決闘

「二人か、同時に相手をしよう」
決闘の場所でダーファル・シキはそう言った。
「二人同時?聞き間違いか何かか?」
「試したいんだよ、この刀とこの銃を」
ふとみると異様な刀と、銃を手にしている。
「何とも妙だその刀」
「おっとエドマチの人かい?
 これは妖刀闇雲といってね
 たしかなしらものなんだ」
六録緑は刀を構えると、ダーファルの殺気が、
異様なものであることに気付いた。
「おぬし人を大分斬ったな」
「数えるほどだよ、
 もっとも斬る度に、
 よく斬れるようになったけどね」
「そっちの銃は?」
「精霊銃、私の魔力を打ち出すから、
 弾は切れる事はないんだよ」
そういって何発も撃ってみせた、
パァン、パァン、パァンと破裂音がした。
これにはレンネル・ジャーヴィッツも驚いたが、
銃を構えてダーファルを制止させた。
「おっと、もう始めるのかい?」
「ダーファル・シキ、言いたくはないが、
 無謀な決闘を挑んだものだ」
「僕は勝つさ、そういう星の巡り合わせなんだ」
風が吹き、三人は静かに間合いまで歩くと、
「ところで勝ったら、僕も褒賞が欲しくてね、
 あの娘を食べてしまおうとおもうんだ、
 散々、侮辱されたわけだ、それくらいは、
 許してくれるだろう?」
ポルカはどうか?
「構いません、もっとも勝てるのならの、
 話ですけどね」
「おお怖い怖い、死ぬのは嫌だね、
 でも大丈夫なはずだ、やれるさ」
「では三人での決闘を始めますか?
 合図はわたし、ポルカが出します」
「構わないよ」
「頼んだ」
「よろしく」
「では、はじめ!!」

六録緑は刀を構えるとダーファルに切りかかった、
その刀は空気より軽く扱いやすく、
六録緑が有利かに思えたが。
「よくみえるね」
ダーファルは妖刀闇雲で片手で受けてみせた。
対する六録緑は両手でこれを断とうとしていた。
「くっ、やるな!」
「次は銃が試したいんだ、
 しばらくどいていてくれないか、な!」
ダーファル・シキは蹴りを入れると、
六録緑は飛び下がってこれを回避する。
「そういえば名前を訊いていなかった、
 どうせ忘れてしまうけれど、
 聴いておこうかな」
「レンネル・ジャーヴィッツ」
「六録緑」
「ありがとう、では!」
お互いに銃を構えるとレンネルは早撃ちで、
いち早く、ダーファルを撃ちぬいた、が?
「躱した、というの?!」
ダーファルは精霊銃を構えてレンネルに、
何発も撃ちこんでいった。
すばやく姿勢をかがめてこれを回避し、
レンネルは何発も相手に打ち込むが、
その全てが奇妙に躱されていた。
「・・・・・・!?」
たしかに全発照準を合わせてあたっているはず、
にもかかわらず、奇妙なまでに弾は逸れる。

