苦い記憶を呼び起こす:ツボミさん

その12


今回は毎度のE店。
ところで、今までのレポで何回かE店とR店を間違って書いていた可能性がある。
アイさん、アンリさん、ミイさん、ルルさん、ふたばさんはR店。格安で(現在は)出稼ぎ嬢メインの店。
ミキさん、マユさん、サヤカさん、ゆずはさん、しほさんはE店。ネット予約が出来たり、宣伝広告に力を入れている店である。

今回は、事前に調査をした結果、ツボミさんという嬢に決めた。
T155、B86(D)W57H85と、スタイル的には尖った部分は無い。が、接客が良い、話しやすいなど、性格がよさそうな評判がネット上に多かった為、入ってみることにした。
これまでの経験上、顔や身体よりも性格、接客態度に重きを置いた方が、悲しい思いをすることは無いためだ。
嬢のブログもそこそこまめに更新され、内容もそこそこある。本当にそこそこの嬢なのか。

サヤカさんのときのように、予約可能となってすぐに全枠埋まることを心配して、PCの前に張り付いていたが、予約が埋まることは全く無く、当日まで私以外の予約は入っていなかった。
これには若干の不安があった。
ネットの掲示板での話によれば、新人の頃は常連客が試しに入るので予約が埋まることが多いが、一巡すると本当の人気具合が分かるらしい。
評判は良いが、予約が埋まらない。ネットの掲示板は誰でも書き込めるわけで、よく言われるのは、良嬢のレポは嬢本人や店の自演だ、というのだ。
そもそもネットの掲示板の情報は玉石混交、嘘を嘘と見抜けない人には、がお決まりの世界だ。それでも淡い期待を抱かざるを得ない。


当日、別の用事もあり、夜遅い時間の予約を取ったこともあり、既に暗くなり、人気も少なくなった風俗街に足を踏み入れた。
夜の世界、という印象が強い風俗街だが、21時以降はやはり人が少ない。
例えば歌舞伎町やすすきのといった町は、風俗店と居酒屋その他の店が入り混じっており、酒が入った人々が賑やかに歩いているのだが、この風俗街は少し切り離されている感がある。駅があり、居酒屋その他があり、その奥に風俗街がある、といった感じだ。
人気が少ないので、あまり人目を気にせず店に入ることが出来るのはいいことなのだが。


店に入ると、男性店員が声をかけてくる。いつもどおり予約がある旨を伝えると、待合室へ。
この待合室も見慣れたもので、壁には宣伝用のポスター、手作り感満載で写真も店のウェブサイトに掲載されているものを印刷したと思われるものだ。机には灰皿と爪切り。
爪は女性のデリケートな部分を傷付けないように短くするのがマナーだ。これは風俗か否かに関係ない。
本棚には古い漫画と風俗雑誌、18禁のエロ本、コンビニで買えるレベルのやつじゃないエロ本。
1台だけあるテレビにはDVDが流れされている。内容は伏せるが、いつきても同じDVDを流している。いい加減飽きるので普通のテレビ番組にして欲しいが、これは店の諸事情があるのだろうか。B-CASカードが無いとか、受信料を払いたくないとか。


DVDが中盤に差し掛かった頃、私の番号が呼ばれた。
エレベータ前に行き、ツボミさんと対面した。

「こんばんは~」
明るい声で挨拶をするツボミさん。
顔は所謂地味顔、大きいが一重の目、低めの鼻、厚い唇。
美人、可愛いという表現は出来ないが、ブス、でもない。
高校時代、ゆずはさんと同じグループの仲間で、同級生の男子からは「あのグループの女子は結構可愛いけど、その中で一番いいのはゆずは、一番無いのはツボミ」と言われるような容姿。
ただ、私としてはそのくらいの女性の方が、変に緊張せずに接することが出来て好ましい。

エレベータに乗り、そして部屋に入る。
その間、世間話をするが、本当に当たり障りの無い話しかしなかった。

部屋に入り、ベッドに腰をかける。
今回はお土産を持ってきた。とは言っても買ったものでなく、仕事の関係で貰ったお菓子。
メーカー名等はよくわからないが、健康的なものらしかった。
「これ、口に合うかわからないけどどうぞ」
とツボミさんに袋に入れたお土産を渡す。
「ありがとう」
と言いながらも、若干不満そうなツボミさん。お菓子が嫌いだったのか。
だが、ツボミさんが袋からお菓子を取り出すと、表情が一変した。

「あっ!これ○○のだ!すごーい!」

急に喜びだしたので、虚を突かれた私にツボミさんは続けた。

ツボミ「これ高いんだけどおいしいんだよね!」
私「そ、そうなんだ。実は貰い物なんだけど、どうかなと思って」
ツボミ「えーすっごい嬉しい!これ、砂糖とか添加物とか使ってないけどすごいおいしいやつなんだよ!」
どうやらツボミさんストライクのお土産だったらしい。

