ぴゅあポエム




 『ぴゅあポエム』



サヤカさんが思いのほか長かったので、短いのきて安心しました。ポエムだそうです。

タイトルは「溝ネズミ」

まさか、ネズミのことを書いたものではないでしょう。ネズミの研究家、愛好家、でない限りは。たぶん。きっと、人間のことをネズミに例えたにちがいない。読む前から、勝手にそう決めた。

いきなり、

溝溝溝
溝溝溝
溝溝溝溝溝溝溝
溝溝溝
溝溝溝
溝溝溝溝溝溝溝

これ、なんて読むんだ?みぞ、か。あんまりつらなってるとゲシュタルト崩壊してくる。

ドブネズミ。溝ネズミ、ああ、どぶねずみと読むのか。一見して汚い。さっきの風俗の話より確実に汚い。

たしかに、現代的な「都会生活」なるものの裏側にどれだけの糞尿がまみれているか、想像しただけでぞっとしますね。昔はトイレが汲み取り式だったり、肥溜めがあったりしたらしいけど。

今はみーんなすました顔してる。そこにこのポエムは「現実を!」つきつけている感じでしょうか。ドブネズミの目を通して。

ネズミ、あんまり見ないなあ。最近、どこかのゴミ捨て場に尻尾がちょろちょろしてたのを見たか。ネズミが大の苦手という人もいるけど、僕はわりと平気です。

なので、
この詩はあまり嫌悪感なく読めます。ええと、Dirtの意味は泥、とか糞、という意味ですね。

まずドブネズミが元気よく自己紹介する。「俺の名はドブネズミ」ドブネズミの視点から書かれているわけです。

「仕事仕事追われる社会人」作者もそうなのかな?それとも、作者ははみだしもので、いわゆる「社会人」がすました顔をしていることが許せないのかな?

まず「目を背けるな」とくる。(視覚)

つづいて、「お前の鼻孔は」とくる。(嗅覚)

糞尿が醗酵して発せられるガスについて語られる。「足下」つまり、下水管のなかにガスは充満している。

ここであげられたガスの種類。
アンモニア(小便の臭い)。硫化水素(硫黄の臭い)。
二酸化炭素。メタン発酵(メタンガス)。ようするに、糞尿から出たガスですね。

これらが大爆発をするらしい。チュー!という鳴き声とともに。

引用。「上役に指示され踊り狂うが如く
労働に勤しむ現代社会人
休息を知らず働き続ける
その姿は宛ら傀儡(マリオネット)の様」

やはり、テーマは人間でしたね。ネズミ語でネズミの世界を描かれたらどうしようかと思いました。さて、再び発せられる疑問。作者はふんまんをかかえた社畜そのものか、否か。

引用符つきで語られる“美しい人間像”。どうやら、ドブネズミはそれが嫌いらしい。上っ面のように感じられていて。それを破壊するための方法が「爆発」である。

そして、人類は、自らの汚わいを認識するだけにとどまらず、病魔を与えられ、いきたえるまでもだえくるしむ、とある。正確には、「くるしめ」だ。

たしかに、清潔にとりすましたオフィスが、大爆発とともに汚わいにつつまれたら壮観でしょうねえ。

今の時代は、あまりにもきれいすぎて、このドブネズミのように原始的なもの(率直に「うんち」と書かれている)への回帰願望がうまれるのかもしれません。

以上、この詩の内容について。

あらためて見ると、タイトルは「ピュアポエム」、「美しさについて」がテーマだそうです。ようするに、皮肉ですね。「美しさへの反発」について。こうすると、より正確になるかもしれない。



『作品感想』



テーマははっきりしているし、上手く表現できていると思います。

ただ、詩というだけあって短いですね。この調子のまま、1000倍の量を書いたのなら、一種の凄みが出てくると思います。

「この作者どれだけ憤懣たまってるんだ!」と。まるで作者が本当にドブネズミのように思えてくるかも。大量の糞尿をあらわすには、すこしボリューム(糞尿の)不足かもしれません。


sage