「でやっ!!」
「また刀か!!」
六録緑は今度は切り結ぶつもりで、
妖刀闇雲に挑みかかるものの、
「では銃でどうかな!?」
「くっ!」
精霊銃を突きつけられて、
これを回避する一方となる。
「刀の間合いに入れない」
「六録緑!」
弾の装填を終えたレンネルは素早く、
ダーファルに向けて銃を撃ちこむと、
またしても躱された。
「妖刀が怪しい!全力で断ちきれ!」
「わかった!」
「ほう、どうするというのかな?」
「くもじぃ、力を借りるぞ!」
「おぅ六録緑!」
雲の形をした小さな精霊は、
六録緑の刀に吸い込まれると、
より早く刀が振れるようになった。
「雲をすいこむ? 味な真似を!」
妖刀闇雲でこれを受けようとすると、
風に弾かれて、妖刀を手放してしまった。
「くっ」
「ダーファル・シキ!」
レンネルは素早く弾丸を撃ち込むと、
ダーファルの長い耳を1つ吹き飛ばした!
「やった!?」
ポルカは的中したその瞬間を眼にした。
「よくもやってくれたね、
 でもこれで気が楽になった、
 自分でも長すぎると思ってたんだ」
「どうしてオークたちを殺した?」
レンネル・ジャーヴィッツは銃を突き付けて、
そう言い放った。
「狩りは趣味なんだ仕方ないだろう?」
ダーファルは攻撃の機会を伺ってるようだ。
六録緑は刀を構えると、再び間合いに入った。
「邪魔しないでくれないか!」
ダーファルは精霊銃を引き絞ると、
連発して六録緑に浴びせかけた。
六録緑は刀でこれを受け流すと退いた。
再びレンネルの銃声がこだまする、
ダーファルは遂に両耳を短くされた。
「ダーファル・シキ、答えになってないぞ!」
「まったく、仕方がないね、
 私は、友達になれる人をさがしてるんだよ、
 だから友達になれる人には自分と同じ趣味を、
 持ってほしい、それだから客人をもてなす、
 為に、七頭豚が必要だったんだ、
 でもただの豚じゃ面白くないだろう?
 だからおいしいオークを選んだだけの話さ」
「それだけの為にか?」
「それだけさ、それにしてもお二人とも、
 腕は確かだね、妖刀闇雲拾っても、
 いいかな?」
既に足元にあるその刀を前にして、
ダーファルは口にした。
「動くな!」
「レンネルどの、こやつは拙者が!」
「六録緑はもういい! ポルカ!」
「殺してください! そんなやつ!!」
「いいんだな!?」
「はい!」
ダーファル・シキは妖刀闇雲を拾うと、
「動くなといったはずだ!」
レンネルの弾丸はまたしても、
ダーファルに躱された。
(やはり、あの妖刀が!?)
「六録緑!」
「まったく、世話が焼けるでござるな!」
素早く刀でダーファルに斬りつけるが、
「この妖刀闇雲は刀によってしか、
 持ち主を傷つけられない魔力があるんだ、
 きみみたいな相手が一番困るよ」
「分かってて受けた決闘でござろう!」
剣劇は続くが、片手でダーファルが、
受け続ける事が出来るものでもない、
「うっとうしいね喰らえ!」
ダーファル・シキの蹴りが再び、
六録緑をかすめるが、
「隙アリ!!!」
バランスを失ったダーファルめがけて刀を、
振り下ろした、確実にあたるはずだった、が、
「なんという、反射神経!?」
「ありがとう、躱せるようになったよ」
(こいつ、戦うほど強くなっている!?)
「そちらも黙ってないで、ね!!!」
ダーファルは精霊銃を撃ち放つと、
レンネル・ジャーヴィッツはこれを躱した。
「銃の腕はまだまだだなダーファル!」
「撃ってこないのかい?レンネル!」
ダーファル・シキは両手で二人を相手にして、
いるつもりになっているが、
それも妖刀闇雲の魔力によるものに過ぎない、
とするなら。
「六録緑、チャンスは一度きりだ!」
「言われなくとも!!」
六録緑は渾身の一撃を見極めて、
隙を見せたダーファル・シキめがけて、
振り下ろした!
「また刀を吹き飛ばすつもりか、な!?」
妖刀闇雲は真っ二つに両断され、
使い物にならなくなった!
「なんだと!?」
レンネルはすかさず銃を打ち込む、
これに反応してダーファルも精霊銃を撃つが、
「かふっ」
「勝負あったな」
ダーファルに胸部に一発の弾丸が打ち込まれた。
「こんな、ばかな」
「介錯は引き受ける、痛みの無いうちに
 とどめを入れてやる」
六録緑は刀を構える、
「待て、これは間違いだ」
「なんの間違いだ!?」
レンネル・ジャーヴィッツは銃を構える。
「謝る気も何もないんだろう!」
「クッ」
ポルカは
「殺して!そいつを!」
「ではゆくぞダーファル!」
ダーファル・シキは覚悟を決めたのか、
まぶたを閉じて、そのまま、
六録緑に首をはねられた。

こうして決闘は幕を引いた。
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