ツボミ「マクロビって知ってる?」
私「!!」

私はとんだ地雷を踏んでしまったらしい。
脳裏に過去にいた会社の女性の姿が浮かんできた。

少しソープの話から外れるが許して欲しい。
なので次のページは読み飛ばして頂いても構わない。
マクロビ、ホメオパシー、ロハス、俗に民間療法といわれているものだ。
これらに嵌っている人は本当に苦手だ。

昔、会社の女性がこれらに嵌っており、社内での布教が本当にすごかった。
社内でのお菓子(砂糖)禁止を言い出して、食べてる人(上司でも関係なく)に文句を言ったり、なんたらって先生の本を配り始めたり、何たら先生の講演会に行くので会社休むだったり、何たら先生のfacebookに批判的なコメントする奴をやっつけたとか言い出したり。
インフルエンザの予防接種を拒否して、一人だけインフルで1週間休んだときは呆れた。
更には1回の診察に数万円かかる病院に通い、謎の機械(気と波動を検査する機械)で診察してもらい、謎の機械(気と波動で治療する機械)で治療を受け、謎の薬(どういう根拠で調合したか不明の漢方薬)を貰い、謎のアイテム(置いておくと電磁波から守ってくれる)を買い、謎の本(その医者が書いた謎理論の本)を読む。
そして、話は健康のことから製薬会社の陰謀論やら、電磁波の悪影響、原発の悪影響、アメリカやユダヤ資本の陰謀論などとどんどんスケールが大きくなっていった。

一度、その女性と社内の人間で話し合いが持たれたときに言われた言葉。
「どうして自分の身を守る為にすることがいけないんですか?」
(いけなくはないが、周りに迷惑がかからないようになって欲しい)
「みんな騙されている、どんどん不健康にされてるんですよ」
(何して生きてても加齢で不健康にはなっていくだろうに)
「みんな無知すぎる。○○先生の本を読めば分かる」
(無知はどっちなんだろう)
結局、その○○先生の本の受け売りで、それが全て真実だと思っているのだ。
私も半ば押し付けられる形でその医者の本を読んだが、
「○○は悪!食べてはいけない!不健康になる!売っているのは己が利益の為!」
「○○を食べている人の寿命はこう、食べない人の寿命はこうだ、食べない方が長生き!」
「○○を好んで食べる人は依存症!病気!毒を食べている!」
「○○を食べることは未来の子供への罪だ!」
と、強い言葉で断言し、徹底的に罪悪感を植えつけるやり方だった。
これでは意思の弱い人は簡単に嵌ってしまうだろうというのがその本の感想だ。
実際その女性も、これらのこと以外ではすぐに悩み、落ち込んだり、やたらと女性の同僚(女)に依存するタイプだった。

私が思うに、こういう民間療法は「正解が分からない世界」だ。それは宗教に通じるところがある。
死後の世界は誰も知らない、正解が分からないから、いろいろな宗教が好きなことを言って「これが唯一無二の神だ」と人を信じさせる。
健康になる方法で同じ方法を試しても、エビデンスがあるわけでなく(別要因など健康にかかわる因子は多岐にわたり、その健康法の効果が明確でなく、かつ検証もされていない)、万人が同じ効果を得られることは無い、正解が分からないから、好きなことを言って「これが唯一無二の健康法だ」と人を信じさせる。
両方とも、「善意で布教する人」もいれば「金儲けのために布教する人」もいる。
やっかいなのは両者とも「布教」が「善」だとされるところだ。
信じれば救われる。貴方も救われて欲しい。
実践すれば健康になる。貴方にも健康でいて欲しい。
誘われた側が断るのが悪だと言わんばかりに。
結局、ホメオパシーだかマクロビだかの先生になるとかで会社を辞めた。辞めた後は全員がほっとした。こんなことは最初で最後だ。
長々と書いてしまったが、それだけ当時の印象は強く、いやな思い出として残っており、民間療法の医者と聞くと反射的に「詐欺師」と身構えてしまう。

あぁ、まだまだ書きたい。これはもう当時の愚痴だ。

「マクロビ」と言われ、一瞬、別世界に意識が行った、のは言い過ぎだが、軽いめまいを覚えた。
いや待て、良くある「流行の健康食で~」のミーハーなやつかもしれない。

「実は私ね、そういうの勉強しててさ。勉強とかにお金かかるんだよねぇ」
これは真性のようだ。

「へ、へぇ~。大変だね。資格とかあるの?」
分かっている、分かっているのだ。よく分からない団体が認定する資格があることも。
その資格を持った人間が、その民間療法を実施して医療事故として訴えられたとき「適切な処置をすれば問題なかった」と完全に切り捨てにかかった団体が認定する資格があることも。
「あのね、○○っていう…」
ツボミさんの話は止まらない。よほど土産のお菓子が気に入ったのか、ひたすら将来の夢やらみんなを健康にしたいやらを語ってきた。
やはりこういう女性は周りに賛同してくれる人は少ないようで、家族には邪険にされ、友人関係は崩壊、結局その健康セミナーで知り合った人くらいしか友人関係も無いらしい。
で、そういうのは金がかかって、そのお金が昼の仕事だけでは足りないのでソープをしているとのことだった。


