Neetel Inside 文芸新都
表紙

意志と表象としての世界
2018年3月

見開き   最大化      

3月1日/地下道の情景

細く湿った地下道を歩いていると、ギター弾きが道の真中を占領している。
私は顔の分からない知り合いと二人で歩いていて、ギター弾きに話しかける。
彼はでたらめなコードでよくわからない曲を弾き語る。
壁にはギターが数本立て掛けてあったので、私もギターを弾くことにする。
そのうちに、形の不確かな女子高生がギターを教えてくれとせがんできた。

     

3月5日/そこにある車はもうそこにない

国道のような太い道路を車で走り体育館へ。
中に入ると柔道か何かの稽古をやっている。
2階に上がり道着に着替えて、そのまま体育館を出て行く。
すでに車に乗っているのに、私は駐車場を探している。
しばらくぐるぐると周辺を廻り、駐車場を見つける。今まさに乗っている車が目の前に停まっているのを見て、これは夢ではないかと訝しむ。

     

3月8日/夢の中で書く夢日記

不思議な出来事が目まぐるしく展開する夢を見て起きる。
布団の中でまどろみながら、要素を頭に思い描いていく。
溶ける海、橋を渡り川を越えて、影の中、躓きの石云々。
忘れないうちに枕元のメモ帳に箇条書きしているうちに、また目覚める。
当然枕元にメモ帳なんて無く、私は夢の中で夢日記を書いていたらしい。

     

3月9日/またも夢じゃないような夢にて

今日も夢の中で夢日記を書く夢を見る。でたらめな言葉を書いている私。
夢の中で、起きなきゃと思いながら、どうあっても起きれないという葛藤にかられる。3時30分。睡眠薬を飲んで二度寝しようかと思うけれど、そんな気力は夢の中なので湧かない。
思い切って枕元の水に手を伸ばせば場面は突然料理店。
前に訪れた事があった人ですよね? とシェフに言われる。
確かに私は来たことがあるけれど、それは夢ではない話だ、と言うと、それはおかしい、あくまで現実の話ですよ、なんて言われる。

     

3月12日/仕事、仕事、そして海

この前一段落した仕事が舞い込んできた。
曰く、そのままの内容で、色付けを変えれば企画になるとのこと。
そんな風にはいきませんよ、なんて返答をして電話を切る。
コーヒーを飲み、パソコンを立ち上げると画面にはテレビ番組が流れている。
パソコンから離れるとそのうちにゆっくり体が溶け始める。
指先から、違和感もなく、身体と意識が広がっていく。

     

3月13日/探しものを探して

車の後部座席に揺られながら。
誰かが、一度訪ねたことのある知り合いの家に送ってくれる。
坂道の途中で、ここがその近辺だから停めてくれ、といった旨のことを私は伝える。
ただ、あたりを駆け回っても家は見つからない。
車に乗った人が、数軒違う場所を探しているよ、と教えてくれる。
教えられた方向に向かって走るけれども、次第に風景が霧に包まれたように消え始める。

     

3月16日/カルト映画の集い

私は映画の登場人物のひとり。主人公はホームレスのような小柄の中年男性。
彼が暴漢に襲われるシーケンスから始まり、徐々に自警団を結成し始めるというストーリー。極彩色の色彩が展開され、ホドロフスキーのホーリーマウンテンのよう。
最後には12人の登場人物がガラスの立方体に入り、全員裸になる。
徐々に立方体の中に覆いがかかり、中は見えなくなる。
監督がどこからともなく現れ「ここまでは映画で、これからは映画じゃありません」といったような事を言う。
スクリーンを見てるのか、スクリーンの中でスクリーンを見ているのかは分からない。

     

3月23日/大量の肉

普段あまり運転をしない私が、ワゴン車を運転している。
大通りを走らせていると青いスーツの男性が車を停めるよう歩道から叫ぶ。
「本を読みながら運転していたでしょう?」と男性。警官のようだ。
「そんな器用なことはできませんよ」と、車の中を確かめさせる。
何の一悶着もなく実家に帰ると、足の踏み場もないほど肉が置かれている。
豚数頭分の肉をベーコンやステーキにしているのだという。理由は分からない。
そしてソファには飼ったこともない大型犬が寝転がっている。

     

3月26日/大きなパン

大きなパンを買おうか買わまいか迷っている、それだけの夢。

     

3月29日/あるいは、月の裏側にて

旅館にいる。隣の部屋には一緒に旅行している、知らない顔見知り。
時折部屋に遊びに来る。私も遊びに行く。
そのうちに、上半身裸の二人組の男が入ってくる。デパートの地下などでドッキリを撮影しているコンビだ。所謂ユーチューバーだろうか。
場面は変わりマンションのエレベーターの前。扉に自分の住所を書いている。
エレベーターを登り一室に入ると、たぶん私の部屋。
とても広く、雰囲気は和風でノスタルジック。ランタンや行燈、ロウソクなどで照らされている。私の理想が詰まったような部屋だ。
気分を良くして、着物を着て踊り始める。

     

3月31日/もしも時間を戻せたなら

迷路を踏破するネットゲームをやっている。100人以上が同時にプレイしているらしい。
しばらく遊んでいるうちに、学生時代に戻っていることに気付く。
日付けは学園祭の当日。
ステージで、急遽ギターを担当することになり無難に弾ききる。
ザ・フーか何かの簡単な曲だったと思う。
ステージから降りると下校時間。制服ではなく浴衣に着替える。顔も忘れていた友人が、自分と同じく一人だけ浴衣を着ている。
そのままバスを待っていると、誰かから○○さんですよね?と話しかけられる。

       

表紙

風鈴 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha