Neetel Inside ベータマガジン
表紙

ぼくらはマンガで欝になった
『ベルセルク』

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 ようこそ!わたくしの領域チャンネルへ!ワァオ!!

 えー、ということでね、今回で最終回となった『ぼくらはマンガで欝になった』。

…始める当初はね、ベータで一番になるつもりでやりはじめたんや。まさかageコメ10いかないとは思わなかったです。

 さすが不人気作家!ほんとに伸びねえぜ!!

 ということで最終回のお題『ベルセルク』。

     


     

↑ガッツ違いです。お構いなく。

 あらすじとキャラ紹介は、もはやする必要はないでしょう。

 暴力と争いで溢れかえる世界でヤンホモグリフィスがメチャ不幸なガッツ君を苛める話。

 30年近くにわたる連載の中でも「蝕」のインパクトはこれまでの積み重ねを全てを覆しガッツが第一話で旅立つきっかけとなった最欝のストーリーとなっております。

 今回はやはりその王道を避け、序盤の黒い剣士編のラストを取り上げます。


●アニメ版はカットされる事が多い『黒い剣士編』

 ゴッド・ハンドとのやりとりを経て通称:ナメクジ伯爵の屋敷に戻ってきたガッツ。ゴッド・ハンドとの交渉決裂により、虚無に魂を引き摺り込まれ散り塵の体になった伯爵の傍らで泣きじゃくるその娘テレジア。

 父の悪行の全てを知り生きる事に絶望するテレジアに妖精のパックは声を掛け擦り寄ろうとしますが狂乱気味に手を振り回して自分の世界に閉じこもろうとするテレジア。

 その姿を見かねて大剣を携えて歩み寄るガッツ。

 図式だけ見れば民を苦しめる暴君から囚われのお姫様を救い出した英雄のようにも思えますがどうやら事情が異なる様子。最愛の父と屋敷を失ったテレジアにガッツは冷たくこう言い放ちます。

「…じゃあ死ねよ」と。

 その発言に激高してちいさな手でガッツの頬を張る妖精のパック。しかしガッツは繰り返しテレジアに「死ねば?」といい続けます。

 これまでの経験で死に対する独自の解釈を持つガッツは転がるナイフを見下ろしてテレジア自身に生殺与奪に権限を委ねます。

 ナイフを拾い上げて自分の細い手首にむけるテレジアとそれを身を持って制しようとするパック。一瞬この妖精の指を一本、一本斬り落とすんじゃないか、と思った筆者は相当この新都社に心を汚されています。

 しかしこの女を見かける度に強姦し、悪党がイキった次のコマでは首が飛んでいるようなこのクレイジスト・ワールドでも一定のSAN値は保たれている模様。妖精を見つけても好奇心で瓶に入れて捕えたりはしません。ダーツの的にはされそうになっていましたが。

 そんなこんなで都合よくテレジアの居るところだけが崩れ落ち、無意識に大剣を差し向けていたガッツ。さっきまで死のうとしていたテレジアは泣き叫びながら刃に掴まり、ファイト一発、転落を避け元のフロアに戻ります。

 言葉とは裏腹にテレジアを助ける手立てをしていたガッツは己の行動を省みて辛そうな表情を浮かべます。

「あなたがここに来たから…あなたさ現れなければ…………あなたさえ………」

 命を救われたテレジアがガッツに向けたのは感謝の言葉では無く欝憤のまなざし。それを受けたガッツは踵を返して伯爵の遺体から目的のベヘリットを取り上げてその場を去ります。

 その後姿に飛び寄るパックはガッツの衝撃的な姿を目にします。

     


     

ガッツめっちゃ泣いてるやん……

 ただならぬ剣幕のガッツからパックは飛び去り、目の前のドアを開き歩き出すガッツ。そして話は彼の回想である黄金時代編に遷り、ケンドーコバヤシばりのハードすぎる少年時代とグリフィスとの因縁が語られていきます……


●完走した感想

 やー、やっぱりこの作品は少年漫画の王道と言っていい作品なんじゃないでしょうか。悪霊に常に狙われ続けるハード・ボイルドな主人公とダークファンタジーの世界観。

 ノータイムで相手の命を奪いに行くスカッとする戦闘シーン。でもやっぱ、グロイ。グロすぎますねー。これはあまり人におススメできないかも。

 一見粗暴で他人の事などまるでお構いなし、といった態度のガッツですが本作では就寝前などガッツがひとりになる場面でほぼ確実に内省的な描写が入り、それがガッツの心の繊細さを表しています。

 某海賊漫画の主人公のように肉食って鼻風船を膨らませていびきをかいて何も考えずに眠れたらどんなに楽な事か。自分の宿命を一人で抱え込むガッツには同情を通り越して哀れみさえ感じてしまいます。

 連載ではキャスカの記憶が戻ったそうですが、作者が生きているうちに完結するかどうか……そういえば『3月のライオン』もヤンアニ掲載でしたね(巧妙なステマ)。


『ベルセルク』総評価

おススメ度

★★☆☆☆

欝度

★★★★☆

読みやすさ

★★★★☆


 あと全然関係ないですけど、筆者が学生の頃、「ベルセルクってクレ●モアのパクリじゃねーか!」とクラスでイキったら卒業まで口を利いてくれなかった漫画好きの河村君。

 僕の知識が浅かったです。この場を借りて謝罪します。

今回はこの辺りで失礼します。

       

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