「最初はあんたも数えてたはずだ。でも、いつからか、ぼんやりし始めた。集中しているつもりで、ただ焦って混乱しているだけ。ギャンブルでそういう心理状態に陥るのは不思議じゃない。よくあることだ。頑張りたいのに、頑張れない――つらいよな」
アルクレムは、自分が書いたメモを、助けたかった誰かの死体のように見つめた。
「あれだけ手札を破棄して、気まぐれ混じりにドローして、おまけにそれが絶対に切札とくれば、動揺もする。何かイカサマ、仕掛けがあるんじゃないかと? ――そう考えるのは、正しい。俺が対戦相手で、あいつを知らなければ、疑問に思う。ただ、あいつはこの勝負、ここまでずっとフェアに勝負してきた。それは俺が保証する」
「いつからですか」
「なにが」
「いつから、――彼はカウントを破産させて、いたんですか」
アルクレムは答えた。
「さっきの勝負、それが最初。だが、おそらく、切札はずっと頭部だったと思うよ。当てられないわな、あんたはこれっぽっちも真嶋を信じていなかった。そう思われて仕方のないことを、あいつはしてきたんだ」
①……初手で破棄した枚数(見ずに)
②……ドロー後の破棄した枚数
③……追加ドローによるカウント消費(-6=1枚ドロー)
④……残ドローカウント数