Neetel Inside ベータマガジン
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……おいおい、とうとう漫画の神様いっちゃったよ。コメント無さ過ぎて変な方向に拗らせちゃったよ。

 そう思って居るそこのアナタ……ここまですべて筆者の計画通りです。安心してください。これがメンタリズムです。

 さて、手塚治虫といえばさっきも挙げたとおりのいわずと知れた漫画の神様。ジャングル大帝や鉄腕アトムにブラックジャックなどの名作は何度も映像化され筆者のようなクソ雑魚レビュアーが語るのもおこがましいレベルの国民的認知度を誇っています。

 今回はその手塚氏の妖怪時代劇、『どろろ』を取り上げていこうと思います。


●重すぎるストーリー展開と血みどろの世界

 時は戦国、天下取りを目論む武士の醍醐景光は産まれる前の自らの子供をその願いを叶える条件として48体の魔神像に捧げ、その悪魔に同じ数だけ体のパーツを奪い取られ欠損した状態で生まれてきた赤ん坊が母親が看取る中、川に流される一話から始まります。

 なんかもう、このわずか20ページの一話目から既に凄惨たる異質を放っています、この『どろろ』。ちなみに流されたこの子供はどろろではなく、拾われた医者に百鬼丸という名を付けられ体を改造され、自らの体を取り戻す旅に出ます。

『自分の体を奪った妖怪を一匹ずつ倒してから己の体を取り戻す』。こういった肩書きだけなら王道の少年漫画にも聞こえます。

 しかしこの作品は読者が一般的にイメージする妖怪モノとは一線を画しています。普通の子供向け作品のそれであれば、悪さをした少年を妖怪が見かけてべろべろばぁと驚かすものが思い浮かばれますが、このどろろ世界の妖怪たちはガチで一般人を殺しにきています。

 それどころか人間同士の戦争にかこつけて人の心を操り死体を自らの肥やしとして増やすべき目的で争わせる知能犯的な妖怪さえ現れます。

 百鬼丸はこの血で血を洗う乱世の中で命がけの戦いを生き延び、助けた人々から妖怪の仲間だと疎まれながらも、ひとつずつ、着実に自らの体を取り戻していきます。

       

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