Neetel Inside ニートノベル
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殺伐とした世界他
殺伐とした世界

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「殺伐とした世界」
この世で生きるためには殺人をするしかない。
まともな神経じゃあ、自殺してしまう。
あの子もこの子もみんな平等じゃない。
立場も考え方もそうだ。
今の社会に適応しているやつらは、俺たちの苦しみを理解することはできない。
口ではきれいなことを言うが、現実それは気休めである。


俺が世間にアピールできるサービス期間は終わった。
俺が世間にアピールできるサービス期間は終わった。


みんな平等じゃない。金を稼いで好きな伴侶とセックスして、うまいものを食べて、かりそめの人間関係をすごしている人、もしくは、俺を鞭打ち搾取する階級の人がいる。
彼らと分かり合って一生を終えるだとか、社会の歯車としてほかの人を支えましょうね。なんてこと死んでも嫌だから死ぬのだとおもう。
人を殺して恨みを買って、また、そいつを返り討ちにして、そうやってみんな同じ土俵で戦って死んでいく。
これこそ平等、今の社会より健全。
生存率は多少下がるかもしれないが、人前で偉そうにする人間や勘違い野郎が減ることが期待できる。


クズが、お前が殺されないと高をくくっていたらしいな。
俺を雇って使う立場だから俺より偉いと思ってたんだろう。
その唖然とした顔、面白いよ、これもまた現実。そのなかで見つけた光―


しかし、理想は突然に崩壊する。共産主義こそ理想の社会であると信じてきた俺が、ふとある日に自分自身がシステムの頂点に立ったことを考えた。
俺以外の人間がこのシステムを維持するのは無理なので、結局誰も後継者に選べないまま死を迎えるであろう。
その瞬間俺の理想の社会は終わるのである。
それは他人にも言える事なので、結局、お互い疑心暗鬼になり理想と正義のために仕方なく殺し合うのだ。
そう考えた時にいともあっさり、共産主義は崩れた。今は高福祉社会を目指している。
というか共産主義の欠点を考える前にシステムを成立させるための具体的な行動を模索していたため、その結論に至ることはなかった。考えが足りなかったのか、もしくは、今にならないとわからなかったのかは不明である。


なぜこんなに悩むのかと言えば、皆が、働け、生きろと、TVが、金の消費を、無駄なものを買わせようとあおる。
全ての話や行動や放送が利益とつながっている。
聞きたくもない話が、人の中にいるだけで耳に入ってきてしまう。くだらないドラマ、惰性のコメンテーター、勘違いニュースキャスター、どんな悲惨な事件も教訓も歴史も事件も汚職も明日には忘れてしまう人々。
金がないと大きい顔をできない社会。働かないと見下される社会。


だって労働は義務ですよー健保―に書いてありますよー。
偉そうなこと言うなよカス。
今やっているのは労働じゃない、奴隷が飴を与えられて勘違いしてるだけだ。
他の権利項目一切守れてないのに労働とだけ叫ぶなよ。
というと、そこでお前はいう。あほか、建前上死ねとはいえんだろうが、ひっそりと自殺してくれ、俺たちに迷惑かけないやり方でさ、皆まで言わせんなカス。


そーだよそーだよそのとおりさ、ふるい落とされ脱落したやつらに対しては、死んでほしいとは言わないまでも、歯牙に掛けることもないし、まあ、勝手に消えてくれって話だろう。
ハロワもサポステいっても、マニュアル通りに職業を勧められるだけで、根本的なシステムを変えるところじゃない。
働きたくない奴は来るなって話だ。だから自殺するしかないのさ。


もし君が生きたいなら、もし君が生きたいなら、会社作れ、人に関わる時、自分のルールで関われる力をつけよ。
かくいう俺はもうがんばれない、だから生きるために人を殺す。
きみを置いてあっち側へ行くから。

今の社会でまともに生きてる奴らだって実際そうなんだろ?

       

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