高校生編 (11) 文化祭
 
 8月末ごろ、夏期講習が終わり、土曜日を丸1日使って、我々進学クラスは9月初めにある文化祭の準備を行うことになった。

 その年の1年生の文化祭の課題は教室内展示物で、LHRで先生が出されたピカソの絵を描く案が採用され、我々はゲルニカと泣く女を大きな木の板の上に描くことになっていた。

 ゲルニカと泣く女を同じメンバーで描くのは効率が悪いし皆が描けないという理由でどちらかを選んで制作に携わるという形だったのだが、私は泣く女を選択しA君も一緒に選んでくれた。
 また、N君一派はゲルニカの方に行ったので、悪口を言われることもなくコツコツと泣く女制作に挑むことができた。

 ゲルニカチームの方は板の大きさが小さいこともあって午前中の数時間でパパっと終わらせ後はずっと談話していたが(それゆえに再現度は低い)、泣く女チームはこだわりにこだわって何時間もかけ絵を細かい部分まで描き、再現度の極めて高い泣く女が生まれた。

 そして、時は経ち、9月の初め。

 文化祭当日となった。
 私の高校の文化祭は2日間かけて行われ、初日は前半の、最終日は後半の、数時間体育館で2年生や各部活動のステージ発表があるという形式だった。(ステージ発表を見ることは全生徒参加必須)

 それ以外の時間は校内にいさえすれば自由。3年生の開いている出店を回るのも良し、1年生の教室内展示物を見回るのも良し。N君一派に至ってはつまらないから、図書館で勉強をすると言っていた。

 私はと言うと、A君やK君と話したり出店を回ったりしていた。数少ない話せるクラスメイトであるA君とK君と一緒に過ごした時間は楽しかった。
 
 2人は匂いのことも言わないし、2人といると辛い現実を忘れられることができた。

 しかし、このことがクラスの女子の勘違いを生んでしまうのだった。