約10分糞妄想




『約10分糞妄想』



お知らせ―さて・・・新しいルールを追加せねばならないことになりました。

上の方に「漫画の感想」が二つあがってる。漫画、これは放っておいても勝手にコメントがつく。感想がもらえる。そのうえ文芸に二つも感想があがってる。

これについて、更に感想をつけくわえるのはどうかと思いました。不遇な文学ジャンルへの感想。これが、僕の思いだったので。

なので、すっぱり飛ばします。「新都社の漫画についての感想」これはすっぱり飛ばします。

もう一つ。一度、感想をつけた作品も飛ばします。「あいつのは二回も感想がついているのに、俺のには一回もついていない。」こんな状態を避けるためです。

僕自身も、色んな作品を見てみたい。あふれているのだもの。作品は。

それから、前回までの感想、長すぎた!時間かかった、めっちゃ疲れた!短くせねば。

ということで、わりと普通の感想になるかもしれません。僕の理想とする、細部への言及、これ、減ってしまうかも。

いやいや、それじゃ意味ないだろう。自分が楽しむためには。うーん、悩む。

という感じで、感想をはじめます。

前回までと同じで改行なしの原文をもとにやる。なので、誤読が多くなるかも。



「米の巡回」

主人公は米です。正真正銘の、食べるための米。短い話なのに、凝縮した美学が感じ取られる。これ、さりげに文学的なような気がする。

「目の前で何かが動いた。」こういうのを、優れた文学作品のなかに見たことがある気がする。

米は、米に相応しいおかずとして納豆を許す。次、ササミを許す。価値基準がよくわからない。ササミのような淡白な食べ物をチョイスした理由もよくわからない。なのに、米は納豆以上にササミに大満足している。

「米は満足して歩を進める。」まるで、胸をそらした騎兵隊のようだ。

イソップ童話集とでもいうのでしょうか。その手の筋書きをものすごく簡潔にしたような感じがある。

昔話は、繰り返しが多い。だんだんエスカレートしていく話が多い。

例えば、有名な豚と狼の話。

一番目の豚の家はわらでつくられていたために狼の息で吹き飛ばされる。

二番目の豚の家は木で作られていたために狼の息で吹き飛ばされる。

三番目の豚の家はレンガでつくられていたために、狼の息で吹き飛ばされずにすむ。

そういう、古典的な様式美があるように思う。

最後、「蟹」は許されない。「蟹さんは死んだ」この辺の判断基準はさっぱりわからない。

ササミに大満足して、蟹は許されなかった。個人的な好みの問題かな?作者は単純に蟹が嫌いか、蟹は米に合わないと判断しているか。ありゃ、たしかに食べづらいが。

しかし、蟹という高級品なら、僕は大喜びなのですが。しかし米に合うかといえば、微妙かもしれない。

かつて、2ちゃんねるのスレで「ウィンナーとめし」というスレが盛り上がっていました。めしに合いそうで、合わそうで、合いそうな・・・(以下無限ループ)・・・「絶妙なライン」として、ウィンナー以上のものはない、と判断されたからでしょう。

じゃあ蟹は?

これも良い線いってる気がする。すでにほぐしてある蟹ならともかく、からつきの蟹では・・・いや、たしかに。作者のチョイスは絶妙なのかもしれない。



『作品感想』



糞妄想というタイトルのわりに洗練されてます。無駄なところがまるでない。一文字たりともない。最後の一行、蟹に「さん」がついているところとか絶妙です。

「許さん!」の「さん」と蟹さんの「さん」で韻を踏んでいるようにも思える。パンですね。

ある小説の解説にこのように出てきます。アルージョン(ほのめかし)。パン(語呂合わせ)と。

なんといっても、この内容をパン種にして、色々とふくらませそうな気がする。

やはり、昔話だ。物語のエッセンス。かつて「ローマ・ギリシア神話」という本から、(物語の苦手な僕が)学び取ろうとしたもの。

ひとの口から口へ、伝承で伝わってきたような、集合意識とでもいうのでしょうか、作者の個人的な作風を超えたなにかを感じる。

ほかの話も読んでみたい、そう思わせるなにかがあります。てゆーか、納豆、ササミ、蟹、このチョイスだけでも非凡だ。

納豆、海苔つくだに、それから、ご飯に合わなそうなものといえば・・・普通はそう考える。意外と思いつかないな。

「きゅうりとわかめの酢の物」素直に考えたら、そういう方向に行ってしまう。あるいは・・・お正月ということで「栗きんとん」「伊達巻」等。

おせちは嫌いです。おせちにはいってるものはご飯に合わないものばかりだ。

作者は「蟹」ときた。「蟹」は一文字なので、オチとしてもすーっと入り込んでくる。

それに、調理品であると同時に、生き物でもあるから、「死んだ」という言葉が比ゆ(選ばれなかった)にもなり、実際的(絶命)にもなる。二重になる。

うん、なんか、僕には高尚すぎて理解を超えていたかもしれません。

こういう感性、チョイスは「コント集」の作者に足りなかったものですね。「コント集」の作者はぜひ、この「10分糞妄想」を読んで勉強してみてほしい。


sage