健康の為なら死んでもいい


まさにこの言葉がぴったりだと思った。
プレイ前にこれはきつかった。ある意味過去のトラウマを蘇らせられるようなエグさ。
風呂に誘われても、風呂からベッドに戻ってもまだ喋っている。
時計を見ると…部屋に入ってから20分…20分!?
正直すでに1時間くらい話をきかされていた感覚だった。
そりゃ1時間も話していたら、とっくに受付からコールが来ているだろう。


ここで私は吹っ切れた。
いつもは嬢にされるがままを楽しむMよりのプレイだった。性的なことを自分から言い出すことが出来ないタイプなのだ。
が、どうでもよくなった。
嬢からどう思われようが、2度目は無いので積極的にやろうと。

私の横でベッドに腰をかけ、全裸で喋り続けているツボミさんに後ろから抱きつく。
「そろそろ、いい?こんないい身体が横にいたら我慢できないよ」
そう。健康に気を使っているだけあるからか、スタイルはいい。くびれもしっかりあるし、胸の張りも肌の質も綺麗なのだ。単に若いから、ということもあるだろうが。
「え~」などと笑いながら、私が胸を揉み始めると、プレイモードに切り替えたようだ。

目を閉じて気持ちよさそうな顔つきになるツボミさん。
そのまま私はツボミさんの股間に手を伸ばし、刺激する。
控えめな喘ぎ声を上げ始めたので、ツボミさんをベッドに寝かせ、クンニを始めた。

「健康に気を使ってるからここも甘いね」
と、気持ちの悪いことを言う私。が、意外にもツボミさんにはこの言葉が刺さったようだ。
「ん…もっとして…」
さっきまでの濡れとは明らかに違う。愛液が溢れてきて、あっという間にツボミさんの尻のほうまでびしょびしょになった。
喘ぎ声も大きくなり、たまに身体をビクッと震わせる。

「じゃあ今度はツボミさんも」

私が上で69の体勢になり、ツボミさんにしゃぶらせる。
自分が上で69は初めてだったが、あまりのどの奥まで突き刺さないよう腰を浮かせるのがつらい。
「ほんと初めての味だよ」「肌が綺麗だ」
とところどころでこんな台詞を吐く私。
体勢を変え、ツボミさんの横に寝転がり、手マンを続けながら、全身いい匂いだ、マクロビのおかげだ、と心にも無いことを言い、演技を楽しむ私。
そして、
「このまま入れようか」
と私は言った。

生挿入。

嬢と対面する前、男性店員に毎回必ず言われている「衛生器具着用の店です」。
店としてはゴム無しの本番は禁止行為だ。
しかし、嬢によっては客をつけるために秘密で行う場合もある。嬢が同意ならば、店側も強く言うことも無い。同意が無ければ嬢が受付にコールしてプレイ中断、男性店員からの説教となるが。

「ん~、いいよぉ?」

ツボミさんから意外な答えが返ってきた。
まさかのOK。
が、これには私が躊躇した。「え~、だめ」「うん、じゃあゴムつけてしよっか」という流れを予想していた。
正直なところ、生挿入にはさほど惹かれない。
ゴム無しだとやはり刺激が強い。早漏には毒だ。
そして病気。こんな簡単にゴム無しを受け入れるということは、他の客にも同様なことをしている可能性もある。そうなると、病気を貰う可能性が高い。
ソープに来て病気が怖いとは何事だ、と言う方もいるかもしれないが、嫌なものは嫌だ。
ゴムは性病の予防に完全ではないものの十分効果はある。

「いやいや、お店のルールは守るよ」

そう言って身体を起こす私に、わかった、とだけ言ってゴムを取り出し、ツボミさんは口でつけた。

正常位で挿入開始。既にびしょびしょだったこともあり、すんなりと入った。
ガシガシと腰を打ちつけ、キスをする。
不思議とすぐに射精まで至らない。早漏じゃなくなったのか私は。いや違う。
ツボミさんの中は緩い方だった。おかげで心置きなく腰を振れる。
疲れたので騎乗位で動いてもらうも、まだイく様子が無かった為、ツボミさんを抱きしめて下から突き上げる。
ようやく射精感が込み上げてきたので、そのまま発射。
お互い、はぁはぁと息を荒げてしばらく抱き合っていた。


10分前のアラームが鳴った。
急いで後処理をし、風呂に入って、服を着る。

「お兄さん、とっても気持ちよかったよ」
と、ツボミさんが言う。こんなことを言われたのは初めてだ。もちろん本心かは分からないが。

帰り際、エレベータを待っていると
「お菓子ほんとうにありがとね」
と相変わらずの喜びように若干困惑しながらも、まぁ本人の好きなようにすればいいと思い、エレベータに乗り込み、手を振って別れた。


複雑な気分ではあったが、楽しむところは十分楽しめたので、いい嬢であった。
が、精神的には苦い記憶を呼び覚ます嬢(嬢自身に非は無いが)だったので、もう一度、と言うことは無いだろう。


会社のあの女性はその後どうなったのだろう。
そんなことを考えながら、私はソープを後にした。
sage