Neetel Inside ベータマガジン
表紙

ノベル『ボルトリックの迷宮』
リーザーベル、強襲

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◆ミシュガルド温泉 シャーロットの部屋

ドヤドヤと土足で踏み込んできたのは、甲皇軍の軍人達だった。そのうち一人は、顔に包帯を巻いていた。ケーゴが柄で鼻を叩き折った奴に違いなかった。
一人、女が歩み出て、部屋の空気を吸い込んだ後、鼻を摘む。

「なんて匂いの部屋だい。お前たち、窓を開けるんだよ!」

繋がったまま硬直する私達を無視し、数名が我が物顔でベッドを前を素通りして窓を開け放つ。

「随分楽しんでいたじゃないか。さあ、ここからは仕置の時間だよ!」

彼女の号令に合わせ、軍人たちが動き、統率の取れた動きで私とケーゴを引き離した。
他の男の手で触れられて、鳥肌が立つ。ケーゴが怒鳴り声を上げて抵抗し、一人に頬を殴られる。

「ケーゴ!!!」

彼は殴られても抵抗をやめず、4人がかりでベッドの上に腹這いに押さえつけられた。
私は両腕を押さえられ、女軍人の前に引きずり出される。

「はぁーん。これが、ねぇ?」

彼女は手にした乗馬用の短鞭で、人の頬を小馬鹿にしたようにぺしぺしと叩いてから、肩をすくめて男達を振り向き、不意に思いっきりスイングして、私の顔を叩いた。

「あう!!!」

ケーゴが「やめろ!」と騒いでいる。
私はケーゴに「大丈夫だから」と目配せした。

そして目の前の女軍人を睨みつける。
そうか、こいつが「あの人」か。
部下を何人も引き連れてこれる、偉い人、なのだろう。

「なんだい、その目は?!」

顎を持たれて、ぐいっと上向かせられる。

「……当たり前でしょ。急に上がり込んできて、いきなり殴られたんだから」

ケーゴに意識を向けられるよりは、私が目立ったほうが良い。萎縮せずに返事を返す。
「ハッ、いい度胸してるじゃないか」と女軍人は笑った。また叩かれるかと思ったが、その手でぱしっと鞭を打ち鳴らしただけだった。

「ウチの男達に色目を使ってくれたんだってねぇ」

そんな事してない。

「そこで、お前みたいなメス豚が悦ぶスゴイヤツを持ってきてやったのさ」

彼女が指を鳴らすと、布をかぶせた棒状の包みを手にした男が一歩前へと歩み出た。
女軍人が布を取り去る。そこにあったのは、ガモのソレを連想させるような、男性器を模した物体……ディルドだった。

「ちょ……!」

一瞬にして意図を悟り、身動ぎして逃げようとする。

「アッハ!なに悦んでいるんだい。この馬鹿が!」

再び鞭がうなり、乳房を打たれ、痺れる痛みに声を上げた。

「さあ、彼氏の見ている前で、頑張ってもらおうじゃないか」

ガザミにされた時のように、後ろから脚を持たれておしっこポーズに持ち上げられ、全員の前でケーゴに虐められていた女性器を晒す。
嘲りの笑い声があがる。

ソコからは、ケーゴの精液と私の愛液が絡み合い、涎となって泡立ち、糸を引いて垂れていた。
男子に見られて、ヒクヒクと動いてしまい、恥ずかしくて頬を覆いながら硬直してしまう。
そのまま部屋を一周させされ、再び女軍人の前に戻ってきた。
彼女は鞭の先端をクリトリスに押し当て、撓らせ、グリグリと強めに刺激してくる。

「あぅ……」

感じさせられて、呻く。

「感じてんじゃないよ!」

そのまま、陰核を鞭で殴られた。

「あひぃ!!!!!」

痛みのあまり、情けなく声を上げた。
ケーゴが、見てる。
ニヤニヤと笑った男が、ペニスのおもちゃを押し当ててきて、グリグリと回転を加えだすと、私の膣はその先端をしっぽりと飲み込む。

