの穴を作り、その中に子供を数人放り込む。
そして家に火を点けて隠蔽。何食わぬ顔で立ち去る。

       

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