コント集




『コント集』



はい、毛色ちがうのきました。これはお笑いの台本なのですかね。タイトルは「美容院」

AとBという人物が登場します。二人しか出てこない。掛け合い、というか、やり取り、というか。

アルファベットの最初がAで次がBだから、「A」と「B」なんだろうけど、少し、味気ないようなそっけないような気はします。

例えば、「プラム」と「鳥胸肉のソテー」なら?

プラム「こんにちはー」

鳥胸肉のソテー「こんにちは、お客様! ご予約はお済みでいらっしゃいますか?」

美味しそうになった。

なんていうか、これ、今までで一番むずかしい話かもしれないですね。お笑いって、だから何?と言ってしまえばそういうギャグもあるから。なにかを試されてる気がします。

うーんなんていうか、僕はお笑いとかテレビとか苦手なんで、お笑い芸人の声で脳内再生されちゃう感じで、苦手ではあります。

AがボケでBが突っ込みですよね。

ボケは面白いですよ。なかなかひねってあって。

ただ、突っ込みが少し不自然な感じはします。例えAがどんなに変な客であっても、「お客様」に対して

B「飲むなよ!」

とぞんざいな口のききかたになっているのが気になる。後半、ボケの工夫に対して、突っ込みが惰性になっているというか。

Bが「変な客だなあ」と戸惑いながらも、一応相手しているとか、時々、逆に好意的につられ笑いしてもいいんじゃないかなと思いました。美容師も人間ですから。

お笑いとしてはよく書けてますね。がんばって考えたんだと思う。ただ、お笑い自体に興味がない僕では正等に評価できないかな。

偏見をすててもうちょっと読んでみよう。

A「じゃあ瞑りますね」


A「うわ、暗くて怖いなぁ」


A「あの、怖いんで手にぎっててくれます?」

この辺りのAの素直ーな感じというか、さみしがり屋な感じは共感しちゃいました(笑)

うん、やっぱりAをひねってるわりにBが単純すぎる。途中で「美容師ロボ」扱いされてるけど、ほんとに「突っ込みロボ」みたい。

B「人生で一度でもそんなことがありましたか……!?」

とかの段階はいいんですよ。それくらいの調子でつづけてほしかった。

それから、Aのボケかたが「本気かふざけてるのかよくわからない」あいまいな領域にとどまっていたほうが、僕好みではあります。

A「別に精液でもいいんだけど」

とか、なぜ精液でもいいのかさっぱりわからない。根拠を感じない。

これがもし、

A「あ、自分、顔射モノが好きなんで、精液でもいいんだけど」

だったら、「顔射モノのAVが好き(女性が精液をかけられているのを見るのが好き)」と「だから、精液をかけられてもいい」が論理として「つながっているようで、つながっていない」感じになるかなと。

A「うわ、すごいな、自動で動くんだ。近代的ですね」

とかは良いですね。僕もそういう当たり前におどろくことはあります。これはたんにギャグというより、「子供の新鮮な目」とか「未開の文明圏の人の、都市に対する驚き」に近いかなと。

それから、コント特有の「流れるようなリズム」を、もう少しつまずかせてほしかった。

B「いやー、お客さん、しっかりされた、いい髪してますねぇ」


A「はは、いつもかた焼きそばばっかり食ってますから」


この辺とか、Bの発言に対して、Aは流れるように返答してますよね。まるで、あらかじめ答えが用意されていたように感じます。予定調和的というか。お笑いとしてはそれが正解なのかもしれない。でも、もっと無駄なところがほしい。

例えば、

B「いやー、お客さん、しっかりされた、いい髪してますねぇ」

A「しっかりした、何ですって?」

B「しっかりされた、いい髪してますよね?」



A「はは、まぁ、いつもかた焼きそばばっかり食ってますから」



こういうほうが自然に感じる。コントとしては間違ってるかもしれないけど。

うーん、結局、コントという方向性を僕が正しく評価できないってことかな。申し訳ないけれど。

最後の



B「お前が星帰れ」


というのも、失礼千万ですよね。たしかにAはふざけているけれど、Bを怒らせるほどのことは言っていないと思う。

それに、「星に帰れ」という発言が出るなら「Aは別の星の出身である」ことをほのめかすようなボケというか、比ゆが中盤くらいにほしかった。そうすると、最終的にイメージがつながって、腑に落ちる感じがする。



『作品感想』


少し、趣味のちがいが出てしまいましたね。コントとしては、決して悪い出来ではないと思います。じっさい、お笑い芸人はこういうネタをやってるんじゃないかなあ。テレビとかで。

微妙な間とか抑揚は、文字だけじゃ出しづらいんで、コントの名手がたくみに演じているところをみれば、これも笑えるのかもしれません。


sage