「くっ……んっ!」

ダメ。これはケーゴじゃないんだから、と自分に言い聞かせて奮い立つ。そのペニスのおもちゃで私を嬲ったつもりになって、スケベな笑いをしている男に、唾を吐いた。

「甲皇国軍らしい、サイテーの……」

彼は私の言葉を待たずに、その異物を奥までゴリリッと付き入れた。

「あーーーーーーっっ!!!!」
「だから感じてんじゃないよ!」

鞭が陰核を弾く。「んーーーっ!!!!」泡を吹いて失神しそうになり、ガクガクとお尻を振った。
髪を捕まれで、顔を上向かせられる。

その間も、男性にディルドで嬲られ、別の男性に後ろからコリコリと乳首を弄られて、私は何度も惚けそうになった。
自然と腰が淫らに動きだす。

やだ。さっきまで凄い幸せだったのに。
ケーゴが、見てるのに。

女軍人が、口角と目を吊り上げて嗤っている。

「ほら、SHWの女戦士さんよ。彼氏がみてるんだよ?頑張って悪態をついてみなよ?また鞭をくれてやるからさぁ」
「や……やめて……」

私の答えを聞いた彼女は、ゾクゾクと身を震わせ、そして鞭を振り上げた。

「や、やめ…ひああああああっ!!」

その鞭は三度陰核を打ち据え。私は小便を漏らしながら失神した。


◆ケーゴ

「この目障りなメス豚を連れていきな!!!」

失禁しながら泡を吹いたシャーロットは、床に投げ落とされ、改めて四人に四肢を持たれる形で、部屋から運び出されていく。
部屋に残ったのは、女軍人と、その側近の男、そしてケーゴの三人だけとなった。
リーザーベルは、男にケーゴの首根っこを押さえさせ、その爬虫類を思わせる舌で、少年の背中をゾロリと舐める。

「フフッ。いいねぇ。いいねぇ!」
「俺はちっともよくねーよ!」
「元気な子だこと!」

リーザーベルは鞭をケーゴの背中へと落とし、即座に彼のペニスを握った。

「うぅ!」
「ほーらほら。こんなにブッ太くして、何を期待しているのさ!」

側近の男がケーゴの首根っこを離し、ベッドサイドで気をつけの姿勢を取る。女軍人は四つに這う少年のイキったペニスを、上から下へと搾乳するように刺激する。

「ぐう!」
「お前の好きなねーちゃんはもういないよ。ほらほら、遠慮せず出しちまいな」
「うああっ!!」

ケーゴは責に耐えれず、そのまま放精し、ビクビクと腰を震わせた。
リーザーベルは彼の前でその精を指に掬い取り、じゅぷりと舐めて見せる。

「濃いねぇ。若いねぇ。フフフ……」

そして彼の前で軍帽を投げ捨て、シャツのボタンを弾き飛ばしながら脱衣すると、若い男のペニスを目の前にして、最早前戯の必要もなく湿らせたそこを見せつけた。
顔を背ける少年をほら!見るんだよ!と鞭で打ち据え続ける。

「やめろ!ふざけんな!」

ケーゴは顔を上げて、リーザーベルに掴みかかり、そしてその顔を殴りつけた。女の顔を本気で殴ったのは、これが初めてだった。
鍛えられた軍人とは言え男女の筋力差だ、リーザーベルはベッドから転げ落ちた。

「小僧!!!」

怒鳴り声を上げた側近の男だが、ケーゴを殴りつけるよりも、リーザーベルを助け起こすことを優先した。
ケーゴはそのまま、部屋を駆け出す。

「何してるんだい!あの小僧を追うんだよっ!!!」
「は、はい!」

女軍人の金切り声が聞こえる。
情けないが、素手で勝てる相手じゃない。
素手で勝てる相手ではないが………。
部屋を飛び出してくる男性の、その股間に思いっきり膝を突き立てた。
逃げるとみせて、部屋を出た直ぐそこに控えていたのだ。
大男は股間を抑えて悶絶する。その倒れ込んだ顔を、思いっきり蹴り上げると、男性はぐんにゃりと全身を弛緩させて動かなくなった。
そのまま、室内に戻る。
口から血を流した女軍人は、戻ってきた少年の形相にヒッと小さく悲鳴を上げた。
ケーゴは本気だった。
彼女に歩み寄ると、その喉を掴んで固定する。
うう、呻いたリーザーベルは、弱々しげな表情を見せた。

「ねーちゃんをどうした」
「痛い。暴れないから首を放してよ」

ケーゴは怯える女軍人を睨みつけ、空いている方の拳を握る。

「ねーちゃんをどうしたっ!!」
「邪魔だから交易所に返しただけだよ!」
「ちっ!」

ケーゴはゴミのようにリーザーベルを投げ捨て、ごほごほと喉を抑えて呻きながら、軍服を引き寄せ肌を隠した彼女を冷たく見下ろす。

「通信機とかってのがあるんだろ。ねーちゃんをここに連れ戻させろ」
「フフフ……通信機はないよ。今は作戦展開中じゃないからね」

肩を震わせて、女軍人が笑いだした。

「フハハハ!アッハ!このバァカ!!」

その手には黒く光る短銃が握られていた。
その銃口が火を噴いて、傍らにあった水差しを弾いた。
威嚇も兼ねた大きな爆発音が窓を震わせる。
流石にケーゴもたじろぐ。

「……撃てるのかよ」
「撃つさ。SHWのガキの命なんざ、1ガルダにもならないからね」

リーザーベルは立ち上がり、口を拭って、自らの出血を確認した後、裏拳でケーゴの横っ面を思いっきり張り倒した。
ケーゴの身体がグラリと流れる、だが彼は踏み止まり、顔を上げた。

