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Bad Smell
いじめ

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Bad Smell 中学生編(6)いじめ

 私は体臭によって人生が一変した。自分に自信が持てなくなり、それまで引っ込み思案ではあったものの、クラスの男女とは誰とでも普通に話していた私は、友達以外とあまり話さなくなった。

そして、外出しなくなった…

私は、学校と塾以外、外に出なくなった。

学校に行けたのは、今でも連絡を取り合う大親友と呼べる3人が一緒だったからである。彼らは、私の臭いの変化に気付いていたが(よく直接指摘された)、それまでと同じく接してくれた。私は毎日が辛かったが、彼らのおかげで学校へ行く理由ができた。

私たちは、皆いじめられっ子だった。しかも、いじめを行っていた相手は一緒。警察官の息子のH君。彼はカリスマ性があり、私たちのクラスの不良を引き連れていた。そして、人の不幸が大好物だった。
まず、4人の内の1人のM君をいじめ始める。M君は眼鏡をかけた好青年。私と一緒にバスケ部に入ったあの初心者の内の1人である。彼は体を壊しやすく、よく学校を休んでいた。そんなM君はある日何を思ったか、万引きをしてしまった。

そして、M君はひどく反省したにも関わらず、H君は、「あいつは人の物をすぐ奪う、」などとつけ加え彼が万引きしたことを同じ学年の人間に言いふらした。M君はそのことに絶望し、クラスに来なくなってしまった。彼は特別教室で授業を受けるようになった。結局卒業まで彼は普通のクラスに戻らなかった。

残り3人の私たちは一緒になってM君のことをH君に、「確かにM君がやったことは許されることじゃないけど、そこまで広める必要はあったのか」と抗議した。

H君は私たちが反論したのが許せなく、今度は私たちをいじめ始めた。

先頭に立って抗議した、また、その頃体臭が臭くなり、対人恐怖症になり、精神障がいレベルになっていた私が特に被害にあった。それが第4章に書かれたキャッチボールの件と掃除の件とデマを流された件である。どれも同じ人物が中心となって行っていたのだ。他にも、掃除が終わった時机を反対にされていたり、テストを教壇に取りに行ったときに足を引っ掛けられたり、テストや成績表また、私が読んでいた朝読書の本を机やカバンから取り出しクラス中の男子に回されたりもされた。
 
皆楽しそうに私をいじめ、私が嫌がる様子を喜んでいた。

しかし、そんな絶望の淵に立っていた私を2人の友達が助けてくれた。私を励ましてくれた。H君のいじめられっ子であったK君とT君だ。K君はあの糞漏らし事件の時「気にせんでええよ。」と言ってくれた者だ。

自分は一人じゃないんだ。そう思えた。

私の居場所がそこには確かにあったのだ。

塾はというと、女子には嫌がらせを受けるし行くのは非常にだるかったが、親にお金を払っていてもらっていたので行かないのは申し訳なく、通っていた。人に迷惑をかけるのが私はひどく嫌なのである。

しかし、塾に通いながらも私は勉強することを放棄していた。もちろん、成績はだんだんと下がっていった。勉強をするふりをして、ゲームをしたり、漫画を読んだり、など明らかなサボりも始めた。
この時の私は、いじめや体臭の問題からもう高校は行かない、そう決心していたのだ。

中学を出たら、私たち親友は離れるかもしれない(実際そうなった)。つまり居場所がなくなる、その恐怖も理由の1つだった。

       

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