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Bad Smell
現実逃避

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高校生編(5)現実逃避

 N君による嫌がらせが続き、まだ友達が1人もできていない、さらに進学クラスの過酷なカリキュラムによって苦しむ、入学3か月目の私。そんな私は自分を変えるどころか。ネットや漫画の世界に現実逃避してしまうのだった。

①スマホに依存
 私は高校に入ってすぐ、親にスマホを買ってもらった。それまでも私は携帯を所持していたが、親の手でインターネットに繋がることができないように契約されており、本当に連絡用だけという感じだった。
 しかし、今度は違う。インターネットにアクセスし放題。Twitterもニコニコ動画もYouTubeもスマホゲーだってできる。この自由さが行けなかった。私は現実から逃げ、スマホの世界にどっぷりはまってしまったのだ。
 
学校の休み時間は、専ら携帯でウェブ漫画(裏サンデーや新都社の諸作品、『ワンパンマン』(原作の方)など)を読んだり、Twitterや書評ブログを更新したりしていた。後、診断メーカーとかも作っていた。
 家ではニコ動の幕末志士さんや、つわはすさんの実況動画や今敏監督の映画に入り浸り、また、ウェブ漫画を描いてブログ上に挙げていたりもしていた。宿題は、二の次である。
というのも、この頃は、宿題や英単語に対して自分の中での扱いが雑になっていた。中でも、数学や英訳などの課題の場合は渡されていた答えを読み、少し変えつつほぼそのまま写す形で提出し、ある時、「こんな完璧な回答できるはずがない」と放課後英語の先生に呼び出され、30分ほど怒られ、反省文を書かされることもあった。全部私が悪いので、仕方がないのだが。
 
 まあ、今で言うスマホ依存症というやつである。当時の私は、スマホこそが私の世界で、もう高校なんていいやと現実を受け入れることを半ば諦めていたのだ。

②漫画にどっぷりはまる
また、私は高校になったということもあって、生まれて初めて親から現金で小遣いをもらえるようになった。(今まではほとんど図書カードだった。)
 そして、運が良いのか悪いのか、高校の近くには私好みの漫画を恐ろしいほど扱っている中型書店があった。具体的に言えば、私は、中学生の頃、『漂流教室』を読みそれ以降楳図かずお先生に心酔していたのだが、楳図かずおパーフェクトコレクションの諸作品が全て揃っていた。後、諸星大二郎先生や古屋兎丸先生、小畑健先生やうすた京介先生の過去作全てが置かれていたりもした。つげ義春の作品もあったけか。
 まあ、兎に角私の好きな作家さんの作品がたくさん扱われている素敵な書店であった。漫画が本当に好きな方がおそらく経営していたのだろう。
 本当に辛いときはその書店で自分の好きな作者さんの漫画を買い漁り、宿題や英単語のことなんか後回しにして、家で読みふけっていた。そう思えば、そういう時に英単語や宿題を全くしなかったこともあったな。あの頃の私は本当に高校に嫌気がさしていたのだろう。

③週刊少年チャンピオン
 さらに、実名を出して良いのかあれだが、週刊少年チャンピオンにもその頃ハマっていた。特に読んでいたのは『囚人リク』。逆境に立ち向かうリクの姿に私は励まされていた。辛い時も悲しい時もリクを読むことで、また明日頑張ろう、そう思えるようになっていた。結局、現実逃避して頑張れてはいなかったのだけれども。

 実は、ほんの一部しか述べていないのだが、これが私の行った現実逃避の記録である。
 現実逃避しても現状が変わるはずがないのに、馬鹿な私は現実に目を背け非現実の世界に入り浸っていたというわけである。
 しかし、そんな私にある転機が訪れる。それは、とある大学のオープンキャンパスに進学クラス総勢で出向いた時のことだった。
 
 (つづく)

       

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