「へっ。そのガキのちんぽが欲しくて盛ってた癖に、よく言うぜ……」
「ちょっとはカワイイ顔してるから、優しく遊んでやろうと思っていたが……お前にはもっともっと、もーっと楽しいことをしてやりたくなってきたよ」
「へぇ。そいつはまた。聞かせてくれよ。それが本当に楽しいのか……早くしてくれ。『ねーちゃんを交易所まで追いかけないといけない』からな」

リーザーベルはニヤリと笑い、ケーゴに銃口を向けたまま、ベッドに股を広げて下品に腰を下ろす。
そうさねぇ……とブツブツつぶやき、指を弾いた。

「決めたよ。ウチの男共に尻の穴でも犯させてやるか」
「少しも楽しくないね」
「アタシは楽しいね。さあ、お前は何人目から喘ぎだすかな?それとも、裂けて血を流した尻穴を押さえながら、今からでもおまんこをハメさせてくださいと、私に泣いて懇願するかな?アア楽しみだ。その後お前は、従軍男娼になるのさ。男にはケツを差し出し、女にはちんこを差し出す、楽しーい毎日を送るのさ」
「吐気がするね」

ケーゴは女の言葉に動揺を見せず、無感情に返事を返す。
それが気に入らないリーザーベルは、声を荒げ、銃の引き金にかけた指に力を込めた。

「さあ、おしゃべりはここまでだ。ツっぱっていても、まだ死にたくないだろう?今直ぐそこで、アタシを見ながら、オナニーしてごらんよ。いっぱい出せたなら、ちょっとは考えてやるよ」

「結局ソレかよ」

返事をしたのは、ケーゴではなく、女の声。
女軍人がアッと思った時には、横面を殴られ、顔から飛び上がっていた。

「あぶぅ!?」

床に叩きつけられた後、えぐり取られたかと思った頬をおさえながら、顔を上げ、すぐ傍らに彼の仲間の亜人女戦士が立っているのを見て驚愕する。
その隣には魔法使いの少年も居た。
魔法の力で、突然そこに現れたのか!?
ガザミは、彼女の手を離れて宙を待っていた拳銃をぱしっと受け止めた。

「スゲー音するなコレ。起こしてくれてありがとさん。豪華な夕餉を食う前に朝になっちまう所だったぜ」

リーザーベルは、その顔半分を見る間に腫れ上がらせていく。

「ねーちゃんの方は!?」
「ちゃんとフォーゲンに追わせたよ」
「今のボクは大魔法を使えません……魔力があっても身体がついていかないのです……なので、フォーゲンさんに走ってもらいました」
「ガモは……?」
「いや。アイツ頑張りすぎて寝てるからさ……まあ。その、別にいいじゃないか」

ケーゴは安堵した。取り敢えず師匠が走ってくれたのなら、大丈夫だろう。
銃を突きつけられた時はヤバイと思ったが、リーザーベルの自己顕示欲に満ちた威嚇射撃により、異変に気付いた仲間が助けに来るのを想定して、女軍人の会話を引き伸ばし、またシャーロットが彼らに連れ出され交易所に向かっている事を口に出して伝えた。
最初に気がついてくれたのはガザミだろうか、皆が同時に気付いただろうか。
ホワイト・ハットの魔法で姿を消し、そこまで入ってきていたのを、冷静なケーゴは感じ取っていた。
だからリーザーベルの汚らわしい揺さぶりにも、動じることはなかった。

「それよりもコイツ。どうするよ?私見を述べさせてもらうと……ここでブッ殺しておくのがいいと思うがね」
「ひっ!」

ケーゴは、演技ではなく怯えだしたリーザーベルへと視線を落とす。安心して幾分怒りが収まっていたのもあり、その顔を腫れ上がらせた姿を哀れだと思った。

「……ねーちゃんが無事なら、もういいよ」

ケーゴの慈悲に、リーザーベルは彼の脚に縋り付く。

「ああ~!ごめんよ!アンタらにはもうかかわらないよ!本当にごめんよ!」

リーザーベルはどさくさ紛れにちんちんにチュッチュとキスをして、やめれ!とケーゴに払われ、ああんっと切なく声を上げた。
そこに、バタバタとした足音が聞こえる。
フォーゲンが戻ってきたのだ。
ゼェゼェと息を乱しながら、彼はふらりと室内に入り、よろよろと机の上のグラスまで歩いて、飲みかけのそれを呷って咽て鼻から吹く。

「フォーゲン!ねーちゃんは?」
「フッ……………なんか変な馬車でな、全然追いつかなかった……」

皆が固まる中、リーザーベルは脇腹を抑えて咳き込むフォーゲンを慰める。

「……あ、うん。ウチの自動車は速いから。アンタがわるいんじゃないよ、うん」
「ボルトリックを叩き起こして……すぐ馬車を出すしか無い……!」
「ああ!そうだね坊や!それがいいね!」

ガザミがガモとボルトリックを叩き起こしに走り出し、全員が馬車前に集合し、出発の準備が整う。
荷物運びを手伝っていた女軍人は、ケーゴ達に恐る恐るとお伺いを立てた。

「……あ、アタシはもう帰ってもいいのかな……?」

ガザミは、「万が一」に備えて彼女を人質にすべきと主張した。
万が一の事態など想定したくもなかったケーゴだが、リーザーベルを馬車に引き上げ、御者席に座るボルトリックに出発を促す。

「それよりも早く馬車を出してくれ……!」

鞭が呻り、馬が駆け出し、加速して、車輪が小石を弾いて土煙を巻き上げた。


ガタガタと揺れる荷台で、ケーゴは地図を広げる。

「自動馬車の速度は?」
「フッ……この馬車の3倍から4倍の速度はでていただろう……」
「それじゃ、追いつかないじゃねーか」
「馬に回復魔法をかけて休ませず走り続けても、追いつかないですね……」
「直線距離を、こう……ショートカットできないか!?」
「フッ……仮にルートがあったとしても、馬車が持つまい。今でも脱輪の恐れがある」

くそ!とケーゴは地図を殴りつけた。どう考えても間に合わない。
顔を上げてリーザーベルを睨みつける。

「なんで交易所なんだ?」
「う……」

女軍人は返答を詰まらせたが、ガザミに睨まれ、シャーロットに恥を与えるために大交易所に裸で捨てろと命じた事を白状した。

「……髪を切り、痛めつけて、輪姦して、交易所の門に吊るせと……」
「この……!」

ケーゴは怒りに任せて拳を振り上げ……怯えているリーザーベルを見て「くっ!」と呻いて、自分を殴りつけた。
不思議と痛みを感じなかった。そのまま頭を抱えて座り込む。

「ねーちゃん……」

ケーゴは、先ほどまで愛していた彼女の姿を思い出す。それから、無残にも踏み躙られた姿を想像した。
蹴る殴るの暴力の末の輪姦で、男共に歯止めが効かなくなり、シャーロットを嬲り殺してしまう可能性も否定できない。
苛烈な辱めを受けたシャーロットが、衝動的に死を選ぶ事だって十分にありうる。
吐き気がこみ上げてきて、彼は馬車の外に嘔吐した。

「フン。我らもこの女を痛めつけ、髪を切り、輪姦し、裸にして甲皇国軍の前線基地に投げ捨ててやろう」

ガモの言葉には、仲間の尊厳を踏み躙られた怒りが満ちていた。

「反対だね。そんな事をするなら、素直に殴り殺すべきだ」

ガザミは、女性としてリーザーベルを庇う。しかし、この場で復讐を始める事自体には賛成しており、どちらにしても女軍人には絶望の提案だった。彼らの会話を聞いた彼女はジョロジョロと小便を漏らして、懸命に命乞いを始め、終には泣き崩れる。

「い、命だけは!!!」

復讐という名の暴力は、人を悪魔へと変貌させる。
リーザーベルは縋るようにケーゴの顔を見つめたが、そのケーゴすらもが、無言のうちに復讐を容認する構えを見せていた。
殺気だった馬車内の空気を修めたのは、意外な人物の一言だった。

「フッ……その判断をするのは、俺達ではない」

ホワイト・ハットに団扇で扇がれながら、上半身裸のフォーゲンが幾分大き目の声を出す。

「シャーロットに決めさせればよい……」

年長者の筋の通った言に、ガモもガザミも怒りを抑えて黙り込んだ。

「……だが、シャーロットが命を落としていた場合は……俺が此奴を斬り捨てる……」

       

表紙

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Neetsha